例 一 だらけた少女の語り部
1
あまりにも唐突に言うけど
あと一週間で世界は滅びます。
あなた達が今覗いてる?観測している?読んでいる?そこの現代時間を
だいぶグルグルとスキップした
未来にいる私達の世界は滅びる運命なのです。
ええ。どう足掻いても。
そんな滅びの運命を知った私たち人類はもう活力がなくなってしまったのです。そこでアンドロイドに全て家事やら雑用をやらして楽をする駄作の人間が増えてしまったのです。
それはそんなある1人の駄作人間の話
はじまりーはじまりー。
「物語1」
「おーすごいなーヴァーチャル2.5次元動画主は
良くやるよ。もう滅びるかもしれない世界でね、そう思わない?」
「そうですね。」
人はお付きとして一台のアンドロイドを所持することが出来るようになった。
それ以来人間は一部を除いて全く働かなくなった。
私もその一部……
ではなく。ぐーたらしてるほうの一員である。
「いやぁ…今日も今日とて暇だ…。おっ!新しい動画更新来てんじゃん!働くねぇー真面目だねー。」
働かなくても、戦争の時に沢山の人が死んで世界の寿命も僅かになった今。政府から配布してもらえる。それなのに働く物好きはよく分からなかった。
「今日は手紙を書いてみたいと思いまーす!誰に書こうかな…」
「手紙?ねぇ、手紙って何?」
「検索完了。手紙とは特定の誰かに当てて書く分筆のことらしいです。」
「へー。でもさこのメッセージレターとか普通に使えばいいのにさ。なんで手紙書くの?」
「…わからないです。今後の課題として検索し直します。」
「ん、期待しないで待ってるー。」
アンドロイドは万能だ。え?なんでそれなのに
期待してないなんて言ったかって?
ああ、それは。後ほどほど。
まっ。私が言う必要は無いけどね。
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実のところ私は
何故地球が滅びるのかよくわかってない。
けど、みんなが「滅びる!」って言うから
「あっ…本当なんだなー」って思った。
偉い人もそう言ってるし、科学的にどーたらとか
なんか理論もあるらしいし。世界が終わるのは本当なのだな、再度思った。
「今日も今日とて暇だ…。世界が滅びるの遅くね?」
世界が無くなるまで
後6日つまりは1週間を切ったのだ。
「でもねぇ!確定滅びるって言われてんだからねぇ…最後の余生。何してもいいでしょね?」
「………」
「ありゃアンドロイドさんたらバッテリーがイッちゃってるよ…これは外出確定…ああ、やだやだ。」
別にニートだから外が出たくない訳じゃない…
じゃなくないかもしれないが…うん。
彩りがない世界が見たくないだけだ。
金は有り余ってる、食品、部品の自動供給
こんな意味の無い世界。意味しかない世界。
控えめに言ってつまらない。価値がない。
「でもそんなこと言ってらんないか…いくぞー。」
私は渋々と出かけた。
この未来、電車はリニアになった。乗るのは久々だけどね。だから久々のリニアに乗るので焦せる。
「あーもう!電子マネーでってんのに…!」
そうこうしている内に電車が来た。
「ーーやっべ!急がなきゃ。」
私は何とか乗車の資格を得て、急いで走った。
「ぜはー、ぜーぜー、あーしんど。」
走るのなんて何年ぶりだろうか?あまりにも走ってないから筋肉痛が……
「ーーーーっ!痛てぇ…やっぱ外嫌いだわぁ…」
とよろけそうになる所を
「……大丈夫ですか?」
とある彼女が訪ねてきた。
「ん…いや…死ぬ…。」
なんで世界が滅びる6日前に筋肉痛にならなきゃいけないんだ…。全く散々だ。
「え!?」
しかもこのお姉さん真面目。性格合わなそ。
「はは、冗談だよ。おばさんからかうの好きだから…」
と愛想笑いで返す私、偉い!
「え…どう見ても私と同い年に…」
「こんな駄肉が乗った私を同じ年にしちゃあイカン。でもまあいいや。ちょっと肩貸してよ。」
「はい。」
ちょうどの(女子)杖の代わりの身長をしている!これだけは幸運と言える。
電車がゆらりゆらりとゆらゆら揺れて
2駅、3駅ついた頃には足の痛みは取れていた。
「ん…もう大丈夫だよ。あんがとね!」
「あっ…はい。所で貴方はどこへ行くんですか?」
「ああ、アンドロイドさんのバッテリーが切れちゃってね…特定の場所に行こうと…」
「ああ、一緒なんですね!」
え?言わなきゃ良かった…。ビバ,1人…
「じゃあ、少し喋りましょうか!」
「いいけど私2.5次元ヴァーチャル配信者の情報しか知らないよ…」
「まあ、多分知ってるかも知れませんし…それにいい時間つぶしになるでしょ?」
と彼女は笑う。ごもっとも。時間つぶしにはなりそうだし、「価値」はありそうだ。
「まず1つ目、手紙についてご存じですか?」
「……あんたヴァーチャル配信者見てんの?」
「いえ?なんです?それ?」
「いや、配信者がやってたからさ。それで手紙なんて誰に書くの?」
「7日後の未来の自分にです。」
ん?7日後?それ世界滅んでますよー。なんて言いたいけど。
「世界滅んでるのに何言ってんだ?みたいな顔なされてましたね」
やっべぇ、ばれとる…。
「ふふ、いいんです。けど後もう少しで世界が滅びるなんて信じられますか?私は信じられない。」
「けど、ほらみんな言ってるんだからさ…そういう専門的な人も。」
「けど、最終的に決めるのは私たちなんですよ。
最終的に私達が滅びるか、滅びないかの結論を選択するです。それで貴方は前者を私を後者を選んだんです。」
「…………」
そうかもしれない。私はただ、みんなの意見に納得しただけ。つまらなくなった世界で
価値のなくなった世界に毒されたのかもしれない。
いつからだろう?
世界に価値がなくなったのは?
いつからだろう?
世界が疑わなくなったのは?
いつからだろう?
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「……」
「あのー着いたみたいですよ」
「え?ああ、」
そうだ。バッテリー買いに来たんだった。
「では私はこっちですので、」
「あ、あぁ…そうだ。ここだったわ…。」
なんか、遠いのにあっとゆう間だった。
「ふふ、ではまた会えたら会いましょう。その時はここじゃないかもしれませんけどね。」
と彼女は小悪魔みたいな笑みを浮かべて手を振って
私と別れた。
その後、ちゃちゃとバッテリーを貰って
家に帰った。
帰りの電車は
家の近くの駅に着くのが何故か遅く感じた。
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「うぇ……」
どうもあの言葉が引っかかって寝れなかった。
熟睡健康、毎日、が崩れた瞬間であった。
「くそっ…全く…散々だ。これだから外は出たく…あっ!忘れてた…」
昨日疲れてアンドロイドさんにバッテリーを入れてなかった。
「えーっと。ガシャッと。」
ヴォーンと起動の音がする。どうやらこれで良かったみたいだ。疲れた…。
「おはようございます。」
現在昼1時。
「うん、もうこんにちはの時間だね。」
「申し訳ございませんでした。」
「まあいいよ。これから寝るけど。なんか通知来てる?」
「ヴァーチャル配信者が新しい動画を配信したみたいですけど…」
「寝るのなし、見てから寝る。」
「了解しました。ではこちらですね。」
よし!これで少しは疲れが取れるというもの
これで長く続くかもしれなかった不眠も解決する…。 さよなら不眠。
「こんにちは!ヴァーチャル配信者のメグだよ!
今日は昨日の続き手紙を…」
不眠よ。
これからしばらくは長く付き合うことになりそうだ。
ーーーーーーーーーーーー
その動画は最後まで見れなかった。
気づいたら寝ていたらしく。朝になっていた。
これで世界の存命は「4日」となった。
「…不眠じゃなかったみたいだ。良かった。」
世界が終わりそうなのに不眠を気にするのはよく考えたらおかしいな…。なんて思ったがまあいいだろう。
「そうそう動画だ動画、結局寝ちまったからね…見なきゃ…」
前回はどんな話だったか…
「 結局誰に書くか決めてなかったけど、仲良しの子に何個か書いて終わったんだっけ…?」
「はい、どーも。昨日考えたんですけど
私は私自身に書こうと思います!
6日後の私へ書きます!いやいや世界滅んでんじゃねぇーかよ。なんて思ってますよね!
そう…残念ながら世界は滅んでしまいますけど、
もし、夢をもう一度見ることが出来ることが出来るなら…私はこの世界が存命することにかけたいんです!それがたとえ愚かでも…あっ…すいませんこんな時間に!?あっ!後編に続きます!またあした!」
その公開日の日、手紙の在庫は消えた。
失ったものを届けてくれた彼女に感化されたようにこの動画を見た堕落に満ちた生活者達は一斉に
自分へと手紙を書き始めたのであった。
私もそれに感化されて、
手紙を書こうと思った安直な考えの1人である。
そして幸運なことに、私はこないだ
手紙を貰っていたのである。
それは見知らぬ彼女との別れ際のことである。
どうやら、彼女は私のバックに手紙を入れ込んでくれた。ご丁寧にファイル入りで。
まあなんで彼女がくれたのか、わかったが…
また、別の観測で語られるだろうからいいや。
ーーーー
気付けば、もう既に0時を回っていた。
要するに世界が滅びるまで後3日。
彼女はいつもなら寝てる時間に真面目に机に向かい手紙を書いていた。
「んーーーーー。ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあもう……振り返るとうん。黒歴史で…辛い……。
私自身に書くつーのは黒歴史の塊を書いてるだけじゃないか…。」
なんか…違うと思いながら彼女は目蓋の限界を感じ、そのまま落ちた。寝落ちですね。はい。
ーーーー気付けば、もう夜になっていた。
「はっ!もう夜!?健康思考が崩れていく。
なんか昔習ったなんだっけ…あの壁みたいに儚いものだな…破られるのって。」
けど、
それだけ彼女が夢中になれるものを見つけたのだ。
いや、彼女だけではなく。
あの動画を見た全ての活力の無かった人達がこの手紙を書くことを夢中で楽しんでいた。
そして、その首謀者とも言える彼女から動画が更新された。
ピローン。
「おっ!アンドロイドさん!通知来たけどなに!?」
「はい、動画の投稿更新した通知です。」
「つけて!」
ピッ!
「はい、どーも。
前回の反響ありがとうございます!
本当に嬉しいです!ありがとう…ございます。
突然ですが!告知です!明日多摩川で生放送しますー!そこで後編も取りたいと思います!
皆さん もし書いてたら、手紙を持ってきてください!
明日の22時に多摩川でよろしくお願いします!では!」
……まじか!!
「初イベントじゃん!!ちょ…まじ嬉しい…んだけど!」
初めてにして最後…いやこれからに続く最後なのかもしれない。
「いやぁ…明日楽しみだ…もう今日寝よう!明日早く起きて手紙書くぞ!」
彼女の生活は幸福に満ち始めていた。
それは幸福の音。
ーーーー世界が滅びるまで後2日。
昼
「できたァァ!最高の出来!やれば出来るじゃん私!」
と何年ぶりかにイキる私。
でもそれぐらい、いい出来だった。
「後はイベントを待つだけー♪ー♪」
いつ以来だろうか、時が経つのが楽しみなのが
こんなに楽しみなのは。いえーい。
そして、待っていると時が経つは早く感じて
体感時間が短かった。
ーーーー21時。多摩川
「早く着いちゃった…。まあもっと早い人もいるけどね…。」
皆手紙をもって彼女の登場を待っている。
その姿、表情は活力の無くなったとはほど遠い表情
(かお)であった。
まあかくいう私もそんな表情をしてるのだろうけど
ーーーー22時。
周囲の光が1点の光に奪われるような光景。
それは彼女の生成。ヴァーチャル配信者の登場。
「皆さん…今日は来てくれてありがとうございます!ーーーもし、明日世界が滅びるとしたら空へ投げましょう。それができるだけ自分に届くように
そして、もし世界が生き延びたのならここでまた同じ時刻で会いましょう……そしてこの活動のきっかけになった◼◼◼◼◼◼。ありがとうございました。私はあなたのおかげで……」
それは彼女の気持ちが伝わるかのようなスピーチだった。
そして、しばらく皆で楽しんでこの一時を終えた。
あと1日で世界が滅びるつーのに…よく集まるものだ。
この一日が終われば後何時間か知らないが滅びるのかもしれないのに。でもそれに合うだけの時間だった。
ーーーーーーーーーーー世界が滅びるまで後◼◼◼。
ある地鳴りで目が覚める。
ーーーーああ、そうかこれが世界の終わり。
ワールドエンドか。
けど、まだだ。諦めない。
彼女が信じたように彼女が信じたように。
私は諦めない。
この世界に次の幸福が来るように
私は手紙を飛ばした。
これは願い。
でもたとえ、滅びる運命だとしても後悔はない。
それほどまでにこの1週間は幸福だったのだから。
世界が…。光に包まれた。
観測者は次の例に移ってほしい。
だってこの物語は
貴方への問いの例に過ぎないのだから。




