C6.16 足場固め ― 16 ― トリックスターとの対話
アップしたつもりがアップしてなかった・・・。
最後のワンクリックが・・・。
「デスロード、私はこいつで魔導を色々試し撃ちしてくる。」
「畏まりました。
では誰も近づけないように?」
「頼む。」
こいつに言いつけておけば確実だろう。
ぎゃーぎゃー喚き続ける偽メイドを引きずって実験室に入る。
・・・
・・
・
「まぁ色々試す前に、なんだその服。
ボロボロの癖に見えてはいけない部分だけはきっちり隠しているな。」
「え!?何々、一糸まとわぬ僕の姿が見たくなったのぉ?
それならそうと言ってくれれば・・・。」
「それは無い。」
「多少は興味持ってくれないかねぇ!?
・・・まぁいいや・・・だーりんだもんね・・・。
これはね、マナに反応して吸収したり、ダメージを肩代わりしたりする素材なのさ。
皆、特に黒エルフは思いっきり殺しに来てたからねぇ。
うちの子も交じってたんだけど、今考えると素材のエネルギーをチャージしてくれてたんだね。」
「ふむ。」
「ていうかさぁ、そんなこと聞きたかったんじゃないでしょ?」
「・・・端的に聞く、お前は何だ?」
「闇エルフでだーりんの愛妾♪」
うふんとばかりに身をくねらせて投げキッスを送って来る。
じっと無言で見つめていると居心地悪くなったのか視線を逸らせてきた。
「もう一度聞くぞ、」
「い・や。」
「・・・最近精神に関わる魔法に興味があってな。
禁呪の類故、魔術程に高度なものは存在していないが・・・。」
「だぁりん?やめよ?ね?」
「では質問だ。」
「うー、同じ質問しなくたって聞いてたよぉ。
でもさでもさ、今の私の在り様は闇エルフのお・と・め♪以外に何もないんだよぉ。」
確かに闇エルフにしか見えない。
しかし眷属に魔導を使わせている所はあっても、自身で魔導を使っている所を見たことが無い。
かと思えば、あれほど繊細な魔法陣を壊さず機能を上げるだけの芸当をさっとやってのける。
私はこいつの何に引っかかっているのか・・・全てか・・・?
「私への・・・数々の悪戯等は目を瞑ってきた。
が、私の眷属達への脅威となる行動は看過できないな。」
「ん~?じゃあ僕を殺しちゃう?
それとも・・・追い出す?」
1つ目の問いかけが軽いノリであるのに対し、2つ目は少し寂しそうな声だった。
「・・・ここを気に入っているというのなら、私以外の者達の命は特に気にかけてやれ。
あと悪戯は程々にな。」
そう言ってやると、かなり意外そうにきょとんとした面持ちで、
「へ?そん・・・だけ?」
「今はまだ取り返しがついているからな。」
偽メイドはそこから表情をころころ変えて百面相すると、最後に照れたような表情で、
「ん、わかった、ありがと・・・」
と呟くように言った。
・・・が、それはそれ、これはこれ。
「では実験を開始しようか。」
「はえ!?
今の流れは許された感じじゃないのかなぁ!?」
「お前が無傷でへらへらしてたら皆に示しがつかないだろう。
せっかく面白い素材の服を着ているんだ。
限界・・・見てみたいじゃないか。」
「中身にして!興味持つなら!」
「却下。」
「即答!?」
そして・・・数々の魔導の実験台になってもらった。
「はぁはぁ・・・変な性癖に目覚めそ、うっ!?」
偽メイドは白目をむいて崩れ落ちる。
・・・強めに圧縮マナ弾を眉間に突き刺してやった。




