C6.13 足場固め ― 13 ― デーモンロード
「そろそろ此方を気にした方が良いのではないか?」
!!・・・殺意がこちらに向けられる!
私の威圧もこういうものなのだろうか?
「“あれ”は感情に呼応して伝わっているのです。
主の“それ”は直接マナを相手にぶつけるので比ではありませんよ。
・・・で、これは何事でしょうか?」
遅れて駆けつけたデスロードが、いつもの様に察して答え、そして情報を求める。
「闇エルフがやらかした。」
「なる・・・ほど。」
大仰に仰け反って見せるデスロード。
「ふん・・・色々な奴が出てくるものだ。
そのマナの支配量からして、我の知らぬお前はさしずめお前は新米魔王と言う所か?」
「そうだな、間違いない。」
「我を供物も無しに召喚した対価・・・高くつくぞ?」
一層威圧感を増すデーモンロード。
同じロードと言っても、此方のロードとは種と言うか格が違い過ぎる。
「ピィイィィィイイイイイ!」
その時デーモンロードの顔に何かが飛んできて張り付く。
あのチビインプもといチビデーモンだ。
その場の一同が凍り付く。
「ぶっ・・・何だ?こいつ・・・は・・・?
・・・・・・!!!!!」
ゴオオオオオオオオッ
デーモンロードのマナが一気に膨れ上がる。
まずいな、あれ、古竜魔王とか比じゃ無い位でかいぞ。
「おい!人間!我が子がなぜここにいる!」
獅子吼の如き吠えるデーモンロード。
あっちゃー・・・そーきたかー。
「答えろおおおおおおおお!!!」
「何の騒ぎですかぁ~?」
そこに間延びした喋りの牛獣人のメイドが入って来る。
そう言えば入口で・・・寝てたな。
そんな大物の所にチビデーモンが飛んで戻って来る。
「あっ、おいっ、こら!どこへ行く!・・・!?」
デーモンロードと牛獣人のメイドの目が合う。
「この子のぉ、お父さんですかぁ?」
「おっ、おぅ・・・。」
全く物怖じしない娘に少々気圧されたか?
・・・それにしても程ってものがあるだろう。
「召喚魔導の魔導師様ぁ?
この子はぁ、狭間に迷い込んでいたのですよねぇ?」
「へっ!?あ、はぁ、そうで御座います。」
「では魔王様はぁ、この子の恩人なのですよねぇ?」
「・・・そうです。」
「おチビちゃんのお父さん~?
貴方は我が子の恩人をどうなさるおつもりぃ?」
「ぬっ!?おっ・・・むぅ。」
「仮に魔王様を傷つける気が欠片でもあるのでしたらぁ、私、立ち向かわせて頂きますよぉ?」
「ピィイィィィイイイイイ!」
「おっ!?お前まで・・・ぐぬぬぬぬぬ・・・。」
何やら葛藤を始めたデーモンを率いる者。
「分かった・・・供物も無しに召喚した無礼への対価・・・それは我が子の養育だ!」
・・・はい?
「何を言い出しているのでしょうか?」
声に出すなー。
「・・・我が子はお前達にすっかり懐いてしまった。
それに先程の迷い込んだ話も、我が子の話で真実だと分かった。」
え?会話したの?あの短さで?
「よって無礼は不問とし、お前達には引き続き我が子の面倒を見てもらおう!
勿論丁重に扱うのだぞ!」
・・・えー?
「ぐっ・・・で、ではさらばだ!」
ボボンッ!シュオオオオオォオンッ!
こうしてお父さんは、威厳もへったくれもなく退散したのだった。
(お父さん言うなあああああ!)
何か聞こえた気もするが気のせいだろう。




