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C6.10 足場固め ― 11 ― 3度目の召喚

「それではまず基本の陣を書きます。

 ここに魔王様が施した強化方法が・・・」


等々、星3の魔導師は詳しく分かりやすく抗議を始める。

最初はふむふむなるほど・・・とか軽く聞いていたが、かなり分かり易い上に問題点も良く見えた。

途中で一度中断させ、メイド達に椅子や机等運んできてもらい、本格的に講義を受ける態勢を作った。


・・・

・・


「結論から申し上げますと、やはり魔王様とは召喚魔導は相性が悪いと言わざるを得ません。」


「ふむ・・・しかしお前を得たと言っても期限付きで、しかも短い間だ。

 ますますお前を失うのが惜しいな。」


「その点は御安心下さい。

 魔王様がアレンジを行うと陣が崩れるのは、その特異なマナの在り様にあります。

 ですので、魔王様がアレンジを行う必要が無いような陣を、複数ご用意しておきます。

 試しにレッサーデーモンの召喚陣を起動させましょう。」


そう言うと一瞬で魔法陣を書き上げてしまう。

私とデスロードが試行錯誤していたのは何だったのか。


「誰にでも得手不得手はあります。

 魔王様は解析が専門でしたので、どのような魔導でもある程度再現できてしまえるのでしょう。

 しかし奥義ともなると、創り上げた者の癖の様なものが出てくるものです。

 真似をする側にも癖があり、それは自分なりのアレンジを施してしまうことで生じるのです。

 このため、奥義の模倣には二重の障壁が存在し得るのです。」


此方の疑問を察する能力にその全て氷解させる解説力ときた。

これは学院が手放したくなかった気持ちも良く分かるというものだ。

さて・・・あとは実践だな。


「マナさえ注ぎ込めば門を開くことが出来ます。

 量さえ足りれば長時間維持できるでしょうが、開きっぱなしなのはやはり宜しくありません。

 一度使ってしまえば、魔王様ならどこでもこの陣をすぐに展開できるでしょう。」


それは楽しみだな。

手をかざしマナを込めていく。


 ズズ・・・ズズズ


黒い渦が生じ始め、少しずつ異界との境界が広がっていく。


 ミシ・・・ミシ・・・


「グギャアアアアアアウアアアア!」


突然人とトカゲと何かが混ぜ合わさったような、出来損ないのキメラの様なものが奇声を発しながら飛び出て来た。


「おめでとうございます。

 レッサーデーモンの召喚、成功致しました。」


・・・あっさりしすぎていて感慨が無いな。


「デーモンにもいろいろありますが、これはどちらかと言うと動物の類になりますね。

 知性は低く、召喚した者の力量が十分であれば、特に問題無く言うことを聞くでしょう。

 魔王様のお望みの高次のデーモン達はこうはいきませんが。

 ・・・ちなみにその小さなデーモンも、なりはこうですが高次のデーモンです。」


さっきの驚きはそれか?


「ここは色々驚かされることが多いです。

 魔王様、ここにお呼び頂いただけでも、私にとってはこの上ない喜びです。」


と、いつものように恭しく頭を垂れて謝意を述べる。


「安心しろ、約束は必ず守る。」


そう言ってやると、星3の魔導師は心底嬉しそうに微笑みを返してきた。


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