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C6.8 足場固め ― 8 ― 提示と固辞と

「この者の命は最早尽きようとしている。」


「なら私の力でイモータルズに・・・」


「残念ですがお断り致します。」


「では主の眷属に転生、もしくは変生を・・・」


「それもお断りさせて致します。」


「・・・何故でしょう?

 生きながらえるという選択肢があるのに、取らない理由があるので?」


「人生に、研究していた魔導を完成させたことで満足してしまったのです。

 それに私は・・・生きるのに疲れました。

 人間関係には特に。


 唯一心残りなのは、私の器では完成させた魔導を発現出来ない。

 その乖離たるや、魔族に転生したからと言って埋めれるものでは無い程なのです。」


「この者の魔本の魔導は生命力をマナに変換する魔導だ。」


「「「!!!」」」

「?」


「もしやそのせいで寿命が?」


「いえ、その魔本の魔導は対象を定めた際、どれ位のマナに変換できるか事前に分かります。

 そうでないと制御しきれませんから。」


「使ったは良いが死んでしまった、では笑えんからな。」


「仰る通り。

 そして自分自身にはもう使い、意味が全く無いことを知りました。

 ここまで命が足りていなかったとは。


 仮に転生・変生してみてマナが足りなかった場合にも、もうこの魔導は使えない。

 長く無為かもしれない新しい生を得るよりは、確実に使える人物を頼るのが最良と考えました。」


「私の存在は渡りに船だったわけか。」


「ええ、それに貴方の魔法学院時代の噂は聞き及んでおりました。

 なので同じ研究者肌の私の願いを聞き届けて頂ける確率が高いと踏んだのです。」


「・・・良いだろう、願いを聞いてやろう。」


「おお!!」


「ただし、すぐとはいかない。

 それに私のためにも働いてもらう。」


「ええ・・・ええ!喜んで!

 私の猶予は既に魔王様の知るところ。

 それまでに成就できるのであれば何の不満も御座いません。」


「あんのー・・・?

 だーりんだーりん、僕にははなしのながれがさーっぱりなんだけど。」


「そもそも呼んでないし、その呼び名も許可していない。」


「だーりん、それは酷くないかねぇ!?

 そして許可されなくてもやめる気はない!」


きっぱり言い切るんじゃないよ。


「んまぁよくわかんないけど、召喚魔導の達人が陣営に加わるってことだよねぇ?」


「それは確かだ。」


「んー・・・じゃ、そこのシルエットの人~、これ何に見える?」


偽メイドは牛獣人メイドの方に止まっているインプを指して、星3の魔導師に尋ねる。


「はて?それは・・・・・・・・・デーモンですか?」


「「「「!!!」」」」


「やっぱ専門家にはわかるよねぇ。」


ニヤニヤしながら偽メイドが俺をのぞき込む。

・・・腹立つなぁ。


「ちなみにねぇ、これは召喚魔導が専門外のだーりんの使い魔だよぉ。」


「なんと!

 ・・・これは・・・これは楽しみになってきましたよ!

 私は今すぐそちらに合流させて頂きたい!

 犬の妖精さん!私を運んで下さい!」


「えっ!?あっ!わうぉーんん!!!」


星3の魔導師はいきなりクーシーに飛び乗ったので、クーシーが暴れまわる。

それでも離れない魔導師に、あきらめたクーシーはとっとと運ぶことを決めた。


また騒がしくなりそうだ。


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