C6.appx2 私は女王・・・
― 妖精の女王視点 ― 新顔クーシー参入時
部下達からあり得ない話を聞きました。
私の可愛い番犬達が一斉に姿を消した、と。
何の冗談かと思ってしぶしぶ居城を後にすると、私の庭を守らせていた番犬達はただの1頭も見当たりません。
私はすぐさま事の次第を確認させました。
番犬達は重要な守り手、特に人間達相手には有効な盾。
それを失うのは私の庭が危機に晒されるも同義、看過出来ません。
程なく、私の庭の者達によって当時の状況を知ることが出来ました。
・・・新興の魔王、ですか。
それも元人間?はっ!若造ではないですか!
人から魔王になるものは少なくは無いですが、なり立ての若造風情になめられてはこれから先、同胞達に侮られてしまいます。
ここはビシッと言ってやらねば・・・。
・・・
・・
・
これが魔王の住む城ですか・・・貧相ですね。
うん?不思議なマナ・・・エルフの使うものでしょうか?
地階に大きな広がりがありますね・・・成程、地上部ではなく地下に広がる城ですか。
如何にも卑屈な魔王らしい・・・。
さぁ、私の番犬達を取り戻してとっとと帰りますよ!
・・・
・・
・
ふっ・・・この者が魔王ですか。
挨拶代わりに私の偉大さを見せて差し上げましょう。
・・・全く動じませんね、可愛げの無い。
しかしそれと番犬達の事は別問題・・・。
・・・はぁ!?
自らの意思で従っている!?
なんてこと・・・!許せませんっ!!
ここは力づくで・・・も・・・ぉ・・・ぅ・・・ピィッ!
何あれナニアレ何あれええええええ!!
怖い怖い怖い・・・!!
・・・
・・
・
その後の記憶が定かでは無いのですが、別室にて側近の方と会談することになったようです。
・・・私・・・生きてる・・・!
― デスロード視点 ― 女王との会談
やれやれ・・・主は気が立っておられたようですな。
あのように本気で威圧せずとも、この程度の方なら私でも御せるというのに。
「そろそろ落ち着きましたかな?
我等の相互理解と今後についてお話ししたいのですが・・・。」
― 妖精の女王視点 ― 平静を取り戻した後
ふう・・・ようやく落ち着きました。
にしてもこの方は紳士ですわね。
取り乱していた私をここまで支えてくれたばかりか、落ち着くのを待ってくださいました。
・・・あら、この方は元は人間のようですが既に生あるものではないのですね。
・・・あ、あら?この方・・・とんでもない・・・マナを・・・。
・・・こ・・・この方ですら・・・配下なのですか・・・。
・・・私は何故無事なのでしょうか。
・・・
・・
・
この紳士との会見で色々なことを譲歩・提案して頂きました。
魔王殿としてはこの周辺の森一帯を掌握したいが、無理に住処を追う気はない。
しかし有能さを良く知っているクーシー達は手元に置きたい。
そこでこの紳士の眷属であるイモータルズを護衛に回して頂ける、と。
普通ならイモータルズなど汚らわしいと一蹴するところですが、この方には嫌な気配を感じません。
結局この紳士の提案を全て飲み、私の庭、引いては私の勢力は全て魔王殿の傘下に収まることになったのです。
・・・生きてるって素晴らしいわね。




