C6.4 足場固め ― 4 ― 珍客
その日は朝から騒がしかった。
うるさい、と言うよりはざわめいていると言った方が近いか。
そんな感じだったから、そろそろ来るだろうと思っていると、
「謁見の間にお越し下さい。」
メイドが呼びに来た。
・・・
・・
・
謁見の間に入るとクーシーやらケットシー達がひしめいていた。
中でも新顔のクーシー達は不安げな雰囲気を醸し出していた。
何事か?と思っていると、あたり一面が花畑へと変化したのだった。
「貴方の仕業かね?」
目の前の客人らしき女性に問いかける。
「ええ、花を愛でながらお話できれば最高だとは思いませんか?」
正直どうでも良いが・・・。
「どうでも良いよそんな事~。
何の用かとっとと言いなよぉ?」
「・・・無粋な闇エルフですわね。」
横槍を入れた偽メイドと、客人が睨みあう。
「・・・で、用件は?そして貴方は?」
「これは申し遅れました。
私はここから東の森に住まう妖精達を束ねる者です。」
ふむ、妖精女王と言う所か?
・・・東の森・・・妖精の女王・・・クーシー達か。
新顔クーシーの方を見ると、なんとなく視線を逸らそうとするのが見える。
「暇を与えたつもりも無い我等の番犬が、何時の間にやらどこかに連れ去られてしまった。
そして調べてみれば、新興魔王の尖兵となっているとか。
・・・お聞きしても宜しいでしょうか?何故我等の番犬をかどわかしたのか。」
私は暫く考え込んでから口を開く。
「あのクーシー達は貴方の所有物か?」
「いかにも。」
「新顔クーシー達、ここでのお前達は何だ?」
新顔クーシーは質問の意図を理解できず、首を傾げる。
そこで、
「以前よりここにいるクーシー達よ、ここでのお前達は何だ?」
「我等クーシー!魔王様の誇りある尖兵に御座います!」
「お前達は私の所有物か?」
「いえ!自立し、自らの意思で、誇りを持って、魔王様にお仕えしております!」
「もう一度問う、新顔クーシー、ここでのお前達は何だ?」
新顔クーシー達は顔を見合わせ、頷きあってから声を揃えてこう答えた。
「我等新顔クーシー!自由意志にて魔王様にお仕えする、誇りある尖兵で御座います!」
その言葉を聴いた東の妖精女王の顔が怒りで引き攣る。
「あっはっは!何その怖い顔~!」
偽メイドは笑っているが、新顔クーシー達は震え上がっている。
そしてその怖い顔をこちらに向けた妖精女王は、
「新興の魔王殿?つまりこれは我々に対する・・・」
「それよりもだ、客人。
君は私にとって、友好的な客人か?
それとも・・・敵か?」
殺気を含ませたマナを、妖精女王の周りに漂わせてやる。
すると「ひぐっ」っと蛙が潰れた様な声を出し、その場にぺちゃ、と崩れ落ちる。
「あい、あ、あの、あ、あう・・・」
「肯定か否定か、首を振るだけで良いぞ?
敵か?」
ぶんぶん横に首を振る女王。
「友好的な客人か?」
ぶんぶん縦に首を振る女王。
「そうか、遠路はるばるご苦労だったな。
デスロード、話を聞いてやれ。」
「はっ。」
こうしてこの場をしめた私は自室へと戻るのだった。
自分のルーツ、マナの究明を再開したから忙しいのだ。




