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C6.1 足場固め ― 1 ― 周辺の森

「我が主、少々宜しいでしょうか?」


「何だ?」


「非エルフどもが騒いでおります。」


・・・協力者になって早々か。


「分かった・・・行こう。」


多少げんなりしつつ、それでも彼らの動向は知っておきたかったので現場に急ぐ。


・・・

・・


現場についてみると、言い争っていたのは黒と闇の長だった。


「何故我等を追い出したのだ!闇の!」


「ん~?いやだって、僕らってば協力者であって眷属じゃ無いじゃない。

 だから出入りには許可が要るかなー?ってさ。」


「それでも貴公の所の者達は自由に出入りできるのだろうが!」


「そりゃうちの子の魔導だしねぇ~って、やっほーまおーさまー。」


「・・・!」


闇の長は私に気付くと軽く挨拶を、黒の長は仰々しく頭を垂れる。


「何の騒ぎか、聞かせてもらえないか?」


丁寧に聞いてはいるが、有無を言わせぬ威圧感を込めておく。


「・・・っ!この闇の者達が一帯の森に結界を張り、それ故我等黒の一族が締め出される結果となっているのです。」


「つまり~、許可を与えていないものには通る事の出来ない迷いの森にして見たんだよねぇ~。」


さらりとまたとんでもない事を言い出した。


「黒を締め出した理由は・・・先程の協力者と言う観点からか。」


「そっそ。」


「誰の魔導だ?」


闇の長は巫女風の闇エルフを指す。


「彼女の魔導は植物に意思とマナを与え、永続的に魔法を展開できるものなんだよ。

 それで作り出す、多重魔法による結界魔導の構築が得意なんだよ。」


じろりと彼女を見やると、びくりと怯えたように身じろぎする。


「で、コレがその魔導出生み出された呪木か。」


それとは分からないが、微妙に大気とマナのやり取りをしている。

ならばこいつに“解析”をかけてやれば・・・成程、こういう魔導か。

ニヤニヤと興味深げに私を観察する闇の長、その衣の裾を引く巫女。

怪訝な顔で振り返る闇の長に


「私の魔導の支配が・・・奪われました。」


と青ざめた顔で告げる巫女に闇の長の目が見開かれる。

同時に黒のエルフの長の目も大きく見開かれるが、こちらは明らかに怯えの色が見える。

それだけではない、今振り返って表情の読めない闇の長以外の非エルフ達には理解不能の出来事に怯えが伝染しているようだ。


ふらふらとこちらに振り返る闇の長。

その表情は完全な無表情で・・・よたよたこちらに歩み寄ってくる。

デスロードが警戒するが、余り近付かないうちにぴたりと止まり、うつむきわなわな震えている。


「・・・ろい・・・」


うん?何て言った?


「・・・面白おおおいい!!!」


いきなり顔をガバッと上げ、吠えるように喜び叫ぶ闇の長。

意外すぎる反応にその場の全員が固まる。


「エルフの秘術をあっさり掌握するなんて・・・なんて面白いんだ。

 くふ・・・くふ・・・くふっふふふ・・・」


更に身悶えしながらその場でくねくねする闇の長から、皆はそっと距離を取った。

危ない奴だな・・・。


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