C5.23 勢力拡大 ― 23 ― 非エルフと魔王と召喚と
「宜しかったので?」
「何がだ。」
「あの者達の立場をあのように中途半端な状態で取り込んで。」
非エルフ達の提案を受けた事に対する、デスロードの懸念も分かる。
しかし非、とはいえエルフと変わらぬ魔法・魔導への造詣は侮れない。
協力のその成果に応じて何らかの対価は払っても良いと思う。
「私はあの者達が信用できません。」
「特に闇の、をか?」
「はい。」
闇の長、アレは厄介極まりないな。
協力の対価が私をからかう事、とは何の冗談なんだ。
信用とかそういうものとは別次元の案件としか良いようが無い。
「少し様子見だ。」
「左様に御座いますか・・・。」
「話は変わるが以前召喚魔法を使ったと言った事があるな?」
「はい、主は苦手だと・・・。」
「お前の今の状態なら、多少の召喚魔法、いや召喚魔導を扱えるのではないか?」
「ですが主、それは恐らく主の求める物ではないと思われます。」
「分かっている。
ただ、召喚に少々造詣があるのであれば、私の召喚を端から見ていてまずい部分を指摘して欲しいのだ。」
「成程・・・それなら出来るかもしれませんな。」
・・・
・・
・
「この部屋ですか・・・ドッペルゲンガーを呼び寄せたのは。」
「アレもある意味幽星体だったんだな、と思ったものだ。」
私の言葉に頷くデスロードを横目に、新たな召喚陣を構築していく。
「ふむ・・・何ら問題なさそうに思えますが・・・。」
「そうなんだよな。
どれだけ見直しても、何処にも不備は見当たらないんだ。」
そして完成した魔法陣にマナを注いでいく。
「ふむ・・・む?主、そこの流れが妙な具合に折れています。」
「む?ここか?」
「ええ・・・ですが直した途端、全体の力場が弱体化しました。」
「むう・・・では込めるマナを・・・」
「ああっ!今度はここが!」
「・・・・・・・」
こうでもないああでもないと補修しながら稼動させた魔方陣、そこから出てきたのは・・・。
「・・・・・・ぴぃ」
今にも泣き出しそうな声で一声出した小さなインプだった。
「えーっと・・・主、召喚おめでとう御座います。」
「・・・お前はコレを成功だと思うのか?」
「存在の曖昧な狭間の存在であるドッペルゲンガーよりは、ちゃんとした“個”ですよ?」
「・・・はぁ。」
思い切り脱力してその場にへたり込む。
「・・・ぴぃ?」
その私に呼び出されたインプが心配そうに下から覗き込む。
「・・・仕方ない。
とりあえずお前の世話は・・・呼び出した私のマナを喰うんだったな。
食事は良いとして他の世話はドッペル辺りにさせてみようか。
アレも狭間の存在とは言え、同じ幽星体の仲間だからな。」
こんなんでいつかデーモンを呼び出せるようになるのか?とても不安に思うのだった。
「・・・ぴぃ?」




