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C5.22 勢力拡大 ― 22 ― エルフならざるエルフ達

次の日、早くからエルフ達が謁見を求めてきたと言うので、謁見の間へと向かう。

途中メイド達に加わった獣人娘達ともすれ違うが、少々顔がこわばっていた。

何事かを聞くべきかどうか迷う間も無く、デスロードが迎えに来たので後にする。


・・・

・・


「昨日挨拶もまともに出来なかった事を深くお詫びいたします。」


「謝罪は不要だ。

 そもそも私が癇癪を起こした事に起因するからな。

 結論だけで良い。」


謝罪の言葉を述べる黒エルフの言葉を早々に切る。

黒エルフ・・・思想の違いからエルフ達と袂を分かった者達。

エルフ達が白を好むのに対し、決別の証からか黒を基調とした服装を好む。

今の服装はさしずめ黒い軍服と言う感じか。

ざっと見てみると、肌の色や顔つきはばらばらのようだ。

・・・そう言う所もエルフ達と合わない理由かもしれないな。


「そう言って頂けると・・・」


「僕達としても楽だよねぇ。」


そこへ割って入る闇エルフ。

こちらは一様に白銀の髪、灰褐色の肌を持った種族だ。

服装は皆が質素、もっと言うなら貧相な衣を纏っているだけだ。


「僕らは中身にしか興味無いからねぇ。」


ニヤニヤ笑いながら、こちらの意図を察した闇エルフの長が答える。


「お前は少し黙っていないか?」


「駄目駄目、無駄な問答は要らないって彼は言ってるじゃないか。

 だから単刀直入に、我々は眷属にはならない、君の下に下る気は無い、って言わなきゃ。」


その言葉に黒エルフ達とデスロードの表情がこわばる。


「それはどういう・・・」


「にしても君の所のメイド?は強いんだねぇ!」


「・・・何?」


少々聞き捨てなら無い言葉を耳にした。


「何故私も知らないうちの娘達の誰かの力の程を知っているんだ?」


闇エルフの長は先程より更に口元を歪めながら、


「いやぁ・・・良い娘だったんで手を出そうかと思ったら、しっぺ返しを、ね。」


 ミシッ


「「「「「 !!!!! 」」」」」


その場に居た闇エルフの長を除く全ての者が凍りつく。

昨日の怒りに任せた威圧ではなく、今日のこれは明確な殺意を乗せた威圧だったからだ。

・・・しかし、その殺意を向けられている闇エルフは一層楽しそうに目を細めながら、


「冗談、じょ~うだ~んだよ~。

 うふふふふ、やっぱり良いねぇ・・・。


 一応説明しておくと、うちの子に牛獣人の娘をからかわせたんだけど、一瞬で半殺しにされちゃった、ってお話なんだよ。

 だから誰にも手は出してないよ~。」


くすくす笑いながら弁明ともなんともいえない言葉を吐く。

デスロードを睨みつけると、直ぐに裏を取ったのかデスロードがぶんぶん首を縦に振る。

そこでようやく殺意を抑え、闇エルフに話しかける。


「お前、何がしたい?」


「僕らは眷属にはならないけど、協力者になろうとは思ってるんだよ。

 黒の彼は君への恐怖から、そして僕は・・・君への興味かなぁ。

 だから、僕は君で遊ぶ事を許して欲しいなぁ。」


闇エルフの長は、へらへらくすくす笑い続けながらとんでもない提案をしてきた。


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