C5.appx7 それぞれの実験
― 星4魔導師視点 ― 謁見終了後
長旅から帰って来たらしい奴は俺の元に来るなり、
「お前の提案を受けようと思う。」
と口を開いた。
「そうか、ならさっさとやれ。
手加減は必要ない、お前も通った道だろう?」
「私の場合は徐々にだったがな。
手加減無しだときついぞ?」
「やれ。」
そう促すと、奴は俺の胸に手を当てる。
苦痛が待ってるものかと思いきや、最初に行われたのは俺のマナの正常化だった。
「良いのか?俺がこのまま牙をむくとは思わんのか?」
「その場合どうやって仕返しするつもりだ?」
「・・・だな。」
マナの流れが正常になった所で、俺の眷属化が始まったらしい。
ドロリ・・・
「ぐっうっあ。。。
ぎゃああああああああああああああああ!」
「言わんことではない・・・。」
何かその後も喋っていたようだが聞く余裕は無かった。
猛毒かもしくは強酸、強アルカリか何かで肉を溶かされている感覚が全身を襲う。
・・・ゆっくりやった、だと?
ゆっくりやってどれ位苦痛が和らぐのか知りたいものだ・・・。
そして俺は・・・意識を手放した。
― デスロード視点 ― 同時刻
本日の要件は終了しました。
これでようやく“アレ”の仕込みを再開できます。
長い長いお預けでしたから、加減を間違えないようにしないと・・・。
・・・
・・
・
「ぁ・・・ぁぁ・・・ぅ・・・ぁ」
「おや、意外に元気ですね。」
私が牢獄に入るなり身をよじって逃げようとする元魔本の魔導師。
死なないような仕組みであるとはいえ、出発前に手加減し過ぎましたかね?
「少し元気すぎるようですから生気を抜いておきましょうか。」
おもむろに近づきながら手を伸ばしてやると、これまた必死の形相で避けようともがく魔導師。
それをわざとゆっくりゆっくり追い詰め・・・そして捕まえました。
「・・・!!!・・・!!!・・・・・・・!!!!!!」
さじ加減は何度もあそ・・・おほん・・・試し、ぎりぎりを見極めておりますので死なせるようなへまはしません。
せっかく“生ける屍”を返上して、本当の意味で“生きたまま”イモータルズに変生できるのですから、一度きりの貴重な体験となるでしょう。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
死ぬことも気を失うことも寝ることさえ出来ないこの場所で、ゆっくり体が作り替えられていく苦痛を楽しんでくださいね。
『ぎゃああああああああああああああああ!』
おや?どこかで悲鳴が・・・。
・・・
・・
・
牢獄を出て声のした方へ行くと主の姿が。
「これは我が主ではありませんか。
何事ですか?」
「うむ・・・例の襲撃者を我が眷属に変生させている。」
「おお、主もでしたか。」
「ついては実験を兼ねて暫く私が直々に見る。
あの部屋には誰も近づかないように皆にきつく言い渡しておけ。
いいか、“誰も”だからな。」
「つまり私もと言うことですね?」
「そうだ。」
「・・・わかりました、そのように徹底させましょう。」
軽く頷き、去っていく主の後姿を見送りながら、
「私も見ることが出来ないとは、少々寂しいですね・・・。」
と独り言たのです。
次はノーマルじゃないエルフ達です




