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C5.15 勢力拡大 ― 15 ― 獣人の村再び

再び快適な馬車旅が始まり、会話もそこそこに2日程経った頃、


「主、そろそろ例の獣人の村の近くとなります。」


「そうか・・・そういえば帰りにも寄る、と言っておいたんだったな。

 このまま素通りしては駄目か?」


「駄目でしょう。

 犬猫混成部隊をねぎらってやらねばなりませんし。」


ああ、それは確かに重要だな・・・。

撫で回すのは城に帰ってからでも良いが、あの者達を褒めてやるのは早いほうが良い。

少々気が向かないが、大事な事もそこに含まれるのであれば仕方ない。


・・・

・・


村に着くと、助けた時とは違い、大いに歓迎ムードが漂っていた。

まぁあの時は生き死にの境に立たされていたようなものだからな。

仕方ないと言えば仕方な・・・


「貴方が恩人か!!!」


うわあうるせえ・・・。


「感謝する!我が村を救ってくれて!」


「・・・ああ、まぁ・・・実際に手を下したのはこちらのデスロードだ。」


大きな声に大いに引きながら、デスロードを紹介してやる。

デスロードからは「彼は狼の獣人です」との説明が入る。


「あんたが救ってくれたのか!有難う!

 でもあんたはこの方の親分なんだろう!?やはり貴方には感謝しかない!」


ぐう・・・うるさいな・・・。


「父様!大きな声で恩人が迷惑されています!」


む?ああ、あの時の娘か。


「うえ!?あ、いや、そうとは知らず、煩い物言いで申し訳ない・・・。」


途端に縮こまる狼獣人。

ふむ、ではこの娘も狼獣人か。


・・・

・・


ひとしきり獣人達の挨拶を受けた後、一際大きな家に案内された。


「ここは我等が客人を迎える場所でな、普段は人は住んでおらん。

 我等は平等に生きることを誇りとしている。」


族長の家かと思ったがそうでは無かったようだ。


「改めて・・・村のものを救って頂き有難う御座いました。」


「そんなことより事体の説明を要求する。」


「そ、そんなこと・・・?

 あ、ああ、今回の事件の概要だな・・・うん。」


私の興味無い発言に面食らったようだが、気を取り直した族長は事のあらましを語ってくれた。


そもそもこの村は、帝国と周辺諸国との軋轢で生じた小競り合いの中、戦禍に巻き込まれた村々の生き残りだそうだ。

しかし獣人と人間との間は良好とは言い難く、帝国内でもこの隠れ里のように点在しているらしい。

帝国内には第4王子のように獣人を擁護する派閥も存在しているが、常に守られている訳ではないので、兵士が村を襲ったとしても不思議ではない。

そんな状況の中、村を襲う帝国兵、そして帝国兵を襲う不死者の群れ。

何を信じれば良いのは分からない状況だったと言うわけだ。


「娘を悪く思わないでやってくれ。」


「言ったろう、興味無い。」


「お、おう・・・そうか。

 で、貴方にとって本題と言えるのかな?我等が差し出せるものの話だ。」


確かにそれは私にとって本題足りえる話だ。


18/06/26 読み返した時、獣人化している状態、つまり見た目で何の獣人かわかってしまう状態だと次話にて齟齬が生じるため、デスロードから長が何の獣人であるかの説明を入れました。

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