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C5.9 勢力拡大 ― 9 ― 説明と旅の暇潰し、その3

「では主、次はまた私の番ですな。」


「その前に言うべき事があるだろう?」


「はて・・・あいや、失礼。

 お話します。」


流石に相当不機嫌な顔をしていたのだろう。

いつものようにからかい半分ではなく、居住まいを正して説明を始めた。


「犬猫混成部隊には、我々が通るルートを先に偵察させております。

 その中で気になる事、気にしなくて良い事の取捨選別を、彼らにつけた小型のイモータルズ越しに指示しております。

 ですので、先程のような場面に遭遇できたわけです。」


「だろうな。」


薄々感じてはいたが、こいつ本当に参謀が適任だよな。


「どうせ奴らが帝国軍人ではないことも突き止めていたのだろう?」


「さすが・・・その通りで御座います。」


私の言葉に深く頭を垂れるデスロード。


大国に我々の存在が知れることは避ける必要がある。

まだ大国と渡り合う自力は持ちえていないからな。


だが準備万端で飛び出したデスロードが、本の少しでも我々の立場を危うくする橋を渡らない事は分かっていた。

だからこそ、あのゴミどもの命が残っている事を不愉快に感じたんだが・・・。



「もう良い・・・。

 では先程の暇つぶし、質問の掛け合いに戻ろう。」


デスロードはそこで身を起こし、次の質問へと移る。


「そうですね。

 では私からの質問ですが“マナの根源”とは何なのでしょうか?」


「世界に満ちるマナ、これを直接扱える魔導師が居たらどう思う?」


「夢物語のように聞こえますが・・・無尽蔵に魔導を扱えるでしょうな。」


「かつて大魔導時代というものがあり、誰もが自由勝手に魔導を行使した時代があったのは知ってるな。」


「歴史ですから。」


「その時代の魔導師は、直接マナを操作したそうだ。」


「・・・マナの導師。」


「魔導師以下の者は、マナを取り込んだ後に変質させた自分自身のマナといえる“オド”を使って魔法~魔導を使用する。


 しかしマナの導師はこの手順を必要としない。

 世界に満ちるマナそのものを、直接魔導に転換し使う事ができる。

 それが究極的には、我々解析学派の辿り着くべき未来だと言える。」


「究極的な・・・ある意味魔導師が行き着く先ですな。」


「そうだ。」


「それって行き詰った魔導師の求める先なのではないですか?」


「そうとも言えるな。」


「主はそれを年若い頃からやっていたと?」


「そうなる。」


「老成しすぎではないですかね。」


「余計なお世話だよ。」


ずけずけ物言う参謀に苦笑いを返す以外にやりようが無い。


「我が友は優秀な生徒を持ったものですな。」


「お師様の役に立てたかどうかの自信はもてないがね。」


そう・・・あの方はいつもニコニコしているだけで、我等弟子達にどうしろとも言わなかった。

ただ道を示されただけだった。


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