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C5.7 勢力拡大 ― 7 ― 旅に邪魔はつき物?

「それでは次に私が・・・」


そこでそれまで高速ではあっても揺れる事の無かった馬車が大きく傾き、やがて静止した。


「なんでしょうね?」


「報告しろ。」


外の御者はイモータルズであるので情報はデスロードに筒抜けである、はずなのに首を傾げて見せている・・・こいつは。


「・・・どうやら前方で村が襲われているようですね。」


「良くある事だろう、放って置け。」


「襲われているのは獣人の村のようです。

 ひっそりと隠れ住んでいたみたいですね。」


何だってそんな村に遭遇するんだ・・・。


「目立たぬよう裏道を選び続けてきたツケという奴でしょうか?」


「はぁ・・・時折お前のその何でも察しております的な返しが怖く感じるよ。」


「恐悦至極。」


褒めてねえよ。

獣人かぁ・・・助ける?メリットは・・・?


「庇護下に入れれば良い戦力になりそうな気もしますね。」


「はぁ・・・もう・・・好きにしろよ。」


デスロードは分かるか分からないか位の笑みを浮かべ、馬車をでる。

すると何処から現れたのか、骨のイモータルズの軍勢が既に外でかしずいており、その中の骨馬の背に乗ると猛スピードで離れていった。

・・・準備良すぎだろう。


・・・

・・


馬車が村に到着する頃には、襲撃者であるそこそこ立派な鎧をまとった人間達が縛り上げられていた。


「やいてめえ!俺達を誰だと思ってやがる!帝国軍人様だぞ!」


私が馬車から降りると、途端に食って掛かってくる。

どうやら私のことを、襲撃を阻止したネクロマンサーことデスロードの師匠か上司かだと勘違いしているようだ。

鬱陶しさに私が顔をしかめると『この状況はまずい』と思わせたと勘違いした馬鹿がまくし立てる。


「今すぐ縄を解いて命乞いしろ!

 そうすれば腕の一本位で許してやっても・・・」


「何故こんなゴミを生かしてる?」


「へっ・・・?」


「いやあ、主にこれをどうすべきか聞いてからの方が良かったかと思いまして。」


いつの間にか誤魔化し用の仮面をつけたデスロードが、心底楽しそうな声で私に語りかける。


「お前、その仮面外しとけよ。」


「おいお前ら!何をかっ・・・て・・・に」


デスロードが仮面を外し、ミイラのようになった顔をあらわにすると、帝国軍人様とやらの顔が引き攣る。

直ぐに高位のイモータルズと分かる異形・威圧感。

そう、あの誤魔化しの仮面は私の認識阻害の魔導を組み込んであるのだ。


「お前の好きな様に料理しろ。

 生死は問わん、と言うか生かす意味が分からん。」


「ちょっ・・・あっ・・・ひぃい!!」


ミイラとなっても嬉しそうな顔は分かるもので、つまりそれは生者にとって死を象徴する物でしかない。

発狂したかのような声や命を吸い上げられる断末魔の声が叫び渡る。


まったく、騒々しい。

自分達は命や尊厳を狩りに来ていると言うのに、自分達が狩られる側に回って何を慌てているのやら。


ああ・・・とても下らない生き物だな。


旅の邪魔は予定に入れていましたが、戦力拡大はおまけに思いつきました。

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