C5.appx1 デスロードの準備
この数日、酷い頭痛に悩まされておりました。
暫く城を空けるのですからその警備なりの準備は怠れません。
警備のイモータルズを、場合によっては城事態をカモフラージュする機構を構築せねばなりません。
・・・それに私の居ない間にお楽しみが潰えてしまっては困ります。
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「前回からさほど時を経ずして再びまみえるのは少々くすぐったいですね。」
「・・・・・・ァー」
可愛らしい(叫び)声を上げてますが、精一杯の抗議なのでしょうね。
かなり抵抗しているのでしょうが、私は主と違ってその痕跡を計り知る事はできません。
主にお願いすれば診てくれるでしょうが・・・止めておきましょう。
「少しの間だけ“辛さ”を“緩和”してあげましょう。
なぁに、どうせ直ぐ同じ苦しみを味わえることになるのでご心配なく。」
イモータルズへの変生の魔導を最低ランクまで弱めます。
これで非常に楽になるでしょうし、彼程の魔導師なら進行を0にするのも容易いでしょう。
例え自身は魔導を封じられていたとしても・・・。
ですが、気を抜けば変生の魔導の侵食は進みますので気は休まりますまい。
「ではごきげんよう。」
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牢獄を後にしてふと目を横にやれば、最初に捕まえた ―私を生贄に差し出した― 魔導師の監禁部屋がありました。
ふむ・・・私はあの方と会話しておりませんね。
そう思うと不意に会ってみたい好奇心に駆られてしまいました。
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「・・・今日は来客が多いな。」
「私で3人目といった所ですか?」
「そうだ・・・で、なんのようだ?」
「貴方とお話していないなと思いまして。」
「あいつの実験台にされたのは俺のせいじゃないぞ。」
「私を的に使いましたよね。」
「防がれたがな。」
「恨みに思ってないとでも?」
「あいつを利用して魔王を名乗っても遜色無い存在になれたのにか?」
・・・これは一本取られました。
そうですね、あの一件のお陰で一生見ることの無かった世界というものが大きく拓けました。
「今度は俺を利用してみるのはどうだ?」
「・・・貴方を?」
「ここから解き放ってくれればお前を本当の魔王にしてやる。」
「魔導を封じられた貴方が?」
「俺も“天才”だぞ?」
「魔導の許容量が“天才”的なのでしょう?」
「・・・当然知っていたか。
だが近い将来この状況は崩れる。
その時俺の手助けがあれば、お前は新たな魔王になれるぞ。」
「興味ありませんな。
既に私の興味は魔王様の行く末以外にないのですよ。」
「・・・ふん、最後に話せて良かったよ。
お前と言う存在が良く知れた。」
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私は何も返さずにその部屋を出ました。
“最後に”ですか・・・何かあるのでしょうね。
報告・・・直前に魔王様が訪れていたなら不要でしょうね。
ふふ・・・毎日飽きませんね。




