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C4.11 第3の魔本の魔導師 ― 11 ― 引き渡し

私の思惑を察したデスロードが、私に何かの指示を出す仕草を取る。

それを受け、私は魔導師に近づき話しかける。


「お前の魔本はどこだ?」


「・・・。」


無言で睨みつけてくる魔導師に触れ、マナの在り様を変化させる。


「・・・!な、にを・・・。」


みるみる体が萎んで行く魔導師。

ついでに“解析”は済ませておいた魔導の方も停止してやる。


「はぁ・・・ぅ、あああ!」


「苦しそうだな?まぁ当然か。

 お前の中のマナ、オドの経路をいじったからな。

 もう魔導はおろか魔法も使えない。」


「ぎ・・・ぐ!」


遠巻きに見ていた白装束達はぎょっとしてデスロードに説明を求める。


「あれは!?いったい何を!?我々に任せてくれるのでは!?」


「あれはあの魔導師の魔法を封じているのです。

 貴方達に引き渡したは良いが、魔導を使って逃げられた、では面白くないですから。」


「な・・・なるほど・・・。

 確かに・・・我々の方でも魔導を封じる術は用意してありますが、それが上手く行っていればここまで野放しにはしていませんでした。

 もう少し被害が拡大していれば、国を動かすことになり得ましたから。」


おいおい・・・それはまずい。


「・・・しかし皆は納得してくれるでしょうか?

 元がああだとは言え、我々の知ってるのはあの筋骨隆々の体でしたから・・・。」


確かにそれもあるな。

そこでデスロードに忍び寄り、一言囁く。


「もしお望みでしたら魔導は封じたまま、貴方達の知る体躯へと戻しましょうか?」


「できるのですか!?」


「可能です。」


ここでデスロードが手をかざすふりをする。

と同時に、私がこっそり見てくれを元に戻す。

筋肉以外のものでパツンパツンにしてやってるだけだから、全く動けないだろうがな。


「ありがとうございます!

 どうお礼をしていいやら・・・。」


「お礼など無用です。

 私も私で私怨を晴らしただけの事。」


「そんな!ではせめてお名前を!」


「私は本来余り目立ちたくないのですよ。

 ですのでお礼も、自己紹介も、どちらも遠慮させていただきます。」


「そう・・・ですか。

 あまり無理を言うべきではないのでしょうね。

 わかりました、深く詮索いたしません。

 ただただ深く感謝いたします!」


3人組は持ってきていた荷台に魔導師を乗せると、何度も何度も頭を下げながら遠ざかっていった。


「・・・で、主。」


「・・・なんだ?」


「実際のところはどうなのでしょうか?」


「お前の望みを私がかなえないと?」


そこで認識阻害の魔導を解き、隠しておいた“本物”の魔導師を見えるようにする。


「流石は主です。」


仮面で分からないが、心底嬉しそうに嗤っていることだろう。


18/07/28 強化の魔導について、解除→停止に変更。

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