C4.8 第3の魔本の魔導師 ― 8 ― 私怨
結論は出た。
あいつの魔本の魔導は継続型だ。
魔本の魔導は、発動や溜めが普通の魔導に比べて非常に少ない。
ただ、私も試してみたことはあるが、魔本の魔導と他の一切の魔導は元より魔法に至るまで使うことは出来ない。
ケットシー達の情報から、奴は元々非常に非力で病的な肉体の持ち主だった。
日々、自身の魔導で命をつなぎとめることで精一杯であったとも。
そんな奴が魔本の魔導に求める物が“超常的な肉体”であってもおかしくはない。
そしてそれは一過性のものでは困るはずだ。
魔導の効果が切れたと同時に失われるからな。
では何故肉体を作り替える魔導ではなかったか?
候補にはあっただろうが、持たざる者が何でも手に入るチャンスを目の前にして最上以外を求めたりはしないだろう。
要は浮かれていたのだ。
後先を余り考えず、危険を意識の外へ置いて行ってしまっていたのだ。
故に奴は我々に勝てない。
・・・
・・
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「流石に半分位は減っているな。」
「ええ、ただスケルトンメイジの数はさほど減っていませんな。」
「まぁ見ていたから知っているが、実際見ると凄い光景だな。」
数百人分の骨が砕け散り、所々で白く積もった様は、まるでカルスト台地にいるかのような錯覚を覚える。
「てめえええええかあああああああああ!」
そこに居た魔導師がこちらを見据えて吠える。
そしていつか見たように、身を屈め、溜め、こちらへと一瞬で距離を詰める態勢を取る。
・・・が、すぐさまスケルトンメイジ達の魔法の連弾を浴び、防御へと転じる。
「正々堂々勝負しやがれえええ!」
「正々堂々?馬鹿を言うな。
もしそれを望むならまず己の身体にかけた魔導を解くのが筋だろう?」
「なんだと!!
お前もあの魔本の持ち主か!」
おや?こいつは魔本の機能を知らないのか?
まぁこいつにしてみれば、自身にかける魔導以外に興味がなかったんだろうが・・・。
「まぁそういうことだな。
ただ今回お前に用があるのは私ではない。」
しばらく後ろで侍っていたデスロードが前に出る。
「先日我が子をあなたに壊されましてね・・・その私怨ということです。」
「我が子だぁ・・・?
あの骨の龍騎兵か!
あんな雑魚が何だってんだ!」
「我が子を雑魚呼ばわりとは・・・良い度胸だこのごみくず風情が!
じっくりいたぶり尽くして殺してやるから楽しみにしていろ!」
うお・・・思いっきりキレたな。
かなりの豹変ぶりに思わず2~3歩引いてしまう。
元々はこういう性格なのかねぇ、私が狙っていた時も結構沸点低かったし。
ともあれ、こうしてデスロードと第3の魔本の魔導師との対決が始まった。




