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C4.6 第3の魔本の魔導師 ― 6 ― 人物像

「魔王様、例の魔導師についてご報告があります。

 あの魔導師・・・かどうか調べているうちに怪しくなってきたのですが・・・。」


「なんだ?引っかかる物言いだな。

 構わないから話せ。

 どんな情報でも判断材料にはなるだろう。」


「は・・・。

 あの魔導師だったと思われる人物は・・・とても虚弱な人間でした。

 魔導師になったのも、自身の延命のためだったと聞いております。」


「虚弱・・・。」


「はい、それも生まれて一度も自力で立ち上がれた事が無い程の、です。

 骨と皮だけのその容貌は、正に生ける屍。

 魔導師になった頃には生きたまま高位不死者になったとまで言われていたそうです。」


あのゴツイ男が虚弱であった・・・ねぇ。

いや、逆か?だからこそ、か。


「分かった、その魔導師で多分間違いない。

 そいつは自身のために魔導を使っているのだろう。

 だとすれば驚異的な身体強化の魔導だな。」


「あと、片っ端から強い魔物に戦いを挑んでいるそうです。」


ここで傍らに侍っていたデスロードが口を挟む。


「ふむ、何らかの魔導の用意のために、素材やマナを集めているのですかな?」


「いえ、違うと思われます。

 死体はそのまま捨て置かれておりますので。」


その疑問を否定するケットシー。

私はデスロードと顔を見合わせ、


「腕試し・・・か。」


「腕試しですか?

 何のために・・・?」


「動けなかった貧弱な体の持ち主が、強靭無比の力を持つ肉体を手に入れた。

 ならその力を試してみたいのは自明の理だろう?

 私であってもその立場なら試さずには居られない。

 あの時お前で試そうとしたようにな。」


「そう・・・ですな。

 であれば、何かしら強いマナを感知する技術を持っているのかもしれません。」


「大いに有り得るな。

 認識阻害の上から骨龍騎兵を迷い無く捕らえた理由になる。」


そこに更に情報があげられる。


「奇妙な事にその魔導師と思しき男は、常に素手で相手に立ち向かっているそうです。」


「常に素手で?」


「はい。

 別に武器を持たない主義ではないようですが、可能な限り素手で戦っております。」


・・・もしかすると。

・・・確かめる方が良いな。


「デスロード、死者を用いたイモータルズの作成の難易度はどうか?」


「質、の約束は出来ませんが容易です。」


質というのは骨龍騎兵のような緻密なイモータルズではない、と言う事だろう。


「構わん、質より量を要する作戦だ。

 近くに古戦場があったな?

 そこで千を超えるイモータルズを作ってくれ。」


「可能でしょうが・・・それをどうなさるので?」


「あの魔導師に一気にぶつける。」


さあ、実験を始めよう。


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