C4.4 第3の魔本の魔導師 ― 4 ― 考察と昔話と
初めてお師匠様の話が出てきます。
「落ち着け。」
「・・・ハイ。」
デスロードをなだめてみたが、少し言葉がおかしくなっている。
相当怒りまくってるんだろうな。
こいつこんなに自分の作品に愛着を持つのか。
気をつけて置こう。
「我が主・・・認識阻害の魔導までかけて頂いたのに、このような結果となって申し訳ありません。」
「そこは気にしなくて良い。
と言うより、あの魔導が完璧だったならこんな結果にならなかったろう。
こちらこそ悪かったな・・・初の創造物を。」
「滅相も御座いません。
・・・ただあの者に関してはもっと情報が必要かと思われます。」
「そうだな・・・あの距離を飛び上がるとか尋常じゃない。
魔本で作った魔導がそういう物なのかも知れないな。」
「魔本の・・・ですか。
知れば知る程得体の知れない本ですな。」
そうだな・・・“古代の知識”で済まして良いものでもないか。
調べてみる必要があるな。
「主は“完全解析”の魔導でしたか。
大魔法学院時代の専攻分野の延長だとか?」
「そうだ。
当時やる気のなかった私に、良き師が付いてくれてな。
“根元探求者”等と呼ばれる偉大な魔導師だ。」
「なんと!!!
良く存じ上げております。
若い頃から人間嫌いだった私の極僅かな友人の一人です。」
「それは・・・私はお前を良く手にかけなかったものだな。
恩師の友人を殺してしまっていたら洒落にもならん。」
「まるでそのような気は無かったかと思いますが。」
「そうだったが、致死性の高い魔術なりを発動していたなら、解析ついでに試し撃ちしていなかったとは考え難いだろう?」
「それもそうですな・・・運が良かったのでしょうな。」
「お互いにな。」
まさかこんな所でこんな事が発覚するとはな。
・・・お師様か。
長く連絡を取っていないな。
「お師様は・・・今の私の有り様をどう思うだろう?」
「あの方は須らく大らかに包み込むタイプの御仁です。
『おお、おお、そうかそうか』等と髭をさすりながら目を細めている所しか思い浮かびませんね。」
「確かに。
私はあの方に一度も怒られたことは無かったな。
・・・手紙の一つでもしたためるか。」
「それがよろしいかと思います。
我等大魔導学院に所属していた者達には、師弟のみに許される連絡手段が御座いますし。
・・・魔族となった今も使えるかは定かでありませんが。」
それだけが唯一の気がかりだな。
まぁ、師の下を巣立つ時
『既に私を越えてしまった我が愛弟子よ、私も自分自身を見直す時が来たようだ。
また会う時、願わくは互いに驚きをもってまみえんことを。』
等と仰られていたから、反応はやはりデスロードが想像した以上のことにはならないだろう。
そして私は手紙をしたためた。
その返事は思いのほか早く返ってきたのだった。
落ち着いた辺りで出す予定の話ですが、タイトルにもある人物がそんなに出番ないのもどうなん?と思い返し、ここで出しました。
・・・出した後、少し強引だなぁと思っていたりします。




