C4.2 第3の魔本の魔導師 ― 2 ― 芳しくない報告の数々
これは弱った・・・予想外だ。
今謁見の間にて皆の報告を聞いていたのだが、思っていたより良い報せが少ない。
一つずつ整理していこう。
・・・
・・
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「魔王様!朗報を持って帰りました!」
ケットシーは意気揚々と謁見の間に姿を現す。
「聞かせてくれ。」
「は!周辺地域、特に最も近い王国に住まうケットシー達との連携が取れました!」
「珍しいな?
人の国に住まう者達が、魔王の傘下に入るのか?」
「いえ!我々のように直接眷属になったもの以外は、基本的に中立です。
言ってみれば、同族のよしみで情報収集に手を貸してくれるようなものですね。」
王国は人の出入りが多い。
そのような場所では色々な情報も手に入るだろう。
ふむ・・・悪くない。
「ご苦労、我等にとって情報は現状最も重要な案件だ。
この点が補強されることについては喜ばしいの一言である。」
いつものように撫でまわしてやると、身悶えしつつも報告を続けようと踏ん張る。
「うにゃ、あぁ、んん・・・にゃっ。
し、失礼しました、まだお伝えしたいことが!
エルフならぬエルフ達の情報を更新して御座います!」
「聞こう。」
「あの者達ははぐれ者で、つい最近になってあの森へと流れてきたようです。
多くの者達がそうであるように、人間やいわゆる普通のエルフを嫌っております。
最近、狩猟のためにばらばらに行動していたようですが、今は住処を少し移しているようです。」
元人間である私の眷属になるだろうか。
まぁ物は試しか・・・。
★黒・闇エルフの現在位置を得た!
ウォオオオオオォォォォォン・・・
「・・・なんだ?
あいつら遠吠えなんてしたこと無かったろう?」
「何かあったのやもしれません。
顔を見せに来るはずです。」
ケットシーが言うようにしばらく待っているとクーシーが顔を見せた。
「何かあったのか?」
「申し訳ありません・・・。
我等クーシー、元主の顔を立てたいと、情報をお二人に先に流しました。」
「何を勝手な!
何を置いてもまっさ・・・きに・・・。」
ケットシーが私の感情を感じ取ったのか、それ以上言葉を継ぐのをやめた。
「で?」
「お二人はそれぞれ、ケンタウロスの小規模な群れ、ミノタウロスの兄弟分の元へ行かれました。
離れた場所で控えていた我等がお二人をお救いし、ここまで逃げ帰ってまいりました。」
「・・・わかった。
治療を施してやれ。」
「はっ!」
後でもっと詳しい話を聞かなければな。
雑魚ではないはずなんだがなぁ。
ズドオオオオオオオオオオオオオオンン!
「ええい!今度は何だ!」
「デスロード様が暴れておられます!」
謁見の間に逃げ込んできたメイドが悲鳴のような報告をする。
「・・・原因はわかるか?」
ため息交じりに問いかけると、予想だにしなかった答えが返ってきた。
「『“我が子”がやられてしまった』と・・・。」




