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C3.appx3 虜囚

― 襲撃者視点 ― 虜囚


(何故こんなことになっている・・・?)


奇襲を受けた後、襲撃者は何も無いただの白い部屋に捕らえられていた。

『死なせない』仕組みのせいか、焼かれた四肢の傷は痛みだけを残して癒え始めていた。


(奴を殺し損ねたからか・・・。)


連れてこられた当初は四肢の痛みで考えもまとまらなかったが、今はそれ程でも無い。

それに食べるのはともかく寝る必要が無い、いや『寝ることができない』仕組みのため、考える時間はいくらでもあった。


(何を間違えた・・・?)


負けるまでの流れを繰り返し辿るように思い起こしていく。


(あの時の捨て駒だった魔術師が、あんな化け物になっていたとは・・・)


最後の場面を分析してみるが、あんな化け物がいることは計画外だったし、そもそもあの二人が手を取り合うなどと夢にも思わない。


(どの道無理だったことは考えても仕方ない・・・次だ。


四六時中嫌がらせをされていたが、あれで考えが浅くなった可能性はある。

しかし俺は召喚や魔物調教の技能は無く、結局後手に回っていただろう。)


ゆっくり考えた所で数に任せた攪乱を、どうにかできる手は持ち合わせていなかったと結論付ける。


(やはり最初の襲撃で息の根を止めておくのが正解だったか・・・。

初撃で混乱している所にもう一度撃てば仕留めれていたはず。


・・・なぜそうしなかった?


・・・それにあの時まだ魔王になるなんて発想はなかったはずだ。

くそ爺め。)


自分の行動に少しの疑問を持ちはしたが、そこでは深く考えなかった。


(あの魔本をあの野郎に届けるまでは上手くいっていた。

同じ土俵に立った上で俺が上回る・・・はずだった。

ちくしょう。


もともと俺は希望の星だともてはやされる側の人間だった。

誰よりも扱えるマナが多く、覚えさえすれば高度な魔術だって苦も無く効果を上げて放てた。

しかし大魔法学院時代、扱えるマナの量が多いだけの俺では真に才能を持った奴にはかなわないことを知った。

模擬試合で同じ魔術を扱ったにも係わらず、俺の魔術は野郎の魔術に撃ち負けた。

そこからみんな俺から離れていった。

ついたあだ名は“火力馬鹿”・・・。


だから俺は自己鍛錬を重ねに重ねたんだ!

これもいい機会だと思ってな・・・。


・・・?)


そこで思い出に浸っていた思考が瞬時に現実に引き戻される。


(待て・・・俺は野郎を憎んでいたのか・・・?

自分の未熟さを再確認するいい機会だったはずだろ?

なのになぜ・・・?

おかしい・・・!?

俺は・・・いつから・・・野郎を・・・狙い始めた??)


ようやく自分の行動の矛盾点に辿り着き、そこでまた長く考え込み始めた。




― 魔王サイド


この様子は猫メイドより詳しく報告がなされた。


元々用意していなかった部分です。

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