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C6.19 足場固め ― 19 ― 狂信者達

「主、お話し中申し訳ありません。

 表情が優れない御様子ですが、何か良くないことでも起こりましたか?」


「顔に出さないようにしていたが、お前、良く分かったな・・・。

 ああ、今森を巡回していた犬猫混成部隊が襲撃を受けた。

 相手は・・・エルフだそうだ。」


「エルフだって?

 近くにそういう集落でもあるのかい?」


「ありませんね。

 でなければ黒や闇のエルフがうろついたりしません。」


「確かに・・・エルフは思想や毛色の違いを嫌う所があるからねぇ。

 わしには理解しがたい部分だよ。


 となれば流れのエルフ・・・なわけないね。

 考えられる最悪のシナリオは「天魔王」」


「やはり古竜魔王殿もそう思いますか。」


「あるかないかで言えば、残念ながらあるとしか言えないね。

 あれはエルフの姿を借りた、彷徨う狂信者達だから。」


「どのような連中なのです?」


「三十年前位にいきなり現れてね。

 何故かエルフの思想を体現するかのように、異端のエルフを狩り始めたのだよ。

 実際、その眷属はエルフであるし、魔王本人もそうであると言うのは信者の話だ。

 ・・・ああ、信者と言うのは奴の眷属のエルフを指してるんだ。

 魔王を妄信している、と言うのが正しいかな。

 どれほど狂った指示でも嬉々として従う姿は、もはや狂気にしか思えない。


 一度かち合ったことがあるが、我々の仲間にお目当ての異端のエルフはいなかった。

 もしいたらと思うとゾッとするね。

 あのちょっとした小競り合いでも、手酷くやられたもんだよ。

 あの狂信者達と事を構えるのは馬鹿らしいと、さっさと手打ちにしたのだよ。」


「良く応じましたね。」


「応じたというより興味が無かったのだろう。

 自身の命や財に至る全てにね。

 結構吹っ掛けたつもりだったんだけど、さらっと出してきたよ。」


「向こうは向こうで敵対するのは馬鹿らしいと思ったとか?」


「無いね、絶対に。

 条件を飲む代わりに、しつこくうちの眷属を調べていたから。

 よほど異端のエルフ達を嫌っているのだろう。」


これは厄介だな。

うちの・・・ではないが、エルフ達に警告を出しておいた方が良いかもしれない。

その思考を読み取ってシャドウナイトはすぐに情報を飛ばす。


「申し訳ありませんが、今日の所は一旦ここでお開きとしましょう。

 また色々お話をお聞かせ下さい。」


「そうだね、天魔王が関わっているかもしれないとなると、対策は取っておいた方が良い。

 エルフをなめてかかると手痛いしっぺ返しを食らうことになるからね。」


「ご安心下さい。

 うちには幸か不幸か異端のエルフがいるので、しっかりと対策を練ることにします。」


「ふふ・・・ではまたね。」


・・・

・・


「さてと、だ。

 エルフの事ももちろんだが、クーシー達が影を届けるのに時間のかかった理由も聞いておかないとな。」


「だーりーんっ!

 貴方のはにーがふっかーつ!」


・・・はぁ。


「あれ?反応薄いな、ってか何で幹部が揃って・・・。

 ああああああああああああ!

 また内緒でなにかしてたんでしょぶっ!」


私のマナ弾を眉間に食らった偽メイドは吹っ飛んでいく。

直前に実験でボロボロにしておいて正解だったなぁ。


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