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C6.18 足場固め ― 18 ― 2度目の対話

「それはどういう・・・」


「そのままの意味ですよ、古竜魔王。

 私も自身で実験したので、貴方のギフトの正体に気付いたのです。」


「・・・ほお。」


「あれはその時持てる潜在値まで能力を向上するものです。

 よって、貴方の力はいささかも衰えておりません。」


牛兄が目を見開いて古竜魔王を見る。

古竜魔王は動じず、静かにこう切り返してきた。


「では今のわしの衰退ぶりはどう説明するのだい?」


「現身でしょう?本体は別の空間に隠れているのでは?」


今度は古竜魔王が大きく目を見開いて、


「・・・ふふ、ふぁっはっは!

 本当の意味で隠遁していたことまでばれるとは、これは愉快だね。

 他の魔王なら正直戦慄するところだが、君が相手だからか素直に称賛したくなる。

 今日は何度驚かされたことだろうか。」


「ではその褒美にお話を聞かせて頂ければ。」


「ふむ・・・世間ではわしが人間に追い詰められた、となっているね?

 それもそれで事実だが、原因を作ったのはやはり冥魔王だ。


 その当時、わしは自分に敵などおらんと思っていたんだ。

 そうだね、魔王となった者の中では、かな。」


「魔王として生まれた者達は除くという意味ですね。」


「あれらは別の世界でデーモン共の支配者として君臨していると聞く。

 わしや君なら上位デーモンの2~3匹はどうにか出来るだろう。

 しかしあれの大群を使役する奴らだからね。

 魔王と名乗る者の殆どが、あの手の届かない存在に憧れを、大なり小なり抱いているものだ。


 話がそれたが、現世の魔王の中では特別強いと自負していたんだよ。

 所が冥魔王はわしの眷属を次々と手にかけていった。

 最初はどこかの向こう見ずがわしに喧嘩を吹っかけてきたのだと思った。


 ・・・それは全くの考え違いだった。

 わしに匹敵するマナを操り、千を超える魔導を容易く扱うあれは、我々にとって悪夢そのものだった。

 わしの子らを次々と殺し、その子らを使ってわしらを更に追い詰める・・・。


 あれが冥の文字を冠するのは、その魔導の多くが死者に関わるものだからだ。

 デスロード君、君は奴には気を付けるべきだね。

 例えこの子の守護があったとしても、だよ。」


「・・・肝に銘じておきます。」


「悪夢はやがて毒を生み、わしの眷属に徐々に浸透してきた。

 中には仲間を売った者さえ出てくる始末。」


馬が険しい顔つきになり、牛弟がそっと寄り添う。


「・・・もう済んだこと、そしてわしが頼りないばかりに起きたことだ。

 裏切った子を憎まないでやってくれ、と言うのは無理かもしれないが。


 ・・・わしの眷属がバラバラになり、一部の側近とその部族が残るのみとなった。

 そこを更に帝国に目をつけられてしまったのだよ。

 魔王の存在など、人間にしてみれば厄介極まりないわけだからね。

 魔王同士の抗争で片方が弱ったなら、好機とみて潰しにかかってもおかしくない。


 まぁ此方にも恨みは無いね、わしも同じことをしただろうから。」


「・・・にしても千を超える魔導ですか。

 ・・・いやな予感しかしませんね。」


そこでシャドウナイトから厄介な知らせを受けるのだった。


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