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C1.3 魔王始めました ― 3 ― 喧嘩の行方

丁度喧嘩の真っ最中だったらしく、クーシーとケットシー、そして暴れん坊がそこに居た。

成程、見たこともないような巨躯を持つ、半人半馬ケンタウロスと半牛半人ミノタウロスの二人か。

これほど見事な体躯を持っていたなら、驕るのも無理は無いだろう。

こいつ等を従えたならかなりの戦力アップにつながる・・・が、先約があるから仕方ない。

二人を見据え、もったいないなと思いつつ、ここいら一帯を消し飛ばす魔導を一気に練り上げてやる。


「「・・・・・・・・!」」


巨大な魔導の気配に気付いた二人は、私の姿を眼に捉えるや否や凍りつく。

他の者達はと言うと、私の魔導に中てられ倒れこんだり、泡を吹いたり、ひっくり返ったりの大惨状。

ふむ・・・固まったとはいえ、あの二人は流石大物だけはあるな。


「さて、私はつい先程魔王を名乗り始めた者なんだがね。

 最初の眷属にデスロード、次いでケットシーを迎え入れた。

 そのケットシーが言うのだよ・・・お前達に困っていると・・・ね。」


そう言って距離を詰めようとすると、


「ぶるうううううわぁぁぁぁぁぁあああああああん!」


突然巨牛人間が全力疾走でその場を脱走する。

余りに突然のことでぽかんとしてしまう。


「ぶひひひいぃぃぃぃぃぃぃいやあああああああん!」


巨牛人間に気を取られている隙に、反対方向へ全力疾走する巨人間馬。

牛の方はぽかんとしてなければ消し飛ばせたが、流石は馬。

一瞬で遠くへ逃げてしまった。


おいおい・・・。


あれから息を吹き返したというか、平静を取り戻したというか、二種の妖精族が起き上がって少し経った。

私の眷属にケットシーが既に居ることと、その猫妖精の知り合いだという猫妖精が私を魔王様魔王様と持ち上げたこと。

起き上がれはしたが、完全に腰が抜けていて、未だ逃げ出せないクーシーが猫妖精たちに退路を断たれたこと。

それが今の現状で、犬妖精の代表がようやく私と交渉を開始した。


「我等クーシー、貴方の猟犬として使って頂ければ幸いです。」


「何を言う!

 彼奴等にかしずき、我等の森で我が物顔で暴れまわったこと、我等は忘れはせんぞ!」


「我等クーシー、猫どもに話しておらぬ。

 我等クーシー、魔王様に懇願している。」


キーキー怒り散らす猫妖精と取り合わない犬妖精。


「そうはいうがな、ケットシー達は既に我が眷属に居て、この者達がその縁者なら、この者達もすべからく我が眷属だ。

 実力がさほど変わらないのであれば、先に眷属となったケットシー達よりお前達は立場が弱くなるが、それでも良いかね?」


「我等クーシー、猫どもに負けません!」


「何を言うか!犬っころめが!我等が犬如きに負けるはず無かろうが!」


「なにを!」「なにを!」


ああうるさいな・・・


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