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冬の舞踏会  作者: カモメ
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冬の舞踏会(スイングバイ航法)

『スイングバイ航法って何?』

たった今迄僕の不用意な告白により、顔を真っ赤にしていたアキちゃんが、不安そうに、尋ねて来る。


僕もそんなに詳しくは無いのだが、

地球や惑星の周回軌道に乗り星の重力を利用して、今までよりも早く次の星に飛び立つ事だったと思う。


星の位置にもよるが、次は火星か木星だろうな?

と言う事をアキちゃんに伝えると

少し安心したのか?何時もの笑顔を見せてくれた。


『ねえ…あきちゃん。

月があんなに近くに。』


『わあ!ほんとだ。ねえねえ、和夫君!凄いスピードで月の周りを回ってる。

一体どれくらいのスピードなんだろうね。』と


眼を輝かせて僕に聞いてくる。


『地球の場合…秒速七キロで物を投げると大気圏外に出る。

重力圏を抜けて衛星軌道から外れるには、秒速十四キロじゃなかったかな?』


『和夫君凄いのね?』


うろ覚えの知ったかぶりだけどね…と心の中で呟きながら…


『多分これからは人類が体験したことの無いスピードを体験する。

それだけでも、貴重な体験だよ。』


その時

『そろそろ火星への航道に入ります。月の周回による遠心力から解放されますので暫く、火星までの旅行をお楽しみ下さい。


なお…

この列車は準惑星…冥王星まで停車致しません。


なお…通過駅は木星…土星…天王星…海王星…となります。


では…次回の放送は火星付近までご機嫌よう。


何がご機嫌ようだ。

窓の外を見てもそんなに眼を引く物は無い。

またアキちゃんと気まずい時間を過ごすのか?


その時…窓の外を見ていたアキちゃんが


『和夫君!!

地球が見えるわ!!本当に地球って本当に青いのね?』

『本当!?』と僕も窓に貼り付きアキちゃんの顔に近付きそうな位ベッタリと窓に貼り付いた。


暫く窓に二人で貼り付き

遠ざかる地球の青さが判断出来なくなるまで眺めて居た。


地球の青さが認識出来なくなる頃…


『もうすぐ、火星の周回に入ります。

今暫くスイングバイ航法が終わるまで客席をお出にならないようお願い致します。



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