表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冬の舞踏会  作者: カモメ
3/5

冬の舞踏会(アキちゃん)

アキちゃん…

同じクラスで、とても明るく男子にも女子にも人気がある。


但し、アキちゃんには、お母さんが居ない。

その上お父さんが体調を崩し、去年の暮れから病院に入院している。


しかし、アキちゃんは、そんな苦境など…

微塵も見せない。


アキちゃんにはお父さん以外に身寄りがなく。

小学五年生の彼女は施設から学校に通っていた。


施設には色んな事情で入所する子が居るらしい。


下は保育園の年少の子や

まだオムツの外せない程の子供も居るらしい。


『奇遇だね。

アキちゃんも、サンタから乗車券を貰ったの?』


『うん…サンタさんにお父さんの病気を治して一緒に暮らしたい!と、お願いしたの。

そしたら…その願いはサンタさんには叶えられないって言うの。』


『それは僕も言われた。

僕はお母さんの幸せを願ったんだ。

やはり、その願いはサンタさんには叶えられないって

その願いは、星の女神に頼みなさいって。』


『私も、サンタさんに、星の女神に頼みなさいって…そして…辛いだろうが

今まで通り、誰かの為に、みんなの為に心を尽くせば来年のクリスマスイブに、銀河特急が、迎えに来るって


車掌さんの話では、終着駅のポラリスで星の貴族を迎えて舞踏会が開かれるらしいの…


そこで、星の女神に謁見し願い事を伝えるらしいの。何でも星の女神は星々の中心らしいの』


『それで…最後尾に貴賓室があるんだ…

それにしても、特別室って絨毯はフカフカだし、ベッドやソファーなんかの調度品も豪華だよね?』


『私…普通の女の子なのに…少し怖いわ…』


僕は知っている。

クラスで笑顔を振り撒くアキちゃんの手には、痛々しいあかぎれがあることを…

『そんな事は無いよ!

みんな、アキちゃんの笑顔が好きだし、僕も癒されてる!』


さっと、アキちゃんの顔が赤くなる。

僕は今、とんでも無い告白をしたのか?

それに気づくと、僕もアキちゃん同様に顔から火が出るほどに熱くなり

二人でうつ向き、やるせない時間が過ぎようとしていた。


その時…

『只今より、月の周回軌道に入りスイングバイ航法に入ります。

皆さん車両が揺れる事がありますので、決して部屋から出ないで下さい。』と

放送があった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ