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Rise Doll Online  作者:
第二章 Summer Vacation
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第一話 夏のさくら

補足:国長…大統領のような物だと思ってください。政治的なものも色々変わってますが、殆どこのRDOでは要らないものなので省きます

 暑さが増してきて、皆が朝練もさぼりたくなるこの季節は私にとっては絶好の練習日よりだ。

 何時もよりも一時間ほど早く家を出て軽くジョギングしながら学園に向かい、誰も居ない朝のグラウンドを思う存分走るのが気持ちいいのだ。


 今日も朝食を一人だけ早めに食べて運動着を下に着て家を出た。

 まだ六時を少し過ぎたぐらいなのに、すでにひた高く上っており、スズメの鳴き声も聞こえてくる。


「ふぅ~、朝でも流石に暑いっすね~」


 少し走る速度を落として、クールダウンをしながら走っていると、とある交差点で一人の女の子に後ろから声をかけられた。


「あの、少しいいでしょうか?」

「ん?」


 後ろを振り向くと、私よりも少し背の低い黒髪の綺麗な女の子が立っていた。

 女の子は艶のある綺麗な長い髪に、ぱっちりとした大きな目、健康的な白い肌の大和撫子のような女の子だった。

 その女の子は手にメモ帳を千切ったような紙を持って、少し不安げな表情を浮かべているr。


「あの、聖アルヌス学園というのは、何方にあるのでしょうか?」

「あぁ、学園っすか。えっと…」

「あ、申し遅れました。私は神崎桜(かんざきさくら)です。今日聖アルヌス学園に転入する事になったのですが、久しぶりなので迷子になってしまて」

「桜ちゃんっすか。私は神木朱里っす、朱里で良いっすよ」


 自己紹介をして握手を求めて手を出すと、少し戸惑っていたようだが握手に応じてくれる。その桜の手は柔らかくすべすべで、これぞ女の子の手といえるほど繊細な触り心地だった。


「それじゃ、行くっすよ!」

「は、はい」


 そのまま桜ちゃんの歩幅に合わせてのんびりと学園に向かう。



「ありがとうございました」

「いいっすよ、そんなに畏まらなくっても。あ、部活の朝練あるから、これで」

「はい」


 そう言って元気よく飛び出していく女の子。

 神木朱里ちゃんか…お友達になれたらいいなぁ。

 

 案内してもらった職員室の戸を軽くノックする。


「は~い、どうぞ」

「失礼します」


 職員室の戸を開けると、数人の教師の目線を感じる。その中には若い男性も居るようで、少し体がこわばるのを感じた。

 慣れたつもりでも、やっぱり現実ではまだダメだな。


「あ、桜ちゃんだね」

「はい」


 入り口で少し立ち止まっていると、直ぐ近くの机に向かっていたジャージ姿の若い女教師が声をかけてきた。その女教師は私をまじまじと見つめてくる。


「あ、あの…何か?」

「ん?あぁ、ごめんごめん。いや~、可愛い子が来たなって思ってね。クラスの男子がほっとかないなって思ってね」

「そ、そうですか」 

 

 他人に面と向かって可愛いと言われるのに慣れてなく、少し照れてしまう。

 女教師は私から視線を外すと、何やらごちゃごちゃしている机の上を探って、数枚の用紙を持って立ち上がる。


「普通ならこのまま時間まで待ってもらってから、クラスに行くんだけど…」

「大丈夫です、慣れてますから」

「そっか…それじゃ、校長室に行くから付いてきてね」


 少し大きい歩幅に合わせて速足で付いていく。その時にもすれ違う生徒や教師からの視線を感じるけど、この女教師のどこか懐かしいような優しい雰囲気のおかげか、そこまで気にならない。


 すたすたと歩いていき、三階の奥にある校長室の前まで来た。

 女教師が若干躊躇う素振りを見せながら、少し乱暴に高そうな戸をノックする。


「…どうぞ、開いていますよ」


 戸の向こうから聞こえてきた声は意外にも若く、しかも女性の声だった。

 女教師が戸を開けると、高そうなソファーにガラス張りのテーブル、壁際には棚がありいくつかのトロフィーが飾られている。

 そして、大きな窓の前にある机に堂々と足を投げ出して一人の綺麗な女性が座っていた。

 その校長と思わしき女性は私を見ると、足を下ろして立ち上がり近づいてくる。


「ようこそ、我が聖アルヌス学園へ。私がこの学園の校長の神奈小百合(かみなさゆり)です」

「初めまして、神崎桜です」

「ふむ…あの男とは似ていないな、やはり母上の面影が強いな」

「あ、両親を知っているんですか?」


 私の質問に、少し可笑しそうにくすくすと笑う校長。自分の質問の意味を理解して、顔から火が出そうなほど恥ずかしい。


「もぉ、ね…校長先生。あんまり生徒をからかうのは良くないですよ」

「そうだな我が妹よ。まぁ、この国のトップである国長(こくちょう)神崎横臥(かんざきおうが)、その妻である神崎怜奈(かんざきれいな)は国民なら誰でも知っているだろうな。まぁ、私の場合は二人とは昔の顔馴染みというやつだな」 

 ニヤニヤと含みのある笑みを浮かべる校長に対し、私の横では校長の妹さんらしい女教師が頭を抱えてため息をついている。

 この学園は父に進められたんけど…なんでだろう、凄い不安になって来た。



「ほら~、席着け~」


 朝のHR開始のチャイムと同時に、担任の先生が眠そうな顔で入ってくる。

 私はというと、何時もの様に朝練の疲れで机に突っ伏している。まぁ、何時もの事なので先生も諦めて特に注意する事は無いけど、今日は特別のようで声がかかる。


「ほら、朱里!朝っぱらから寝るなよ~、今日は大事な報告があるんだからな」

「…先制も眠そうじゃないっすか~」

「つべこべ言うな…んじゃ、朝のHRを始める前に、このクラスに転入生が来ることになった」

「「「おぉぉ~~」」」


 その突然の先生の発言に、男女共に声が上がる。

 私はその言葉に覚えがあり、パッと目が覚める…もしかして。


「喜べ男子、転入生は女子だ。しかも、私から見てもかなり可愛い!」

「「「おぉ~~!!」」」


 先生の口から嬉しい報告があり、更に男子は歓声を上げて目を輝かせている。

 

「それじゃ、良いぞ、入ってこい」

 

 ガラガラと教室の戸が開くと、黒髪を靡かせながら桜ちゃんが入って来た。


「桜ちゃん、ヤッホー!」

「…」


 桜ちゃんは私の声にこたえるように微笑みながら、手を小さく振ってくれた。

 その後、皐月(さつき)先生に怒られたりしたけど、私は桜ちゃんとの出会いに何か運命的なものを感じたのだった。

 

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