第二章 第一話 戦闘
今回少し長いです。
第1章戦闘
挑戦状に書いてあった通りに来ると、今現在、企みや隠し事のできない、
何もない草原に死季はいる。
現代にまだこんな未開拓地が残されているのか、
と思うほど広いなんの開発もされていない草原だ。
いつもどおり、死季は両腕に死道銃、そしてサテライトを装備している。
20歩ほど前に進むと、遠くに誰か立っているのが見えた。
歩いて近づきながら死季はこう話しかけた。
「お前か。俺に挑戦状出したのは。」
「その通り。分かってるなら話は早い。 じゃあ早速はじめるよ。」
途端にそいつはいきなりダッシュで死季に近づいてきて、
前方で浮いていたサテライトを軽々とかわし、
手に持ってるナイフで切りつけようとしてくる。
死季は左腕の死道銃でこれをかわし、右腕の死道銃で切りつけようとすると、
そいつはすぐにかわし、死季と距離をとった。ものすごく優れた俊敏性だ。
そいつが使ったナイフは、普通のナイフと違い、刃渡りがとても長かった。
詳しい名称はよくわからないが、パンを切るときによく見かける、長いナイフだ。
(そのまま、「パンナイフ」と言うらしい。By著者 俺)
先程は遠く離れていてよく見えなかったが、こちらに接近してきた時確認したところ、
青のパーカーを着ていた。これからそいつを青パーカーと呼ぶことにしよう。
その青パーカーは雰囲気からは大体死季と同じ位の年齢の、女であると察せられる。
顔は隠れていてよく見えなかった。
しかし、向こうからはこちらの姿はちゃんと見えているみたいだ。
死季が少し近づけば、青パーカーはそれと同じだけ後ろに下がる。
死季が少し右に行けば青パーカーもまた右へ動く。少しの沈黙があった後、
また青パーカーはダッシュで近づいてきた。
今度はサテライトを避けるような動作はなかった。
おそらくサテライトの軌道を読んで避けずに済むタイミングを見計らっていたのだ。
できるだけ動きに無駄がないようにしたのだろう。
そしてナイフで立て続けに攻撃してくる。
カンッ キン カンカンッ
青パーカーのナイフと死季の死道銃が激しくぶつかり合う。
死季も死道銃が両手にあるが、それは青パーカーの俊敏さを補うので精一杯だ。
こんなに激しく争えば、もはや暗殺ではない。
こんなお互いが激しく戦いあうなんてことは、今までにめったになかった。
突然、Σ.Ωが、
「ココハ一旦離レテ刺デ攻撃シマショウ。一筋縄デハイカナイヨウデス」
「わかった。」
死季も答えて左腕に刺が転送された。
青パーカーとの距離を取り、サテライトの軌道の外へ追いやった。
そこで一旦サテライトをすべて集め、林のサテライトの気道内の侵入を防ぎながら
周りの空気を刺にチャージしていく。
十分ではないが一応チャージできたので、サテライトの幾つかの集合体を
15センチ感覚で開けて、林が通れなくて、弾丸の通れる隙間を作った。
なぜサテライトが単体で動いてないかというと、集合体でないとナイフ一振りで
壊れてしまうほどもろいからだ。サテライトは集まれば集まるほど防御力が増す。
だから集合体でいつも動いている。
それはともかく、その作った空間からまず、窒素弾から連続して飛んでいく。
空気中の割合の多いもののほうがチャージが速い。
どんどん空気の弾丸が青パーカーを襲う。
その間に死季は右のかかとに入れていた拳銃に油を塗った弾丸をセットしている。
林は窒素弾をよけながら、ポケットに入っている拳銃でサテライト同士の間から撃った。
バン
死季はセットしていた拳銃を地面に投げ、すぐさま地面に伏せ、
再び青パーカーのサテライト気道内への侵入を防いで時間をとっている。
「はぁ~ びっくりした。まさか今の日本で俺以外に拳銃持ってる奴がいるとは
驚いたぜ。全く。」
といいながら、投げた拳銃を拾い油の塗ってある弾丸を拳銃にセットした。
「驚クノハソコジャナイデスヨ。」
「そうだったな。」
ほんとにそうであった。窒素弾が放たれた時には空気の状態は窒素の割合が多くなり、
呼吸は難しくなる。しかも空気の玉だからはっきりとは見えない。
避けるためにはよっぽど良い視力が必要だ。
これらを考えると、普通の人間には考えられない瞬発力、俊敏性、そして動体視力だ。
そうこうしている間に青パーカーも呼吸を整え再び落ちついて戦闘態勢に戻ったようだ。
息は少し荒いがコンディションは整ってしまったらしい。
こちらも今刺の水素、酸素のチャージが完了したみたいだ。
死季はサテライトを目の前から移動させて、林と真正面で向き合った。
自分の刺の弾丸が届くように。
しかし相手からの攻撃も真っ向から受けることになってしまうが。
「くらえ!!」
ダンッ ダンッ バン
刺から水素、酸素を発射し例の拳銃でを2つの弾丸に向かって弾丸を放った。
弾丸は空気との摩擦で炎をまとって2つの弾丸へ行き、
ドォカァァァーーーーーーーーン
「・・・・。」
青いパーカーの少女はひどく火傷を負った。あまりのショックに言う言葉もないようだ。
水素爆弾と同じ原理を応用して大規模な大爆発を起こさせた。
もちろん死季はすべてのサテライトを集合させ、その爆発からは身を守り、無傷だ。
「ふん。まぁ最初はこんなもんだ。また後ほど挑戦状を送る。そのときは覚えてなさい!」
ワープだろうか。
いや、疲れていて集中力のきれている死季にとってはワープのように見えたのだろう。
青パーカーは一瞬にして姿を消した。大火傷を負っているにも関わらず。
死季は一人、焼け野原に立っていた。
あとには死季のあきれたため息だけが残った。
今回長かったですね。