第1話 第四章 安全に 慎重に
第三章 工場内 の続きです。
第四章 安全に 慎重に
「ダイナマイトノ処理ハ任セテクダサイ。コチラデ指示ヲ出シマスノデ、ソノ通リニ行ッテクダサイ。 取ッタダイナマイトハ倉庫デ保管シマスノデ、持ッテキテクダサイ。」
死季はそれくらい百も承知だというように、
「分かってる。俺らで預かっとかないと大変だからだろう。」
「違イマス」
Σ.Ωにきっぱりと言われた。
「何が違うんだよ。だって実際そうじゃない。」
死季がそう言うと、Σ.Ωが嬉しそうに言った。
「ソレモソウデスガ、今私タチノ倉庫ニハダイナマイトノ在庫ハアリマセン。
コレハ千載一遇ノチャンスデスヨ。」
死季はダイナマイトの必要性が分からず、
「なぜ? ダイナマイトなんて持ってても使わないよ。俺の仕事は あ・ん・さ・つ。
堂々と爆破させたら暗殺じゃねぇよ。」
「マァイツカ役ニ立ツ時ガ来マスヨ。爆発サセル方法ガ一ツモナイノハ色々ト不便デスカラ。」
「まぁその後は任せるわ。処理方法を教えてくれ。」
Σ.Ωが一応説得したことにより死季は実行し始めた。
「分カリマシタ。ソレデハ、マズ左ノアレヲ・・・・。」
一時間後
「よしこれで全部だな。後はこれを持って帰ればいいんだろ。っていうかすごい量だな。
じゃあまとめてリアカーに乗せてダッシュで帰ってカレーを食うぞ。」
「ダメデスヨ!!慎重ニ行ッテクダサイ。リアカーハ転送シマスガ。」
そうして死季のもとにリアカーが転送された。
ぐうぅ~ぅぅ~~
死季の腹がなる。仕事で腹が減ったのか。
それとも自分で言ったカレーという言葉に死季の胃が反応したのか・・・。
「やっぱ腹減った。早く帰りたい。」
「私ガソチラヘ迎エレバ倉庫ヘ直接転送デキルンデスケドネ。ユックリ帰ッテキテクダサイ。
爆発シナイヨウニ。」
「はぁ~。」
ため息が工場内に残り死季はその場をさった。
午前二時をまわっていただろうか。死季はやっと倉庫についた。
「慎重ニオネガイシマスヨ。ソコニ置イテクダサイ。」
死季はΣ.Ωの言われたところにダイナマイトを安全に保管した。
「ふぅ~。やっと終わった。それじゃぁ・・・」
死季がカレーへ全速力で走った。
棚から皿を出すスピードなんて他の人間とは比べ物にならないだろう。
Σ.Ωも呆れてみるしかない。
「熱っっっっーー。」
死季が急いで食べて火傷したらしい。Σ.Ωも、
「慎重ニ、気ヲツケテクダサイヨ。ダイナマイトノ教訓ジャナイデスケド。」
といって今日も死季たちの「日常」がまたひとつ終わった。
なんだか今日はいい奴に出会えた。
最後に
死季はいつも自分が信じた、正しいことだけを行っている。
そして「日常」の暗殺を行っている。
「日常」
彼のものは他の人にとっては考えられないことなのかもしれないが
彼にとっては極めて普通のことである。
数日後
Σ.Ω「死季様。挑戦状ガ届イテオリマス。」
死季 「はぁ?」
一話終了です。
次は第二話「非日常」です。