第1話 第三章 工場内
第一話 第二章 ある日のミッション の続きです。
第三章 工場内
「おい!!オメェらどこ行きやがったんだ!」
奴は見失った自分の下っぱを探している。工場内を一周したが全く見当たらない。
ダイナマイトも全然セットされていないから不審に思うのは当たり前だろう。
死季がこっそり後ろから付いて行くと、死季が元きた道、裏口についた。
そいつは裏口が開いているのに気づき、
「くっそ。あそこから逃げやがったのか。」
とつぶやくと、死季はおかしくて、もう静かにしてるのが我慢できなくなって、
「違う。逃げ遅れたんだよ。」
といってしまった。
「何喋ッテルンデスカ。」
Σ.Ωがコントロールデバイズからこちらに向かって話しかけた。
「いいじゃん。ダイナマイトもセットされてないんだし、もうあいつ仲間もいないからどうせ戦いになっても一対一だし。」
「おまえ誰だ。どこにいる。そしていつからいるんだ。」
とこちらに向かって叫んできた。空の工場内にあいつの声が響きわたって、今同じ言葉を三回ほど聞いた。
「一度に3つも質問されちゃ困るなぁ。まぁどの質問にも答えるつもりはないけど。」
と言って、奴の背後にまわり込んだ。しかしさすがに奴も警戒していてずっとは同じ
方向を向いてはいない。殺しにかかるのはもっと待たなければいけないようだ。
「さきほど逃げ遅れたっていったよな。」
とそいつは聞いてきた。そうだと死季は答えた。するとそいつはどういう意味かを聞
いてきた。それで今まで行ってきたことを話すと、
「ふざけんじゃねぇーー。おまえ・・俺の・・俺の・・」
どうやら偉そうに振舞っていたがとても仲がよく親しかったらしい。
「悪かったな。同情はするがβ社の爆破未遂には変わりないからな。」
と死季はひどく冷たくそいつに向かって言った。
「許してもらおうなんておもってねぇよ。今はただ俺の仲間を殺した、お前が憎いだけだ。」
そいつはそういっていまだこちらの居場所を探している。
「あっそ。それではあなたを今すぐ友人たちに会わせてあげるよ。」
死季はそう答えて影からリーダーに近づいていく。足音だけが工場内に響く。
トン トン トン トン
「近づいて来てる。接近戦か。」
工場内に奴の疑問を吐く声だけが広がっていく・・・。
トン トン トン 。
「ひとつだけ聞きたいことがある。」
と言って、死季はそいつに質問をぶつけた。
「理由を答えろ。」
「は?」
「この工場を壊す理由を答えろと言っているんだ!」
死季の声が工場内に響きあった。また反響してきた音が聞こえる。
「はははぁ。笑わせんじゃねぇ。目的が何かって。単純。うざかったんだよ。
一生懸命頑張って働いてる親父たちを売上で負かす奴らがうざいんだよ。」
「は? もう一回言ってみろ。」
死季は許せなさそうにいった。
「売上が負けてる。従業員のみんながせっかく頑張ってるのに。ただそれだけだ。」
死季の顔色が一気に変わった。
「・・・お前に最後言っておきたいことがある。怖いな。この世界は。
β社も頑張っているんだよ。最後に一言、なにを言っておきたい?」
「親父・・、ごめん。何もしてあげられなかった。・・・と、
しときたいがここで死んでたまるかっぁぁぁぁぁぁ!!!」
死季はそいつの言ったこととを覚えた後、そいつに近づき、装備していた死道銃で
グサァ・・・パタ・・・。
その言葉は、無記名で手紙出しといてやるよ。
Mission complete….
「意外に心ノ優シイ方デシタネ。想定外デシタ。」
「そうだな。殺すのにはとても惜しい人材だった・・・。
それと。まさかダイナマイトの処理まで俺にやらせるんじゃないよな・・・。」
「ハイ。オ願イシマス。」
コントロールでバイズにΣ.Ωの笑顔で処理を要請しているのが写った。
怖いぞ。Σ.Ω。
続く。