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第1話 第二章 ある日のミッション 

第1話 第一章 の続きです。

第二章ある日のミッション


「オハヨウゴザイマス、死季様。ヨク眠レマシタカ。」

「あぁーーーーー。」


死季、伸びをする。


「おはよう。よく眠れたよ。今日のmissionはなにかきてる?」


 と、頭の中はmissionのことしか無いのか。という感じだ。

 Σ.Ωはすぐに自分の依頼受注サイトをチェックし、今日、今の死季にとってベストなものを選び出してくる。本当にこの技術にも敬意を払わなければいけないほどだ。


「ハイ。本日ノmissionは、β社ノ社長カラ、

 会社ノ周リニウロツイテイル不良ドモノ撤退ヲオ願イシタイト。」


「それ俺に頼むほどのことでもないんじゃ。撤退ぐらいなら警察官で十分でしょ。わざわざ暗殺者であろうものがすることでもないと思うんだけど。」


朝ごはん、いや、もう昼ご飯の時間帯だが、朝ごはんのカレーパンを口に加えたまま、死季は言った。


「ソレガ、ソノ不良ドモガ、予告状ヲβ社ニ出シテキタラシイノデス。今夜十二時ニダイナマイトデ、工場ノ柱ヲ爆破シ全機能ヲ停止サセテ、工場ヲ二度ト使エナクスル。ト書イテアッタヨウナンデス。多分β社ハ警察ノ大人数デノ突撃ガ予想サレテ、爆破ヲ早メラレル。トデモ思ッタノデショウ。」


「まあいい。っていうかあいつらは何が目的なんだよ。β社って食品会社だろ。」

死季はキウイを左足の短刀でむいて食べながらいった。


「ハイ。β社ハ奴ラニ睨マレルヨウナコトヲ、シタノデアリマショウ。キット。後、ヤツラハ午後十一時頃ニハ全員揃ッテイルデショウ。クレグレモ見ツカラナイデクダサイ。ソレガ原因デ、依頼人ノ予測ドオリ爆破時間ヲ奴ラガ早メルカモシレマセン。」


 とΣ.Ωは丁寧に今回のmissionについて説明した。死季も内容は把握できたようだ。


 「午後十一時となると結構時間が開くなぁ。先に今日は勉強しとこう。」

 現代の子どもたちには勉強を好んで自らやるなどなかなか見られない光景である。死季のように学校 に行けず、不便を覚えないとやはり学校のありがたみは分からないのだろう。とΣ.Ωがいきなり、

 

「抜キ打チテストデス。」

 「はぁ~!?」


 と死季が顔を真っ青にして声を上げた。やはり学ぶことは好きであっても、テストは他の生徒と同じく嫌いなのだろう。Σ.Ωが問題を言った。


 「『二酸化炭素を発生させるために必要なのは。』」


 死季は「それか~!」という顔をしながら、


 「覚えてるよ、覚えてるよ。えぇ~と塩酸。塩酸と・・・んん~。」


 Σ.Ωがタイマーを握りしめながら式の答えを待つ。


 「5、4、3、2、」


 Σ.Ωが最後5秒のカウントダウンをし始めた時、突然死季が、


 「分かった、分かった、分かった。石灰石、石灰石だ~~。」


 「正解デス。ヤット覚エマシタネ。」


 Σ.Ωが皮肉を込めて言うと、


 「遅くて悪かったな。」


 と死季は口を尖らせて言った。


 「サァ、今日ハ社会科デス。暗記物ガ多イカラ、ガンバッテクダサイヨ。」


 「はいはい。」


  と死季が苦手な社会科を目の前にして、不満そうに答えると、


 「『ハイ』ハ一回。」


 とΣ.Ωに注意された。


  長い間必死になって勉強し年号や、地域による特産物なども覚えた後、本日の晩御飯であるナン付きのカレーを食べて、準備万端で、死季はβ社工場に向かった。



午後十〇時四五分



「ここがβ社の工場か。まずサテライトと死道銃の転送を頼む。」


「了解。」


死季は先程も言った通り、左腕についているコントロールデバイズで、倉庫にある道具をデータ化して持ってくることができる。今、サテライト、死道銃が転送され、セットされた。


 あたりは静かで不良どもが騒いでいる様子も無さそうだ。さすがに工場爆破前に騒ぐほど馬鹿な連中じゃなそうだ。死季は周りの様子をよく確認し、静かに、事前に調べておいた裏口から工場内にこっそりと入った。


「もっとしっかり結びつけろ!この柱が建物の要なんだよ。事前に行っておいただろ。お前が大役を任されてんだ。お前のせいで他の奴らの努力は台無しになる。そういうとこきちんとわきまえろ。この役立たず。」


不良のリーダーのようなやつだろうか。

下っぱにむかって罵声を浴びせている声が工場内に入った瞬間結構大きく聞こえた。

さすがに死季も背筋が凍った。


辺りを確認してみるとすぐそこに奴らはいた。それ以外にもあちらこちらでダイナマイトを仕掛けているのがこちらから確認できる。さっきの声も他の奴らに聞こえていただろう。これだけ人数が多いとなるとここはこの手かな? 死季は心のなかで呟いた。


ザク・・・パタ・・・・。 ズズーー。


 死季が工場の端から順に気付かれないよう、まずは一人、物音もなく下っぱを殺し、影に隠した。


それから順に奴らの目を奪い、次々と奴らを殺していった。


人員も少なく、奴らがいたのは、主要な柱に限られていたから、まだ気付かれずに殺すのは簡単な方だった。すべての柱に連中がいたらお互いが確認できる。

その場合なら殺されたらすぐに気付けるはずだが今回はそんな悪い状況とは違う。まぁ運が良かったのだ。


そして死季は工場の端に沿って、順に奴らを殺していき、爆破予告十五分前、遂にリーダーらしき奴がダイナマイトが全然セットされてないのを工場内を巡回している間に見たのであろう。

周りの様子の異変に気づいたらしい。

今さら気付くなんて全く鈍いやつだ。


奴が気付いた時にはもう残りこいつ一人だけになっていた。


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