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永遠の契り、久遠の思ひ  作者: 焔涙
乱世の姫君
4/15

望月の姫

 「なんか随分冷静ねぇ。」

焔の部屋を出た後、遙が話しかけてきた。

 「んー?まあ、なんとかなるかなぁって。」

千尋が答えると、今度は悠が口を出す。

「千尋なら、なんとかならなくても、なんとかするだろうな。」

「どういう意味よ。」

「褒めてるんだ。」

 なにか言い返そうと思ったが、悠があまりに優しいまなざしをしていたので、毒気を抜かれてしまった。

 ふと外を見渡すと、今夜は綺麗な望月だった。

「うわぁ!きれーい!」

 千尋の子供のような感嘆の声につられて、悠と遙も外を見る。

「ほんとねぇ・・・。」

「お前の部屋からなら、もっと綺麗に見えるんじゃないか?」

 悠の提案に、

「そうねぇ。早く行きましょ、千尋。」

「うん。」

と、同意を示す女性二人。

 そして、顔を見合わせて頷き合う三人。

 三人分の全力疾走の足音が、御影の城に響いた。

















 そして数分後。千尋の自室。

 千尋の部屋は、三階にあり、外に出られるようになっている。そこから外に出ると、やはり望月を一望することができた。

 後から考えると、何故なぜこのとき、こんなにも月が見たかったのか。やはり、何らかの必然だったのか。

 「やっぱり綺麗!」

「ええ。」

 すると、悠が地面を見て言う。

「あれ、誰だ?」

「え?」

言われて千尋も下を向く。すると、一人の男の子が立っていた。元服したかどうか、十二、三歳くらいだろう。元服しているのなら、男の子という表現は正しくないのだが。

 彼の服装はなかなか上等だが、ここは御影家の城。貴族が居るはずはない。まして、ほかの戦国大名家の人間などありえない。

「さあ。御影家うちの新入りかしら。」

「あんなに綺麗な装いで?」

遙がすぐさま反論した。それに、千尋は渋面をつくる。

「だって・・・。」

 そんな会話をしていると、男の子がこちらを向いた。

 そして、千尋と目が合う。

 もちろん、悠と遙ほどの美貌ではないけれど。

 それでも、それでも。

 二人と一緒にいるときとは違う何かを、確かに感じた。それが何かは、わからないけれど。

 そしてそのさまを、悠と遙は少しだけ寂しそうに、眩しそうに見ていた。

 男の子は、千尋と目が合うとすぐ、顔を真っ赤にして去っていってしまった。

「いったい、誰だったのかしら。」

千尋の問いに、珍しく神妙な顔をした悠が応える。

「どこかの刺客でなければいいがな。」

その答えを、三人はすぐに知ることになる。

















 同時刻。にのまえ家の次期当主、にのまえれんは、若干気落ちして御影家の城下に来ていた。その理由は、父にこんなことを言われたからだ。

------聯よ。ほむらにはあらかじめ伝えてあるから、ちょっとひとっ走りして、御影の城でも見て来い。なに、挨拶などする必要はない。見てくるだけで良い。な?

 正直聯は、どうせ明日行くのだから、こんな夜に行く必要はないだろうと思った。しかし、父には逆らえず、結局きてしまった。

 とりあえず彼は、父に言われた通りに、城下町の中央にある城を見に来た。なかなかに立派な城で、攻めにくい造りとなっている。

 城を見ていると、必然的に見上げる形となる。彼は、今夜が望月だったことを思い出し、月が出ている方向を向く。するとやはり、綺麗な望月が出ていた。

 どのくらい見上げていたかわからないが、城の方から話し声が聞こえた気がして、再び城を見上げる。すると案の定、三階に三つの人影があった。そして、そのなかの一人と、目が合った。

 自分よりいくつか年上だと思われる整った顔立ち。まさに姫のような装い。

 一目惚れだった。

 その少女が、淡く笑む。

 聯は、顔がみるみる赤くなっていくのを感じ、慌ててその場を去った。

 このとき彼は、そこが御影の城だということを、完全に失念していた。

















 次の日。千尋は、もう一家の方々が来ていると聞いて、焔の部屋に向かっていた。もちろん、悠と遙とともに。

「失礼致します。」

そう言って、部屋に入った三人は、声もなく驚く。

 そこには、昨日の男の子がいた。

なんか読みにくくなってしまうんですよね・・・。

なぜだorz...

でも、やっと恋愛っぽくなってきたじゃないですか!?

・・・・・・ですか?


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