表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠の契り、久遠の思ひ  作者: 焔涙
乱世の姫君
2/15

御影の姫

 1513年、皐月。一人の赤子が誕生した。

 彼女の名は、千尋ちひろ
















 1527年、文月。

 室町幕府12代将軍、義晴よしはるが将軍職をつとめ、世を治めていた頃。

すでに幕府の力は弱まり、戦国の動乱期だった。

 そんな時代の、京の程近く。

 小さな戦国大名家があった。その家には、小さいながらかなりの力があった。

その理由は、彼らの駆使する技にある。陰陽術。それが彼らの用いる技。

 彼らの名は、御影みかげ家。御影家には、ひときわ力の強い姫がいた。

幼い頃から術を使い、あやかしを従えていったという。彼女の名は、千尋。

今年、数えで十四歳になった。




 「姫様、姫様!」

ここは、戦国大名、御影焔みかげほむらの城。その御影家に仕えている涼美すずみが、城の一室へ足早に向かっていた。そこは、焔の娘である千尋に与えられている部屋だった。

 涼美は、部屋の前に着くなり、挨拶もそこそこにふすまを開けた。

「姫様、失礼致します。」

 その部屋の中央あたりに、数えで14歳になる御影家の姫君が座っていた。千尋は、まっすぐな黒髪を膝のあたりまでのばし、美しい衣装を身にまとっていた。いかにも姫君だ。しかし彼女は、髪がこれ以上長くならないように、こっそり切っていた。邪魔なのだ。座っていればよくわからないから、べつに良いだろう。

 千尋もかなりの美人だが、その傍らにいる男女もまた、彼女に負けず劣らずの美貌の持ち主だった。

ゆう様、はるか様もいらっしゃいましたか。」

「誰かと思ったら涼美じゃない。何か用?・・・ていうか、悠と遙は十中八九わたしの近くにいるんだから、あらためて言う必要無いじゃない。」

 千尋の指摘はもっともで、いつもは涼美も気に留めないのだが、今日は少し動転していたため、余計なことも言ってしまった。

「は・・・、それもそうですね。わたくし、少し動転していたようでございます。」

「動転て・・・。なにがあったの?また、妖退治の依頼?」

 千尋のところには、城下からしょっちゅう妖退治の依頼が舞い込んでくるのだ。

 「いえ・・・。もうそのようなことで驚くことはございません。今日は、焔様、栴桜せんおう様から言伝を預かって参りました。」

 「父様と母様から?」

と、千尋が怪訝な顔をする。

「はい。『一週間後におまえの婿と会うことになった。心に留めておけ。それと、直接話したいこともあるから、自分たちのところに来い。』だそうです。」

 涼美がそう言うと、それまで口を挟まなかった女性、遙が興味津々で話に入ってきた。

「婿!?それって、許婚いいなずけってやつよね?千尋は会ったことあるの!?どんな人!?なんて名前?かっこいい!?」

 遙は、くせのある黒髪を肩の上あたりまでの長さにし、背丈は六尺近くある。かなりの美人で、大人の雰囲気が漂っている。・・・言葉とは裏腹に。

 瞳が赤く、髪が短いため、異様な雰囲気をまとっていた。

 そんな遙の問いに、呆れ顔で応じたのは悠だ。

「そんなにいっぺんに聞いたらわからないだろう?・・・てか、そんなに興味あるのか・・・。たしか、千尋は一度会ったことがあると、栴桜から聞いたことがある。たしか名は・・・れんにのまえれんだ。」

 悠は、蒼い瞳に金髪。前髪は目にかかる程度。横の髪は、耳の下あたりの長さ。後ろだけ、腰のやや上まで髪をのばしている。

「一って・・・。御影と同盟結んでる?」

「ああ。」

「え・・・わたし、あったことあるの?」

 千尋が間の抜けた声を出す。

「覚えてないの?」

遙が驚いたように問う。その問いに答えたのは涼美だ。

「姫様が覚えておられないのも無理はありません。聯様に会われたのは、姫様が三つの時ですから。詳しいことは、焔様と、栴桜様からお聞きになられると良いでしょう。」

 涼美が言うと、千尋は頷きながらこたえた。

「そうね。今すぐ二人のところに行けばいいのね?」

「左様にございます。」

「涼美、ありがとう。ちょっと行ってくるね。」

 そう言うと、千尋は悠と遙を引き連れ、部屋を出て行った。

 一人残された涼美は、目を細め、穏やかに笑う。

「身分が下の者にも素直にお礼が言えるところは、姫様の美点ですわね。」




 


読みにくいですね・・・・・・。すいません。

次回はもっと短くします!きっと!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ