異様な匂い
「あ、おかえりなさいませフィリア様」
小声で迎えてくれたのは膝に眠ってしまっている少女を抱えるリリィだった。
私は微笑みかえすと、少女の体を抱きかかえた。
少女の部屋のベッドに寝かし置くと。体の変化に気づいた。
少女の部屋から出ると、興奮気味のリリィが立っていた。
どうやら嬉しい報告があるみたいだ。
「綺麗だったんです!!とっっっても!!」
少女と魔属性を確かめたこと、
少女は魔力が多い光属性で体の傷を治せたこと。
「それに、読み書きもできます!!中庭で昼食が終わり、先に書斎に戻って頂いて
私が紅茶をお持ちして戻った時には、既に2冊の本を読んでいらっしゃいました。
文字が読めるのですか?と聞いたところ、何故か読めているという。ご自身も不思議がっていました。」
「そうでしたか。リリィありがとうございます。
リリィはあの子に好かれていますね。それできっと早くに属性に気付くことができたのでしょう。」
「とんでもございません。穏やかで、私もあの方が好きです。」
リリィはお辞儀をして部屋を後にした。
ー光属性か、てっきり土かと思っていたが、
やはりニュムペー族の話はつくり話なのか
しかし、あの木々の力は、少女ではなく、あの森に隠されている可能性もあるか。
エドに調査をお願いしよう。
今日はエルフのアイリに会ってニュムペー族について再度訪ねてみた。
が、返答はエドが言っていた通り。
また国立図書館に行って騎士団長以上しか入れない書物も読んでみましたが、
ニュムペー族についての記載はない。
ただ、アイリは気になることは言っていた。
「ピロス国の森にならいたりして~なんてね。あそこの森は誰も太刀打ち出来ない。
あの森に入って帰れたやつは誰もいないからね。」
ピロス国。仲は悪くはないですが、裏を返せば仲良くもない、
更に私が内密に動いているとはいえ、さすがに国王にばれてしまう。
ーん?なんだこの匂い。
異様な匂い、この家の者ではない匂いが窓の風から香ってきた。
自室を後にし、残り香を追う。
中庭の大きな木の裏。
スンと匂いを嗅ぐと異様な匂いがする。これは闇魔法の痕跡。
リリィは中庭で魔属性の確認をしたと言っていた。
ということは、誰かが少女を見つけたかもしれない。
さて、どうしたものか。
翌日。
少女と一緒に書斎で本を読んでいた。
リリィは少女の読みたそうな本を取ってあげ一緒に解説しながら読んでいる。
私は私で古書を漁ったりしていた。
昼食を食べている最中リリィが提案してきた。
「宜しければ、お昼は街にでませんか?実際に外の景色を見るのも良いかなと」
その言葉に少女は顔を上げ、こくりと頷いた。
「そうですね。お洋服ももう少し数ほしいですし、好きなものが見つかるかもしれません。」
私の返答にリリィは大きく頷き、少女は大きく首を横に振った。
「およ、ふくは、いら、ない、です。いまの、で、じゅうぶん、です。」
その年頃で控えめすぎる、私はにこりと了承しない笑みをむけ支度に入った。




