女神様とは彼女のことをいうのかな
「ここが書斎になります。」
リリィと手を繋ぎながら、前を歩くフィリアについて行くと
一室のドアを開けてそう言うフィリアは続けて
「この中には、この国のことはもちろん、世界の国についての歴史書や世界地図もあります。
童話や小説もありますので、何か思い出すヒントがあるかもしれません。」
案内された部屋は、天井まである本棚にびっしり本が積まれていて、
真ん中には螺旋階段もあり2階も本で溢れていた。
すごい。圧巻な量。でもこれなら、いちからこの世界の事が分かるかもしれない。
「リリィ、では頼みましたよ。私は公務へ行ってきますので。」
「はい!承知しました。」
フィリアは私の前に膝をつくと、
「リリィは多言語に優れているので、読みたい書物は読んでもらってください」
優しく微笑まれ、私もこくりと頷く。
「あ、ありが、とう」
お礼を言うと頭を軽く撫でられた。
ーどうか、何かの糧になりますように
そう願っているのが伝わった。
フィリアが離れリリィに世界地図をみたいと伝えると大きな紙を持ってきてくれた。
「これが世界地図です。ざっくりですが、各国の説明をさせていただきます。」
この世界は大きく分けると4つの国でできています。
その中でも1番大きい国がここ、フィシオロゴス国。
2番目に大きい隣国の オーフィス国
こちらは正直あまり仲良しではありません。
200年前に大きな戦争があり、フィシオロゴス国が勝利したのですが、
それでもまだ遺恨は残ったままです。
また、闇魔法が得意でそれを悪事に働かせる者が多いのも特徴で、貧富の格差も大きいです。
同じ龍族を王にしている国なのに、中々分かり合えないものですね。
3番目に大きい隣国の ブランウィン国
こちらの国は仲良しです。エルフを国王にしており、エルフの人口が1番多い国でもあります。
とっても景色がよくて、花や木々が多く緑にあふれた国です。
回復魔法が得意で、薬草の種類も豊富に生息しているので
薬もほとんどの国は、この国から輸入しています。
4番目に大きい向かいの国 ピロス国
ここは人間族とハルブダ族(魔獣と人間のハーフ)が1番多い国です。
国王は人間族です。中立の立場であり、どの国ともよい距離感という感じですかね。
貿易があまり盛んではないので、正直入国も難しい国です。
私も資料でしか知識はありませんし、あまりフィシオロゴス国の人で元ピロス国にいた。
という移民も聞いたことないです。
族生についても説明してくれた。
魔法について話を聞いていると、
「先程伝えたように龍族とエルフ族は属性を必ず持っています。
私は龍族なので、属性は水です。」
そう言って手の平に球体の水の塊を出した。
ベラさんは人間族なのですが、魔法属性を持っており、風です。
昨日髪を乾かしていた時使っていたと思います。
こくりと頷いた。
パンさんはハルブダ族ですが、魔力をもっていません。
ですが、夜目がききます。明かりが無くても歩けちゃいます。
魔法が使えなくても身体能力が高いのです。
「さて、えっと」
あ、そうか私は自分の名前を知らない。呼ぶのに困っているのだ。
「わ、たし?」
人差し指を自分に向けると、リリィは大きく頷いて、私の手を引いた。
書斎を抜け出し中庭へ一緒に来た。
「自分の魔力があるかないか、属性の調べ方は本来生まれたときに分かるのですが
その後でも調べることができます。」
リリィは手を胸の前に突き出した。
手の平を上にして瞳を閉じる。
「神よ、我の持つべき力を明かせ。」
そう詠唱したリリィの手の平にはマークが浮かんだ。
そして最初に見せてくれたように水の球体がぷくぷくと浮かび上がった。
「こうやってイメージするのです、そうすると魔力を持っているものは
反応して球体となって姿を現すのです。」
私は見様見真似で手の平を上に胸に突き出した。
「かみ、よ、我の、もつべ、き、ちか、らを、あ、かせ」
瞳を閉じて手の平に球体が浮かぶイメージをした。
ー熱い、体の中に何か巡っている感覚が襲う。
リリィは目を見開いた。少女の手の平には光の球体が作られたと共に、
球体は大きくなっていき少女を包み込んだ。
眩しくて、リリィは怯んで尻もちをついた。
「き、れい」
光に包まれた少女はゆっくり光が消えていく、その瞬間なびく白銀色の髪
瞼を上げ見える燃えるような赤い瞳。
ー女神様とは彼女のことをいうのかな。
見とれていたリリィに少女は首を傾げた。
「あ、すごい!すごい魔力量です。属性は光ですね。あ!体が!」
驚いているリリィは私の腕を触る。
傷が消えている。
「体は痛くないですか?」
そう聞かれて体の色んな場所を触ってみるが、どこも痛くなかった。
むしろ軽くなった気がする。
「光属性の回復魔法ですね。すごい!あんなに深かったのに、良かったです」
リリィは私を優しく抱きしめてくれた。
「銀髪の少女、みつけた。」
この時リリィと私の掛け合いを覗いている影がいたとは知らず。
影はニヤリと不敵な笑みを浮かべ姿を消した。




