表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虐げられた公爵令嬢、女嫌い騎士様の愛妻に据えられる~大公の妾にさせられたけれど、前世を思い出したので平気です~  作者: りょうと かえ
1-4 運命の冬

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/56

53.それぞれの思惑

 イリスは手の中に植物の種を握っていた。

 魔法を使えば一瞬で大きくなる。


 それがどう――と言われれば、そうなのだけれど。

 お守り代わりにはなる。いざという時に。


 イリスが腕を上げながら、大公を見つめた。


「閣下、お話があります」

「……くだらん」


 イリスの意図ははっきりしていた。

 クリフォードの自殺めいた動きを止めること。


 こうして会ってみて、イリスはますます確信を深める。


 クリフォードは……どうあっても大公を止めるつもりだ。

 自分が死んだとしても。


 そして大公は徹底抗戦するつもりだ。クリフォードをそばに置いているのは、まだ彼を信用しているから。


 だが、どうだろうか。

 エランとクリフォードの仲は大公も知っているはず。


(……ギリギリのバランスだ)


 イリスたちはそれぞれ違う意図を抱えながら、集まっている。


 心臓が物凄く痛い。

 あまりに早く動きすぎている。


 かつての自分なら、こんな賭けはしなかった。

 でもやるしかない。


 運命をたぐり寄せたいのなら。


「閣下にも利益がございます。進退に迷う貴族たちを味方にするのに、私の存在はマイナスにはならないはず」

「…………」


 大公の視線がじっとりとイリスに絡みつく。


 情勢は混迷を極めている。

 ほんの一手がすべてを変えかねない。


 大公はイリスをどう評価するだろうか。


「わざわざ人質になりにきた、というわけか」

「……そのようにお考えでも結構です」


 イリス自身の価値がどこまであるのか。



 大公は思案していた。

 クリフォードを動かすのなら、イリスの存在は悪くない。


 彼女をそばに置いておけば、クリフォードも余計なことを……しづらくなるはずだ。


 所詮は16歳の小娘。

 浅はかで愚かしい。


 大公は内心でほくそ笑んだ。


「いいだろう。来い」

「よろしいのですか、閣下――」


 そばに控える将校のひとりが大公に進言する。


「彼女は魔力持ちのようですが」

「問題ない。魔法とはいえ、植物を操る程度の弱い部類だ」


 注意するべきはクリフォードのほうなのは間違いない。


 今のところクリフォードは……忠実だ。信用できる。

 疑う理由は特にない。


 しかし土壇場になって、エランとの衝突中に心変わりする可能性は拭えない。


 妙な同情心や変心さえしなければ――クリフォードは自分の息子でもあり、もっとも信用できる。


 そこに緊急の伝令が馬に乗って現れる。


「閣下、ご報告が!」

「言え」

「エラン殿下の本営が移動を開始しております! 移動先は王宮かと……!」


 大公の軍がざわめく。

 

 エランが大きく手を動かした。

 だが、エランもまた大公からしたら若造だ。


 確実な勝利を求めるなら、まず大公を押さえるべきはず。


 それが流血を嫌ったあげくに王宮へ向かうとは。

 正統性を得たいのだろうが、生ぬるいやり方だった。


(だが、王宮へと移動したこと自体は朗報だろう)


 イリスの顔は青ざめ、クリフォードは平然としている。


 日和見の貴族を味方につけ、エランを排除する。


(――そればかりではない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 心の中で大公は笑う。


 予期せぬクーデターではあったが、転がしようによっては、大公自身が王になれるかもしれない。


 大公は高揚を隠しながら、腕を天へと突き上げた。


「よし! 我らも王宮へ進路を変更する! 逆賊を討ち、陛下をお助けするのだ!!」

【お願い】

お読みいただき、ありがとうございます!!


「面白かった!」「続きが気になる!」と思ってくれた方は、

『ブックマーク』やポイントの☆☆☆☆☆を★★★★★に変えて応援していただければ、とても嬉しく思います!


皆様のブックマークと評価はモチベーションと今後の更新の励みになります!!!

何卒、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新刊書籍『断罪される公爵令嬢』が10/2発売されます!! ↓の画像から販売サイトに飛べますので、どうぞよろしくお願いいたしますー!! 58iv2vkhij0rhnwximpe5udh3jpr_44a_iw_rs_7z78.jpg

婚約破棄から始まる物語『籠の鳥の公爵令嬢、婚約破棄をする。人嫌い皇帝に拾われて愛される(モフは大好きなようです)』 こちらからお読みいただけます!

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ