表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虐げられた公爵令嬢、女嫌い騎士様の愛妻に据えられる~大公の妾にさせられたけれど、前世を思い出したので平気です~  作者: りょうと かえ
1-4 運命の冬

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/56

35.雪が降り始めて

「きゅうきゅう、きゅー」

「えーと……渋みが強くて癖があるけど嫌いじゃない?」


 ミラはその後、何回も紅茶を飲ませるようせがんでくる。


 正直、イリスの舌には合わない紅茶なので……ミラが飲んでくれるなら、大歓迎だった。


「……きゅ」


 しかし飲むたびにきゅっと顔をしかめるのは、渋いからか。


「あの、無理はしなくてもいいんだよ?」

「きゅうん」


 コーヒーのようなものだから、大丈夫! らしい。


 いや、これは紅茶なのだけど。


 しかし高級コーヒーにも渋みの強い品種はある。

 もちろんエスプレッソという飲み方もあるのだし。


 というわけでミラは美味しく紅茶を飲み切ってくれた。

 が、イリス自身はこの紅茶での商売は厳しそうだと考える。


「きゅー」


 ふきのとうみたいなのも大好きです。

 ミラは普段から葉っぱをたくさん食べる。なので苦みには強いのだろう。


 ミラを愛でながら冬の日々が過ぎていく。


 前回クリフォードと会ってから、早くも2週間。

 彼は姿を見せてくれない。


 不安になる気持ちはあるのだが、彼は彼で仕事が忙しい……はずだ。


(そうよ、ここ最近が会えていただけで)


 直近の数年、クリフォードは北の備えとして公務に励んでいた。

 その時も手紙はくれたりしたのだが、顔を会わせる機会はごく少なかった。


 王都に戻り、きっと別の公務を仰せつかったのだろう。


(そうよ、きっと……)


 イリスは会えない日々になんとか理由付けを試みる。


「きゅうんー」


 その日、窓の外にはぱらぱらと小雪が降り始めていた。

 今年最初の雪だ。


 ミラは窓ガラスにむににーっと顔を押し付けている。


 もしかして雪に触れ合いたいのだろうか。

 イリスは窓側に歩いていき、ミラの背中にほんのかるーく顎を乗せる。


 ほわっと温かい……。


「雪を見たいの? 窓を開けよっか?」

「きゅっ」


 ミラがぶるんと首を横に振る。

 寒いのでそれは嫌らしい。


 この屋敷には暖房も冷房もある。

 今もガス式(多分、そのはずだ)の暖房がフル稼働していた。


 室内は暖かいが、外気温との差はきっと物凄いに違いない。


「……今年は寒くなりそうなのかな?」


 ふにふにと鼻を動かしたミラが頷く。


「きゅっ!」


 かなり雪降る冬になるかもです。と言っている気がする。


「…………」


 手元の資金は思ったよりも貯まってきている。


 ティリルはかなりの商売上手で、毎回ちゃんとバニラビーンズを売り切るらしいからだ。


(この分だと春までに、目標の金額まで到達できるかも……)


 お金が手元にあると色々考える。


 イリスはちらりと部屋の金庫に目を向けた。


 この大公家の屋敷を脱出するための資金。具体的な計画。決行日。


「警備の動きもだいたい、把握できたし……」


 毎日の散歩で警備の巡回ルートと要注意ポイントは把握できた。


 どれくらいの頻度で見直しがあるかわからないが、脱走ルートの構築は可能だ。


(……しかも雪)


 雪は音を消して、白く塗り潰す。


 防寒対策をすれば脱出するのに、好都合なのではなかろうか。


「ごくっ」


 手が少し震えてくる。


 逃げ出す構想が現実味を帯びてきていた。

 それがわかってきてしまう。


(……クリフォード)


 彼と会ってどうするのか。

 彼もイリスのことは察しているようにも思えるのだが。


 わからない。


 だけど、今のイリスにとって重要なのは自由になることだ。


 雪はまだ小粒で、地面はまだ温かくて積もる気配はない。


 しかし、この雪が積もったら。

 その時は……この屋敷から抜け出す絶好の好機なのは、間違いない。

【お願い】

お読みいただき、ありがとうございます!!


「面白かった!」「続きが気になる!」と思ってくれた方は、

『ブックマーク』やポイントの☆☆☆☆☆を★★★★★に変えて応援していただければ、とても嬉しく思います!


皆様のブックマークと評価はモチベーションと今後の更新の励みになります!!!

何卒、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新刊書籍『断罪される公爵令嬢』が10/2発売されます!! ↓の画像から販売サイトに飛べますので、どうぞよろしくお願いいたしますー!! 58iv2vkhij0rhnwximpe5udh3jpr_44a_iw_rs_7z78.jpg

婚約破棄から始まる物語『籠の鳥の公爵令嬢、婚約破棄をする。人嫌い皇帝に拾われて愛される(モフは大好きなようです)』 こちらからお読みいただけます!

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
間に合うかー?間に合うのかぁ?!クリフォード!?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ