感謝デー
斉藤 クラスメート。何かの運動部。
「……それで、そいつは足が学年一速かったんで、《怪盗山田》って言われてた。なんで怪盗かって言うと、『その足の速さを活かしたらなんでも泥棒できそうだよね』ってモーリーがふざけて言ったからで……あー、モーリーっていうのは、こないだデートのとき会った、あの茶髪の奴のことね。あいつはね、森っていう名字で、」
「……瀬田?」
「ん?あ、なに斉藤」
「おまえ……どうしたの?」
「なにが?」
「何がって……一人で何しゃべってんの?何?疲れてんの?てかもしかして、ソッチ系?」
「いや、違うし。ごめん、斉藤がいんのわかんなかった。うっさかった?ごめんな」
「いや、うっさいとかはいいんだよ。忘れ物取りに来ただけだし。それよりお前が教室で一人でしゃべってたのはなんでなの?」
「んーー…詳しくは言えないんだけど……まあ、一人で喋ってたのではないよ」
「は?どっかにいるってこと?」
「うん」
「ふーん…まぁいーや。よくわかんねーけど、あんまいろいろ頑張り過ぎんなよ。ストレスとかよくないらしいぞ」
「おー、ありがとう。斉藤部活中?」
「ん。じゃあ俺行くわ」
「頑張ってなー」
「……というわけで、クラスの人に見られるとヤベー独り言ヤローに見えるっぽいから、もう終わりにするな。いつもジュースとかもらってるのに俺からはほぼ何もしてないから、今日は机の盗聴器に向かっていろいろ話してみたんだけど、長門先輩、あとでこれ聞いて喜んでくれるかな?どーでもいい話ばっかだったけどな。喜んでくれたらいいな。じゃ、俺もう帰るから。またな~」
その晩、感涙しながら夜通しリピートして聞いた長門




