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すごく短い話  作者: たま
クソ主とクソ従者(ツンデレ美形×元気平凡/主従)
5/21

壮年編




「思えば随分長く一緒にいるよなぁ、俺たち」


「急になんだよ、ボケたのかハゲ」


「は、ハゲてねーし!まだハゲてねーし!!やめろよ!もうそーゆうのドキッとする年頃なんだよ俺はよ!」


「うるせー落ち着きねーな何歳だよテメー」


「衛がハゲとか言うからだろうが……!だからー、振り返ってみると付き合いなげーなと思って。小中高大、父さんの会社継いで、そんでもう何年だっけ。付き合いも長いし、年もとったなぁ」


「余計なこと考えてミスんなよソレ。そこそこ重要な書類だぞ」


「んなヘマしねえし。なー衛、おまえってこれからいつまで俺の側にいてくれんの?」


「は?」


「だからぁ、何年かしたら俺もこの職退くじゃん。んで名誉職とかする気ねーから、隠居すんじゃん。そんときも、側にいてくれんの?」


「……いるんじゃねーの」


「マジで?俺けっこーよいよいの感じになってっかもよ?」


「面倒は見ねえよ。てめーの世話はてめーでしろよ」


「マジかよ!えーどうしよっかなあ。ホームヘルパーさんしかねえかなぁ。俺の娘とかってなぜか衛に似てキツイから、俺の面倒なんてぜってーみてくんねーし…」


「……つーか、どんだけ先の心配してんだよてめえは。現実逃避してんじゃねえよ」


「いたっ!てめ、蹴ったないま!」


「ガタガタ騒いでっと次は刺す」


「刺す!?なにで!?……あ、その万年筆でね……って、それって俺がいつだったかあげたやつじゃね?まさか自分のあげたものが死因に繋がってくるとは…」


「……………はぁ。わかったよ、休憩な」


「おっさすが衛、わかってるぅ。ケーキもらったから食おうぜー!なあ秘書君、これを切ってきてくれるかい?もちろん君の分もあるからね!」


「ふふ、はい、承知いたしました」




「なあ衛、これからも側にいてくれよ?」


「だからなんなんだよおまえ、さっきから」


「んー、なんかふと思ったんだよな。これまでもこれからも、俺の隣には、衛がいてほしいなって」


「……」


「俺が死ぬときにさ、俺の視界に最後に映す人、誰がいいかなって思ってさ。死んだ嫁さんでも、子供たちでも、孫たちでも無いなって。お前がいいなって思ったんだよ」


「…そーかよ」


「そんで、俺が死んだあとお前は、俺の孫たちに囲まれて暮らすの。おまえ結婚しなかったもんな。俺の孫だから、たぶん絶対おまえに懐くだろ。子供達がそうだったもん。なぜ俺よりお前に懐くのかはいまだに納得いってねえけど……。はは、なんか変な話してごめん。やっぱ年取るとよくねーな、いらないことばっか考えて。あ、俺、ちょいお花摘みに行ってくるな」


「キメーな普通にトイレって言えよ」





「……望むところだ。が……最後のだけは聞けねえな」






俺は、何があっても生涯ずっとおまえの側にいるって、元々決めてんだよ。

おまえが死ぬときは、そのときは――


おしまい

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