おまけ
「小野、おはよう!今日もかわいいな、ところで俺はお前が好きなんだが、小野はどうだ?」
「先輩、おはようございます。俺の布団から出て行け」
今朝も変態に抱きしめられて、俺、起床。
からの、鳩尾膝蹴りで脱出は、俺が最近身につけた特技だ。変質者撃退DVD、あれ役に立つな。
ストーカーは、あれから毎日、てか毎時、俺に告白してくる。
面倒なこと言わなきゃよかったなと、いまさら後悔している。
「なぁ小野、今日は天気もいいし、どこか二人で行こう。海の見えるホテルの最上階とか、夜景が綺麗に見えるスポットとか、最悪校舎裏でもいいぞ!」
「告白する気満々じゃないすか。さっきからしてんのに、どっか行く必要あります?てかよく飽きないすね」
「お、小野が返事をくれないからじゃないか!」
さて、ストーカーの作ったうまい朝食を全部平らげたところで、俺は出掛ける準備をする。
おい、着替えてんだから入ってくんな。
「小野、どこに行くんだ?」
「買い物です」
「え、夜景の綺麗なホテル裏は?!」
「俺はそんなとこ行くなんて言ってねーすよ一言も」
てか、なんだそこ。
しくしくと床に座り込み泣き出した変態に、俺はしかし、声をかけてやった。
「――先輩。置いてきますよ」
毎日布団に忍び込んできても警察に突き出さないんだから、俺の気持ちがわかってもよさそうなもんだけど。
好きだ、と言われるのは悪い気分じゃないから、もう少し返事は待ってもらおう。
なんつって。
おしまい




