というわけで
ある朝目が覚めると、目の前に、美形がいた。そういうこと、よくあるよね~。
というわけで、今日もストーカーに抱きしめられながら、俺、起床。なわけだが、なんだか変態の様子がおかしい。なんつーかこう、不満そう?
「どうしたんすか先輩。鬱陶しいっすよ」
「小野さぁ、俺、朝のスキンシップすんの、2日ぶりだって気づいてる?」
そりゃ気づいとるわ。昨日は久し振りに人間らしい朝を迎えたからな。うれしくて二度寝とかしちゃったわ。
「なのにさぁ、なんでそんな普通なの?離れて寂しかったとか、寂しさによって俺を好きだと自覚したとか、俺も好きですって言ったりとか、そーいうのないの?」
口を尖らせるその仕草と、それでも美形は美形であるという事実にむかついたので、頭突き。
もんどりうっている隙に立ち上がり、俺は変態にびしっと人差し指を突きつけた。
「『俺も好きです』っていうのは、一度告白された人間しか言えないんすよ。俺、あんたに告白されてないんで」
俺が言われたのは、「なんて可愛いんだ!将来的に俺と暮らそう!」だ。好きだなんて言われたことはない。ていうか初対面の男にこのセリフってやばくね?
先輩は、前歯を抑えてポカンとしたあと、
「じゃ、じゃじゃぁ、好きって俺が言ったら、もしかして――」
バタンと部屋のドアを閉じ、変態の声をシャットアウトした。
さぁ、変態が用意した朝飯でも食いますか。
おわり




