前編 なんか知らんけど転生!なんか尻尾が付いてきた!?
皆は前世ってのがあると信じるだろうか?
俺は信じてる。てゆうか存在すると証明できる。
その前世なんだが、その時の記憶がハッキリと俺は覚えている。
ロボット好きで工学に入って大学行ってロボット作って戦争になって頭上から降り注いだ爆弾で死んだ。
死んで、生き返ってイケメンになった。
前世の自分よりイケメンな顔。両親もイケメンで性格は…まあ、あの。その〜…アレだけど…
まあ、なんだ?普通に良い親だ。
唯一難点があるとすれば、俺の両親は同性愛者なのだ。
なので女装させられたり料理学ばされたり夜のお勤めでの女の喜ばせ方とか何年か先の勉強を教えられたりとされる。
まあ、別に自分は同性愛とか気にしない派。いや…流石に自分の関係となるとちょっと気にはなるが推奨派だ。
おっと、そういや一番大事な所を教えて無かったな。
両親の性別は…
「おはよ」
「…おはょぉ〜」
女だ。
ベットにこびり付いて離れない親二人の布団をなんとか引き剥がし、真っ裸の両親に朝の寒さで目を覚まさせる。
しかし、時代の進歩は凄いものだ。
こんな事をすると親はすぐにエアコンを点けようとする。
それとの格闘は前世のボクシングの何倍も凄い…速さで終わる。
「グムュ…」
抱きまくらにされた俺は今日、943戦943敗を記録したのである。
今年小学三年生の俺の日常だ。
***
「ご飯?パン?」
「パン…」
「ご飯で…」
あれから30分たって開放された俺は朝ごはんを用意する。
二人は毎日食べる朝ごはんが違い。パン、ご飯。パスタにハンバーグ。オムライスにステーキと滅茶苦茶だ。
そこで俺はちょっとしたくじ引きみたいな物だと思い。パン、白米の時は吉。パスタにハンバーグなら大吉。オムライスにステーキなら大吉。で、ゼリーとかのやつなら凶だ。
つまり朝ごはんが豪華なら良い日だが、レーションかと思うような物を食べる時は悪い日だ。これが案外当たる。
あと、単純に両親の気分、体調もわかるので重宝してる。
「はい、ジャムとマーガリン。ご飯は卵かけご飯にしといたよ」
「さっすが私達の息子!欲しいものがわかってる〜♪」
そう言い尻尾を振る白い髪をしているお母さんはメリー・ベルクウルフ・ムーン
名前・種族・家系でウルフと入ってるように狼っぽいお母さんだ。
「……ありがと…」
まだ眠たそうにしてる紅い髪のお母さんはシェニー・クラウンズノーマン・V6・ノア
V6は産まれた順で、ノーマンはヒューマンに似てはいるが体内の内蔵がほぼ全て強化されている人だ。
で、俺はどっちの種族かと言うと。
「いや〜モフモフだなぁ」
「ん…ちょっと。お行儀悪いよ?メリ母さん」
メリーのほうの子供だ。
ちなみにベルクではなくフォグで、しかもブラックだ。どうゆう事かって?つまりメリ母さんは純粋なベルク種だが、俺はフォグ種でブラック種の血が混じったいわゆる雑種だ。
「すまんすまん。ルシファーが可愛くてついな?」
ではここまでのを纏めると、俺はルシファー・フォグブラックウルフ・ノアだが。実際の名前は無い。
名前、種族、家系。その全てが無いのだ。
何故か?それは死んでいるからだ。
自分は産まれた時。それはもう死に損ないで死んだも同然の状態だった。
そこで身体の状態をそのままにしてクローンを作った。
クローンは機械と生体の融合で、オリジナルの状況をそのままトレースしてちょちょいと弄るとオリジナルと繋がれたままの俺の出来上がり。
ほぼブラックボックスも同然の身体で行われた手術だが、無事成功しましたとさ。
頭おかしいんじゃないかな?
まずね、この手術。例えるなら感覚がない暗闇の中で心臓移植手術をするようなもんなんだ。しかもどうして成功したかわかんないだってさ!HAHAHA!!
…いや笑えねぇ。
なにがどうしてこうなったんだよ…
まあ、こうして一悶着あったけど無事転生出来ましたとさ。
さて、現実に話を戻そう。
俺は今学校に居る。
全校生徒8000。
オリメテウス銀河のオルベ・ルクトリア・ガルガ帝国。通称オルガ帝国は小学生の頃から兵器の扱いについて一定以上の知識を付けなければならない。
そして、今日は兵器に初めて触れる日だ。
憧れの兵器に触れれる。
「これかオルガ帝国の第2世代に配備された67式軽一七型HBM。通称トムキャットだ」
第2世代とゆう時代遅れも良いところの兵器だ。だが、この第2世代はその後の兵器にとある物を残した。
二足歩行ロボットとゆう物が初めて実戦で一定の戦果を挙げ、兵器の種類の一つとして初めて決められた現代のHBMの基礎を作った御曹司なのだ。
現代のHBMは汎用性、機動性、走破性においていいとこ取りしており。戦車の装甲には追い付けないが火力に秀でており。航空機の機動性には追い付かないが汎用性において秀でており。フリゲート艦においてはHBM6機でクイーンズ級1隻を迎撃可能となっている。そして、ほぼ全てのHBMに言える事が低コスト化が用意であり。帝国の序列意識もHBMにちょっと衣装を施すだけで簡単に表現できる。まあ、つまり最強とはいかないが、現代兵器の代わりを十分に務める事ができるとゆう事だ。これを可能にしているのが、トムキャットから代々受け継がれている『機械神の加護』のおかげだ。
宇宙の開拓を進めているとオカルトの一つや2つが実現してもおかしくは無い。そのオカルトの一つが機械神だ。
その機械神の加護はなんなのか?それはただの石ころ一つから巨大な宝石に至る全ての物が機械神の加護を受けるとパイロットの形に近い人型の物の出力が上昇し、軽量化され、硬質化する。と思われる。
ここで一つ付け加えないといけないのが[『機械神の加護』はブラックボックスである]とゆう事。つまりなんか見た感じこうじゃね?的な感じでしかわからないのである。まあ、とゆう事でなんか良くわからないHBMは復旧されましたとさ。これ以上はもうわからん。
トムキャットの操縦はちょっと制御がまだAIに移行していない時代の物なので人の手で制御しないといけない。エンジン回転数、出力、燃料消費率、ジャイロ効果率。これら全て人の手で制御するのだ。まあ、思ったより難しくはない。シュミレーションよりちょっと難しいだけだと思いながらなんとか操縦して障害物を走破していくクラスメイト達を見ながら順番を待つ。
「次!ルシファー!」
「はい!」
元気良く返事して乗り込む。
これが…トムキャット…
HBMに…HBMに触れてるんだ…
《起動シーケンス開始 パッシブジャイロ起動 油圧サスペンションフリー 排熱1番から4番まで開放 燃料供給率74% 回転数フリー2万7000 全システムオールグリーン HBM―Start-up―》
「よし…シュミレーションで沢山練習したんだ。このままあの障害物を――」
《パッシブジャイロシステムに異常発生 排熱機構閉鎖 ジェネレーター出力上昇中》
突然排熱が停止され、密閉された。
突然の事態になにも出来ず、事態はただ時間の流れに沿って進んでいく…
『脱出しろ!!』
《ハッチロック》
「え、嘘ッ!?」
ハッチが自動でロックされ脱出不可能になった。
排気が出来ず、二酸化炭素が室内へと充満してきた。すぐにジェネレーターを停止させるが、システムが受け付けずジェネレーターの回転数は以前として上昇する。
金切り声のような音がコックピットの中で鳴り響く。
ジェネレーターの回転に歯車が追い付かなくなってきたのだ。
このままじゃ爆発する。
「ッ!クソ…」
もしコイツが爆発したら現在パッシブのジャイロによって爆発範囲は半径400m。下手な爆弾より破片も飛び散る。安全な場所は…
《マップを起動》
『ッ!?何をしているルシファー!』
「コイツが今爆発したら死傷者が出ます!近くに現在使用していないトンネルがあったはずです!そこまでコイツを動かします!」
動かせば動かすほどジャイロへと送られるエネルギーも少なくなる。1kmなら大丈夫だろう。
「俺はなんとかします!なので退避を早く!」
『…ああもう!全員退避!!校舎に退避しろ!!』
通信を切りジェネレーターをオンの状態に戻して機体を走らせる。ジャイロシステムはアクティブにしたはずだが表示だけみたいだ。パッシブじゃ姿勢制御は期待出来ない。
グラウンドから道路に飛び降りてトンネルへと進む。
しかし何故こんな事に?俺を閉じ込めるようにハッチまで閉じた。しかもタイミングから見て通信も傍受されている。邪魔が入らなければ良いが…
《アンノウン2機確認 レーザー照射を確認 ―回避を推奨―》
「クッ!」
機体を右へ跳躍させて進路を変更する。そして着地するより早く弾丸は進路上に的確に着弾した。レーダー照射から0.8秒。弾丸は上からだから…
《アンノウン1機 右から接近》
「なんなんだよ!?なんで俺なんだよ!?」
右を見るとサーベルを持って接近してきた第五世代機のラプターが大きく振りかぶって来た。
「腹を見せてるから!」
跳躍した時の勢いのままタックルをする。
命中し、右肩がひしゃげたが相手の方がダメージが大きいみたいだ。
《発砲を確認》
「飛べぇ!!」
警告音を聞いた俺はその場から跳躍し、横から地面へと叩き付けられた。
連携っぽい動きはあったが、あれは流石に避けられないはずだ。
そう考えていた自分がバカでした。
流石は第5世代と言うべきか。目の前に華麗に降り立った細身のシルエットを見ると無傷だった。
それに比べてもうそろそろ爆発するこっちは何もしなくても満身創痍になるデメリット持ちで世代落ちもしている機体だ。
「機体の性能差だけで…勝った気で居るなぁ!!」
トムキャットの中はもう二酸化炭素だけで体内酸素濃度が12%を下回り、気絶仕掛けてる。
だが…それでも…!!
『コックピットを防御して』
「ッ!?」
突然響いた声に驚いたが、すぐにコックピットをトムキャットの腕で覆う。
すると目の前のラプターが飛び去り、弾丸が着弾した。
爆発に巻き込まれた俺は転がったトムキャットのジェネレーター停止音を聞いてハッチを蹴り飛ばし、外へと這い出た。
酸素濃度が急激に回復していき。体も少しずつ疲労が消えていくと目の前で起こっている事態に目を丸くした。
いまさっきまで余裕そうだったラプターが同じ黒色の機体に押されているのだ。
「………すごい…」
高G機動を続ける2つの機体。しかし、素人目でもわかる。
ラプターの負けだ。
勝負は一瞬だった。
鍔迫り合いとなった機体同士が突然スモークに覆われ、中から爆発が起きたと思ったらラプターのコックピットの装甲が目の前を滑っていた。
「危なっ!?」
すぐにジャンプして避けて転んだ。恥ず…
しかしその感情もすぐに無くなる。
黒い機体がスモークから出てくるとコックピットから出てきた白い髪の毛。シュッとした尻尾。キリッとした目。
その姿は…
「メリ…お母さん…」
自分の母親だった…