~エピローグ~
「ーーー、ーーー。 ーーーーー
ーーーーーー 」
ーーーーーーーー
射し込んでくる陽光の中、聞き慣れた機械音で
目を覚ます。体を起こすが、なぜか鏡に映る自分に違和感を覚える。 まだ夢から覚めてないのだろうか。
「まぁ、目が覚め切ってないだけか……」
そんな独り言を呟きながら準備を進める。が、
頭が痛い。二日酔いだ。
だが生憎今日は午前だけ講義がある。学食を取ってからすぐ寝よう。
なんて事を考えている間に
準備は終わった。ーーーと同時に、チャイムが鳴った。
「起きてるー?はよ行こー」
いつもの柔らかい口調でドア越しに
話しかけてくるのは
中学生からの友人、由井也沙だ。
「起きてる起きてる、もう少し待ってて」
「んー、待たせんなよ〜」
他愛のない会話を交わし、家の中を確認する。
エアコンでも消し忘れたらとんでもないからな。
確認も済ませ戸を開け、也沙とキャンパスへ向かう。
講義が始まった。横に座っている也沙はさっきの朗らかな感じとは打って変わって、真面目な顔つきで話を聞いている。
「ーーーーがこうで、ーーーーーとなる。」
やはりまだ頭が痛い。のと、目が覚めきっていないため、内容が耳から耳へと抜けていく。
と、朦朧としてる間に講義が終わってしまった。
後で也沙に聞くとしよう。
そして学食に入る。今日はとんかつの気分だ。
が、目の前で也沙に最後の一つを取られてしまった。講義の内容の代償とでもしようか。仕方ないので今日はカレーにしよう。
「…也沙、今日は午前しか講義ないし、体調悪いから帰るが、大丈夫か?」
「大丈夫って、こっちのセリフよ。心配だから家まで送ってくよ?時間もあるし」
…優しいな。中高はこいつ以外ろくに人と話せてないからか、よく身に染みる。
「あぁ、助かる」
そんな話をしている間に、最後の一口を頬張り完食し、帰路につく。
「時間あるとはいえ、ありがとうな」
「いいよいいよ、好きでやってるから」
ーーーーと、ふと気付いた。
大学の入口から、つけられている。
少なくとも俺ではないだろう。だとしたら、こいつか…
何が目的なんだろうか、といっても、ストーカーかそこらの類だろう。
後で俺が注意してやるか、と前に視線を戻す。と、よそ見をしていたためすれ違いざまに肩がぶつかってしまった。
「「あっ、すいませ…」」
也沙と声が被った。そんなことあるか?
人通りもそこまで多くないのに。お互いに
目を合わせる。と。
「「……!!」」
2人とも衣服に、血が滲んでいる。
お腹が熱い。灼けるように熱い。
呼吸が荒くなり、倒れる2人。
様子を見ていた人達が通報してくれているが助からないだろう。
ぼやけていく視界、朦朧としていく意識。
「かヒュッ……」
赤黒い液体が口から飛び出した。
あぁ、死ぬのか俺達は。
ーーーーーーー
目覚めるとそこはーーーーーーー
知らない天井だった。
ラノベ初描きです。