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The Islands War読本  作者: スタジオゆにっとはうす なろう支店
陸戦兵器 日本側
43/46

重装輪回収車の派生型

挿絵(By みてみん)

10トントラック


「転移」前より配備が開始される。破格の積載量と悪路走破性能を生かし、師団/旅団の長距離輸送力の骨幹となるとともに、「転移」後の国外支援業務にも大いに活躍した。「民生用」に若干の改修を加えた型が市販され、輸出もされている。異世界における本車の最大の働きどころはやはり「スロリア紛争」であり、実戦部隊に随伴可能な本車の機動力と作戦行動を支え得る積載量と走行距離、そしてタフさは、「本車による補給無くしてスロリアにおける機動戦の成功は有り得なかった」と、ときの作戦幕僚をして言わしめた程。なお、「スロリアの嵐」作戦には陸上自衛隊仕様の本車の他、特別措置法に基づき戦線の遥か後方に在って「安全地域」への物資輸送業務を行った、特別契約の国内の運輸業者連合所有の民間仕様車の貢献も忘れてはならない。


挿絵(By みてみん)

火力戦闘車


 FH70 155mm榴弾砲の後継として開発された車両。既存の155mm砲身と車両を一体化することにより、機動力を向上させると同時に開発/調達コストの圧縮を企図している。野戦特科射撃式装置及び観測用UAVとのリンクも可能。また、全自動での砲弾装填と射撃をも可能にしている。


 本車の配備と同時に開発が終了したロケットモーター付きGPS/IR誘導砲弾の採用により、通常では約30kmであった有効射程を100km前後まで向上させている。本車の配備により、従来では目標評定が困難とされた市街地や特定の地形においても、前線の普通科部隊との連携により正確な支援射撃が容易になった。ただし、1セットあたりの調達コストが高騰し、車体の大きさゆえに狭隘地及び山岳地での運用が困難とされたことから、配備開始時に容易な運用を企図した105mm軽量榴弾砲(新山砲)の開発が始まっている。

 全国の師団/旅団隷下の特科隊に配備が行われている。



追記:105mm軽量榴弾砲(新山砲)


「スロリア紛争」勃発時点で退役が始まっていたFH70 155mm榴弾砲の後継砲

 本来FH70を更新する筈であった火力戦闘車は、日本の地理的環境下で運用するには余りに冗長過ぎ、その構造上山岳部での機動運用が事実上不可能であったことから、退役の進みつつあったFH70の後継砲の開発と配備を本車と並行して進める必要が生じた。

 FH70との相違点として、徹底的な軽量化を図ったこと、砲員数をFH70の8名から5名に縮小可能なこと、これらの達成に伴う調達/運用コストの圧縮が図られた。同時にFH70同様の自走機能の付与もまた要求された。

 軽量化に関しては、口径が縮小されたことも相まってFH70の8000kgに対し2000kgという驚異的なまでの軽量化を達成している。有効射程は16000mとFH70の24000mより劣るが、並行して開発が進行した専用誘導砲弾「G弾」の採用により20000mの最大射程を確保しており、同時に従来榴弾砲では為し得ない精密射撃を可能にしている。軽量化の結果、高機動車による牽引輸送、UH2、UH60等中型ヘリによるスリング輸送が可能になった。これは陸自特科部隊の戦略機動力の向上に繋がっている。計画時に要求された自走機能に関しては、制御アプリ内蔵端末による遠隔操作でこれを実施し、動力源としては燃料電池で稼働する小型モーターが内蔵されている。燃料電池は牽引車の車内電源からの充電を可能にしている。

 本砲採用にあたって、専用弾として対装甲誘導徹甲弾「G2弾」が開発され導入されている。誘導方式はGPSとレーザー誘導の二種類が存在する。対戦車/対舟艇攻撃用


 各地の即応機動部隊及び都市型師団隷下の特科大隊を中心に配備が進行。部内では新山砲、105ミリ山砲という呼称が存在する



挿絵(By みてみん)

19式HIMARS(高機動ロケット砲システム)


「スロリア紛争」において、面制圧兵器として威力を発揮したMLRS発射器を軽量化かつ装輪化したもの。迅速な機動展開が可能な広域攻撃火器という発想に基づき開発された。車体の制約上どうしても携行弾数がMLRSに劣るため、MLRSの補助的な装備、あるいは後述する203mm自走榴弾砲の代替という扱いをされている。


 専用ロケット弾はGPS精密誘導、射程60~100km、DPICM(複合目的改良型通常弾薬)子弾×404個内蔵のM30相当の高性能ロケット弾を想定。4基一組のコンテナ2基、計8発を一度に装填可能な様に設計されている。また、最大射程200km、子弾900個内蔵の、「前世界」のATACMSに匹敵する専用の大型地対地誘導弾も試作された。


 方面隊隷下の特科団及び特科隊に配備。当初はこれらを増強する予定で配備が計画されたが、期を同じくして既存の203mm自走榴弾砲が耐用年数に達して順次退役を始め、その後継車を調達する計画も無かったことから、自然と203mm自走榴弾砲の後継装備のような形で「置き換え」が進むこととなった。本車の調達完了を以て、方面隊隷下の特科部隊は「陸上自衛隊の戦術ロケット砲兵」的な位置付けを確立することになる。



挿絵(By みてみん)

試製18式自走短距離防空システム


 既存の11式短距離地対空誘導弾の省力化及び運用の効率化に関する研究の過程で試作された車両。


 重装輪回収車ベースの車体に、索敵レーダーと目標追尾レーダー、短距離防空用の地対空誘導弾発射器及び近接防空用の25㎜機関砲を統合したシステムを搭載している。地対空誘導弾は四連装発射器を二基搭載し瞬間交戦性を高めるとともに、誘導弾の撃ち漏らした目標を排除するための25㎜機関砲が二基搭載されている。なお機関砲は対地攻撃にも使用可能。本車一両の運用に必要とされる人員は5名であるが、最小3名での運用も可能とされている。本車は車内での操作の他、付属する遠隔/目視照準装置からの操作も可能であり、その際照準装置にもレーダーからもたらされる目標情報を反映することができる。


 基本的な運用方法としては本車二両と予備弾運搬車一両で一個射撃小隊を構成するが、一両単独での運用も可能。本車の実用化により余剰となった人員を、戦域防空用の03式中距離地対空誘導弾(改)運用部隊に回し、陸上自衛隊高射特科部隊全体の運用効率向上を図るという意図が本車の開発計画の背景にあったと思われる。



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