軽量戦闘車
※上掲図中は下部/側面防護装甲を外した状態。下部装甲はモジュール式であり、容易に着脱と交換が可能である。
※上掲図下はモジュールユニットを外した基本車体。設計時の構想では、モジュールユニットの交換により様々な用途に対応可能であることを企図していた。現状、実用化しているのは最多生産型でもある兵員輸送型と、施設科向けの地雷処理型である。
「転移」前、国外緊急時における在外邦人の輸送、あるいは輸送部隊護衛用の装甲車両として研究が開始される。研究の一環として導入されたオーストラリア製ブッシュマスター装輪装甲車、ロシア製ティ―グル軽装甲車を参考に本車の基本設計が行われた。
既存の軽装甲機動車と装輪装甲車の中間を埋める装備である。地雷及びIED(即席爆発装置)より乗員を防護するために高い車高を有し、車体下部をV字型にすることで爆発時の衝撃を受け流す構造になっている。また、本車はその計画時より状況に応じた増加装甲の着脱を前提としており、そのためのアタッチメントが車体各所に配されているのも特徴のひとつである。通常作戦時の乗員は1+9名を想定している。ちなみに本車の開発は、財政的事情により次期装輪装甲車の大量配備が頓挫した際、それらに比して安価な本車を以て代替にするという保険的な側面も存在した。
本車は日本国内の部隊では各方面隊隷下の施設科部隊、後方支援連隊より配備が始まっている。これは「転移」前の「環アジア紛争」の戦訓から、施設科部隊、特に戦闘工兵への装甲車両の充足と、野戦救急車の装甲化が急務とされたためである。




