DCV-001 「あかぎ」型
DCV 「あかぎ」型
要目
基準排水量:20000t
全長:260m 全幅:42m
速力:30kt 機関:ガスタービン4基2軸
兵装:対艦ミサイル防御装置×2 CIWS×2 魚雷防御装置一式 ECM装置一式
搭載機
哨戒ヘリコプター×4(平時) 10機(対潜作戦時)
輸送ヘリコプター×14、軽攻撃機×6(揚陸作戦時)
※搭載機に関しては艦固有の搭載機を持たず、陸上に在る飛行隊からの分遣という形をとっている。
同型艦:2隻
「転移」に前後して就役した海上自衛隊 ヘリコプター搭載大型護衛艦を改装したもの。改装を期に、種別を従来のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)から、航空護衛艦(DCV)へと変更されることとなった。
ちなみに「スロリア紛争」前は一時現役を離れ、武装を外し他国への人道支援業務に使用されていたため、「スロリアの嵐」作戦への参加記録は無い。その間、本型に限り運用に必要な予算が防衛省及び厚生労働省と国土交通省、文部科学省から均等に支出されるという変則的な事態が生じている。ただし、本型は改装後に洋上ヘリポート兼病院船としてスロリア復興支援業務に参加している。
主な改修点として、艦上での固定翼機運用を可能にするために傾斜角12度の傾斜構造を艦首に増設したことが挙げられる。本来の任務たる対潜作戦の他、そのキャパシティーを生かし艦隊指揮艦、または特殊作戦の母艦としても運用される。
艦隊に対する航空支援機能と指揮統制機能に特化した「あかぎ」型DCV、「ひゅうが」型DDHの出現は、それまで「転移」後の混乱ゆえ、確固とした海軍戦略を持たなかった異世界諸国の艦隊建設に少なからぬ影響を与えた一方で、而して新たなる混乱をも生じさせることとなった。具体的には、財政に余裕のある国の多くが競って全通飛行甲板を有する水上戦闘艦を建造(あるいは他国より購入)して旗艦とし、形だけでも「ニホン海軍」に追随しようと試みたのである。しかし、DCV、DDHを中核とする水上機動部隊はそれを構成する各艦艇間を結ぶネットワークと強固な後方支援体制、高度な教育と訓練を受けた将兵あって初めて成立するものであり、それらを欠いた追随者の多くが無残な失敗を迎えるに至ったのであった。




