「AOH-01 グリフォン 攻撃ヘリコプター」
AOH-01「グリフォン」
図中上は固定機関砲を持たない先行量産型。下は機関砲を有する主力量産型。
諸元
乗員:2名
最高巡航速度:250km/h
戦闘行動半径:500~600km
航続距離:1500km(最大)
固有武装:25㎜単銃身機関砲×1
可変武装:ハードポイント×6
運用可能兵器:ASMMPM短距離空対地誘導弾×16(最大) ヘルファイアAGM×16(最大)
ロケット弾ポッド×6(最大) 近接防護SAM×4
既存のAH‐1F AH‐64Dを更新するべく、半ば応急的な案として推進されたOH‐1偵察/観測ヘリの武装型。後に正式な陸上自衛隊主力攻撃ヘリとして採用が決定された。
当初、OH-1の機体を小改造し、重武装を可能にした先行試作機が製作される。しかし試験飛行の段階で安定性の不良、搭載量過少、飛行性能の全般的な低下が指摘されたため、大規模な改造を以て対応することに決した。その結果として「殆ど新規設計」と称される程に大規模な改造が行われ、要求性能を満たした初号機が進空している。
初号機は胴体が延長され、燃料タンク及び専用の野外整備支援機材を収容する必要から胴体中間部の容積もまた拡大された。機首形状もまた下方監視赤外線装置搭載の必要から大規模な変更が加えられている。容積が拡大された胴体部の機材収容区画は、人員にして五名程度の収容が可能な広さを有し、後にこれは戦闘地域に不時着した友軍ヘリコプター乗員の収容、共同作戦を行う地上部隊要員の緊急搬送に「想定外」の効果を発揮することとなった。
計画当初本機は機銃を固定装備せず、スタブウイング下のハードポイントに、必要に応じ25ミリ機関砲を収めたガンポッドを搭載することが計画されていた。ガンポッドは試作されたものの採用されず、結局機銃非搭載型が十数機量産された後、機首に旋回式砲塔を搭載した改設計型が調達され、これが数的な主力となる。
本機の乗員は、統合ヘルメット照準システムによる全天候の有視界飛行及び索敵を可能にしている。基本的には後席の操縦士が操縦席上部のFLIRを以て操縦操作及び索敵、目標監視を行い、前席の銃手が機首下部のDLIRを以て目標捜索、監視、追尾を行う。これらの監視装置により、乗員は操縦席上の物理的制約を越えた広い視野が確保されており、メインローター頭頂部のミリ波捜索レーダーと連動した、直観的な目標の捕捉及び追尾をも可能にする。また、本機はSH-60Kで成功した型の攻撃ヘリ版的なAI(人工知能)を搭載しており、乗員に接敵時の飛行ルート、搭載兵装の選択、自機防御機能の運用に関する「助言」が可能になっている。