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合同部活動

 空き教室にやってきていた俺は先ほど辰巳先輩と話したことを思い返しながら、重いドアを開いた。

「あら、来たわね、受けのほう」

「第一声でBL言葉はやめてください」

 教壇のところにたっていた緑鳥ひなはにやにやしながら返答を考えていた。

 俺は攻められるほうだったのかと自問しながら部屋に入る。

「私としては、攻めでもいいんだけど、やっぱりイケメンの方が攻めた方がうけがいいじゃない?受けが!」

「ウケと受けをかけたいのはわかりましたよ」

 俺はそういうと教室の中を見渡した。

 集合をかけたのは、先ほどからBL妄想している黒髪ロングの三年生緑鳥ひな。

 飲食部希望で机に座りながらパンを食べている、赤みがあった髪色で髪にピンクのヘアピンを付けている2年生鎌城春香。

 教室の後ろで椅子だけあるところに座っている、観光部志望、イギリス人と日本人のハーフで赤と青のオッドアイ、金髪ツインテールの2年生樹海リアス。

 そして、カーテンの裏で隠れているのであろう、魔法少女部志望、小柄で薄い青の髪の毛サイドテールの1年生、天宗瑠璃。

 廊下の方でじっとこちらをみている残念なイケメンで盗撮ボーイの白石真我がいた。

 場所を教えていなのに鋭い。

「えっと、今日集まってもらたのは昨日の部室の件なんだけど」

「キマッたんデスか?」

 リアスはキラキラした目でこちらを見つめ、カーテンに隠れていた天宗瑠璃もこちらを見る。

「いや、そのことなんだけど、部室についてはアイドル研究部に譲ろうかと思ってて」

「どういうことデスかあああああああああああ」

 リアスは椅子から離れ、黒板近くにいた俺の方に向かってきた。

「リアスはキマッたものだとオモッて今日キタのに、譲るとはどういうコトデス?」

「でしょうね、私もそうじゃないかと思ったわ」

 緑鳥先輩はこちらをみる。

「ドウイウコトデス?」

 カタコトになるリアスを尻目に緑鳥先輩は続けた。

「だって、私たちバラバラだもの、そこにいる一年の彼女なんて急に帰っちゃうし」

「あぅ」と図星のように落ち込む天宗。

「用事なら仕方ないんじゃな~い?」と口をもごもごさせながら話す春香。

「どうかしらね」と天宗を鋭い目つきで見る緑鳥先輩、天宗は怖かったのか、少しおびえるが。

「瑠璃は、昨日忙しかったんです。でも先輩たちに呼ばれたんで仕方なく、そもそも合同でしようとはあまり乗る気はないです。まだ一年なので」

 少し早口で話す天宗瑠璃だったが。

「あら、乗る気ではないのならば、なぜこの場に来てるのかしら?」

「それは、」

 少し口をごにょごにょさせる天宗だったが

「お、お断りしようかと思ってて」

「ならあの、英雄名乗る受け部長さんにメールでもなんでも言って欠席すれば済む話じゃない?」

「それもそうなんですけど」

「ナンデスか。はっきりしないデスね」

「2人とも1年いじりはやめろよな」

「年下扱いはやめてください」

「いや、年下だし。それに2人の言い方きついですって」

 俺は天宗をかばうように前にでるが、それが気に入らなかったのか。

「あら、あなたはこの1年をかばうのね、昨日のこの仮部活の印象悪くした人を」

 緑鳥先輩はこの合同部には結構乗り気だから、昨日天宗がいきなり帰ったことが気に入らないらしい。

「あまり乗る気がない人を私が養護したくないのだけど、私たちの活動を妨げたいのならば、ここに居られても私は不快なのだけど」

「リアスもそう思うデス」

 2人がかりで天宗を責める中、助け舟である鎌城春香をみるが、すでに夢の中にいるようだった。何しに来たんだこいつは。

「魔法少女部だったかしら?そんな甘々な部活と性にまみれたBL部と一緒にできるとは思えないのだけど」

「私もそれについては同意見です、3年生だからって容赦はしませんよ、魔法少女を愛する気持ちはだれにも負けませんし、そんな薄汚れているBLと気高く純白な魔法少女を一緒になんて間違ってます」

「あらあなたも言うじゃない、そもそもBL苦手だからそう言うんじゃないの?」

「はい、嫌いです、見たくもありません」

「だったらいいじゃない?合同部なんて入らず、1年生なのだからこれから部員集めに精をだしたら」

「うう」

 天宗瑠璃はそういわれてしまい、先ほどまで強気が少しなくなっていた。

 樹海リアスは2人の口喧嘩に入っていけなのか、鎌城春香の余っているパンを勝手に食べていた。

「どうなのよ、合同部入る気がないなら、帰ったらいいじゃない?昨日みたいに」

「それは、」

 俺の方をちらちらみる天宗。

「ああ、そういうことね、イケメンとのカップリングで盲点だったけど、あなた彼のことが好きなのね。昨日から視線がおかしいと思ってたのよ」

「ち、ちがいます!そんなんじゃありません!」

「あら、大口で言うというならば図星なのかしら?よかったわね部長さん、こんなかわいい子に好かれて」

 俺はどう答えていいのかわからず、苦笑いした。

「好きじゃありません!あの人強引に入部させたんですよ」

「え?そうなの?」

「え?マジデスか?」

「しかも、私に対していやらしいことまで」

「うわあ、マジデスか、ヒクデス」

「あなたこんな小さい子に対してなんてことを」

 急に俺に対する視線がいたくなるのを感じた。

 いつの間にか喧嘩してた緑鳥先輩は天宗の頭をなでていた。

「かわいそうにね」

「そうなんです、私は被害者なんです。だからその、あれなんですよ。今日も脅迫されたみたいな感じ?」

「してないから!普通に集合かけただけだよ」

「怪しいデス。あそこに変態のお仲間もイマスし」

 リアスは指をさすとまだ真我はこちらの様子を覗きこんでいた。

 確かに天宗さんに対して悪いことをしたのは間違えない、許してもらっているとも思ってはいないけど。

「天宗さんごめん、確かに俺はあなたに対しての勧誘はあまりよくなかった。許してほしいとは思ってないけど、素直にどうしてここに来たのか教えてほしい。このままじゃ誤解されたままだし、合同部も始まらない。だからお願いします。」

 俺は心からの気持ちを素直に答えた、天宗さんからしたら図々しいことで、言いづらいことを無理やり聞いているようで、少し罪悪感はあった。

 俺は誰かが何か答えてくれるまで頭を下げる覚悟だった。

「あの、月下先輩、私は、その」

 天宗は口を開けたので、すぐに頭を上げた、覚悟もなにもない俺は情けない。

「天宗さん、やっぱり合同部で部活したいんじゃないの?」

「うぅ」

 天宗はそういうと緑鳥先輩の後ろに隠れる。

「月下!少し黙ってるデス!今からコタエようとしてるんだから、こんなコをいじめてはダメデス」

 リアスさん、先ほどまで天宗にいろいろ言っていたことはなかったことになってます?

 俺はそんな冷ややかな視線を浴びせたが、あまり効果はなかった。

 でもリアスの言いたいことはごもっとも、強引に俺が聞き出そうとしても天宗の性格だから、言いずらいから、このままだんまりの可能性もある。

 だから俺は一言だけにすることにした。

「天宗さん、なら一つだけ教えて、俺たちと一緒に合同で部活しませんか?」

 そういうと俺は手を差し伸べた。

 俺はそれ以上は何も言わないことにした。余計なことを言って、頭を混乱させては何もならない。

 緑鳥先輩も俺の意図を組み込んだのか、後ろでしがみついていた天宗を引き離し、前にやる。

 リアスも天宗の答えをじっと待っていた。

 5分くらいたっただろうか、もじもじしながら天宗はうんうん悩みながら答えを考えていた。

 リアスもその答えをすこしイライラ気味で待っていた。

 それもそうだ、真我にすぐに手が出てしまうところ、少しせっかち気味なところがある彼女からしたらこの時間は苦痛でたまらないのだろう。

 緑鳥先輩は、天宗の答えを待つのに表情も変えず、待っていた。さすが上級生とも思ったが、緑鳥先輩の視線の先は俺と、後ろで待機していた真我が視界に入っていたようで、どうやら俺たち二人の妄想をしているのだろう、妄想ワールドに入っており、天宗の答えなどどうでもいいのだろうかのように待っていた。

 俺たちはさすがにずっと立ちっぱなしで話していたので

「きつくないの~?座ったら~?」

 先ほどまで寝ていた鎌城春香が起きてきて、俺たちに座るように誘導した。

 顔を見合わせて、空いている席に座ることにした。

 天宗さんも少し離れるように座った。

 声が聞こえる範囲内だが。

 だが、時間がたてばたつほど、このままでは言いだしずらいのでは?とも疑問に思う。

 これでは上級生3人(鎌城春香は除外)して下級生をいじめているかのようにも見えてくる。

 とくに外に見張り(ただいるだけ)がいるため他の生徒から見られたらそう思われなくもない。

 俺はこの状況やばいんじゃね?と思う、この沈黙が早く終わってくれないか業を濁していたら

「あの、私、本当は魔法少女部を一人でやりたかったんです、どうせ誰にもわかってもらえないだろうって思って」

 天宗は口を開き、そしてゆっくりまた話した。

「でも、部活動をするには人数が必要だって聞いて、やっぱり私だけの部活ってできないんだ、だったら別に部活じゃなくても個人的に楽しんだらいいのかって」

 天宗は俺たちの顔を見渡し、うんと頷いた。

「月下先輩に合同部に誘われて、あまりいい勧誘じゃなかったですけど」

「すみません」

 俺は一応謝っておいた。素手でた言葉だった。

「でも、断られたのは私だけじゃないんだってわかって、少し嬉しかったんです」

 天宗はそういうと表情が先ほど曇っていたのに、笑顔になってきた気がした。

「だって、英雄部とかわけがわからないですし」

「なんかディスられてる」

「BL部とか、却下間違いないでしょうし」

「言うわね」

「観光部って、旅行費貰う気満々ですし」

「当たり前デス」

「飲食部とか、見るからに食費目当てじゃないですか」

「あはは」

 上級生に容赦ない天宗は若干一人は除外し(盗撮部)、もう一度口を開いた。

「魔法少女部が段々まともに見えてきて、ああ、この人たち面白いなって思って、でも昨日アイドル研究部さんと部室を競うことになって、ああこの人たちと私たちではだめだなって一目でわかりまして」

「ごもっとも」

 あんな純粋に部活動にまっすぐ取り組もうとしていた部活を見ると、個人の邪な考えで部活しようとしていた俺たちからしたら、まず勝ち目がない。

「あの一年生のみくって子は私のクラスメイトで、小学校中学校も一緒で」

「まじか」

 あのしゃしゃりでていた生意気一年生のことだ。

「私のことはあまり知らないみたいなんですけど、小学生のころからずっとアイドルにあこがれてて、いろいろオーディションとか、地元のアイドル活動してたみたいなんですけど、あの性格だから周りとも衝突があったりで、なかなかうまくってなかったんですけど、アイドル研究部さんではなんか上手くいってるみたいで、みくちゃんの夢を壊しちゃだめだなって思って、負い目を感じてそれで昨日は逃げるように帰りました。用事があったのも本当ですけど」

「そうなんだ、そうだよな、俺も同じ立場だったらそうするかもしれない」

 実際みくって子の真剣さはほかのアイドル研究部の部員を見ても人一倍あったかもしれない。それに関しては間違えない、それにあの図々しい態度を受け入れられているところもあるので、やっとできた彼女の居場所であると天宗はそう認識したのだろう。

 それを壊すとなると、恨まれることをするよりかはマシってことだ。

「今日ここにきたのは、月下先輩のこれからどうするのか知りたかったからです。口喧嘩してしまったことはごめんなさい」

「いやそれは俺たちも悪かったし」

 無論緑鳥先輩やリアスも同罪だ。

「悪かったわね、魔法少女部を馬鹿にしたようなことを言って」

「リアスもゴメンデス、つい思ったことをそのまま言ってシマウノデ」

「大丈夫です、なんとなくどういうこというのか想像してたので」

 愛想笑いして天宗は話を続ける。

「もし月下先輩がアイドル研究部からの夢を壊すなら、合同部解散させてまで止めようって思ったんですけど、違ったみたいで、だから私はどうしたいのかちょっとまだわからなくて」

「そっか、」

 ここに来た理由はわかったけど、彼女自身どうしたいのかまだ決断はできてはいないようだった。

 だから

「わかった、じゃあその答えがわかるまで待ってるよ」

「へ?」

「いやその、合同で部活をするのかどうか。まだ俺たちは知り合ったばかりだし、相性が合うあわないってまだわからないわけだし、合同部をどうしたいのかまだ俺自身もはっきりしてないし」

 考えてみれば、別に部室がなくても合同部として申請し、各々自由に部活動として活動してもいいんじゃないのか?とも思ったが。

 幽霊部員の勧誘でもないし、合同で部活をする以上、お互いのことを知って胸を張って部活をしていることを示さないとアイドル研究部さんにも失礼だ。

 それじゃ冷やかしのために真剣にアイドル研究部から部室を奪おうとした生徒会からの刺客みたいになってしまう。

「私はBL部しかしないつもりよ、それははっきりしているわ」

「ワタシも観光部しかしませんヨ」

「私も食べることしか考えてない~」

 3人は各々の答えをはっきりと発言した。

「わかっているよ、俺も英雄部しかしない、天宗さんも魔法少女部しかしない。それでもいい。ただ」

「ただ?」

「うーん、なんとなくなんだけど、一緒に部活を個人個人で楽しむなら、楽しい方がいいかなって」

 辰巳先輩のいう伝説の合同部を思い返す。メンバーの解散の原因は個人個人の考え方の違いからだ。

 お互い干渉しない関係なら別だが、個人部活を合同でするなら干渉することもあるかもしれない。

 今日のように言い争うで、解散っていうのもあり得る話だ。

「たとえ解散したとしても、いやな別れかたじゃなくて、円満な解散が俺はいいかなって、せっかくこうやって合わさったんだから、これも何かの縁だよ」

「そうね、出来たら絡み合ってくれると助かるのだけど」

 そういうと緑鳥先輩は真我をこちらに呼び寄せるように手招きをした。

「やめてください」と俺が言った矢先。

「おや、ばれてしまいました?では盗撮部も仲間に入りますか」

 そういいながら真我は俺たちの話していた教室の中に入ってきた。

「そんな部活は認められるわけないデス!」

 リアスは入ってきた真我に鉄槌を下した。

「痛いよ、ひどいじゃないか、俺も真剣に撮影がしたいんだよ」

「本人の同意なしの撮影がどこが真剣デスか!」

 リアスはまた真我に鉄槌を下す。

「白石、お前も一緒に合同部したいのか?」

「いてて、そうだね、お邪魔じゃないならいいんだけど」

「ジャマデス!」とリアスはいう。

「手厳しいな、でも僕も盗撮、いや女の子を無断で撮ることが部活として申請されるとも思ってないさ、でもこの学校にはすでに写真部は存在するからね、僕が撮りたいものとは違うから、合同部がお似合いかもしれない」

「いや、でも犯罪の加担してる部活動はちょっとな」

 邪な考えの俺たちに真我の部活はもっと邪な考えだ。ただでさえアイドル研究部から悪印象なのだから、これ以上イメージを壊すことはやめてほしいのだが。

「大丈夫さ、特殊写真部として申請すればいいのだから」

「いや、お前がいやらしい写真撮ってること結構知れ渡ってるから無駄だぞ」

「え、そうなのかい?」

 真我は俺たちを見渡し、うんうん頷く女子ズ。

「そ、そうか~、僕はじゃあ、合同部には入らないけど、見学者として見守るよ」

「大丈夫デス!帰れデス!」

 リアスはそういうと真我を教室から追い出すように蹴とばした。

「ひどいじゃないか、光!お前からも何か言ってくれ」

「すまん、合同部の仲を壊したくないんだ」

「そんな」

 だが、そんな真我に手を指し伸ばした人物がいた。

「え、緑鳥先輩?」

「BLのモデルとしているならいいんじゃないかしら?」

「え!?」

 真我はさすがに予想外なことを言われて表情を引きずった。

 それもそうだ、被写体が自分だなんて想像もしなかったんだろう。

 俺も思いたくなかったが、緑鳥先輩のBL愛はまだ底知れない、もっと深いのかもしれない。

「遠慮しておきます!!」

 真我はそういうと教室を飛び出して去っていった。

「あら、せっかくのモデルが」

 まって~かのようなポーズをする緑鳥先輩であった。

「さすが上級生デス」

 リアスはぐっとポーズを緑鳥先輩に向けた。

「そんなつもりじゃないわよ」

 そういうと緑鳥先輩はむすっとした表情を返した。

「さて」

 話が脱線して天宗さんの話を聞けていなかった。

「天宗さん、話は脱線したけど、どうかな?みんなも合同部はどうする?」

「このごたごたでよく聞けるわね」

 緑鳥先輩は余計な突込みを入れた。

 俺もそう思うけど、切り替えるしかないし。仕方がない。

「私は、合同部したいです。いろいろ悩みましたけど」

 俺は以前一人で魔法少女の恰好していた天宗を思い返した。

 あれは彼女の素なのだろう、だがやはり一人黒歴史を作り続けるのもなんとも儚い話だ。

「了解、それが聞けて嬉しいよ」

「私は最初から乗る気よ、3年生最後、BLに青春を捧げるつもりよ。きちんと何かをやったことを残したいもの」

 緑鳥先輩はそういうと今までにない真剣な表情をした。

 それは覚悟のような気もしたが、その意図を俺はその時は読み解けなかった。

「リアスも、観光部のためなら合同部だろうが、なんだろうがする覚悟デス」

「部活として食べるなら学業も問題ないしね~」

 保留していたリアスの覚悟も鎌城春香の気持ちも全員同じ意見だった。

「決まりだな、じゃあ」

 俺は辰巳先輩からもらっていた書類を出した。

「いつの間にもらってたのよ」

 俺はあははとごまかし、ボールペンを取り出した。

 そして決意の固まったメンバーを見渡し記入した。

『部活動名:合同部 

 活動内容: 

 英雄研究部 女性向け漫画研究部 魔法少女部 観光部 飲食部

 以上の部活を合同に行い、個人個人を尊重し、高めあいながら

 各々の考えをもって行う部活動である。

 顧問:』

「あ、そういりゃ」

 顧問を決めないといけないが。

 まああの人でいいか。

 許可は取ってないが勝手に書いた。

『顧問:遠園小三郎』

「あら、顧問見つかってたのね」

「そうですね」

「リアスこいつ嫌いデス」

 リアスが毛嫌いするのなんかわかる気がした。

「事前に伝えてはいるし、大丈夫だと思う」

 事後報告になるが、大丈夫だろう、あの先生だし。

「これでいいなら、生徒会に出しにいくけど」

 俺はそういうと椅子に座っていた鎌城も立ち上がり、俺のもとに近づいた。

「それなら私もいくよ~」

「リアスも同行するデス」

「仕方ない、月下部長だけでは心配だものね」

「わ、私も一緒に行きます」

 4人とも一緒に行ってくれる、そう思うと一致団結したかのようで嬉しかった。

「じゃあ、生徒会に向かいますか」

「何泣いてるのよ」

「泣いてないですよ」

「冗談よ」

 緑鳥先輩はそういうと先導するかのように前を歩いた。

「早くしないとおいて行っちゃうデスよ!ここが観光名所ならちんたらしすぎデス!」

 リアスもまた緑鳥先輩と一緒に前を歩いた。

「走っちゃダメだよ~」

 鎌城春香はのんびり後ろを歩いた。

「ですよね~」

 天宗も鎌城春香とともに歩く。

 俺はというとその間を歩いた。

 なんだか合同部の位置が決まったかのような感じがした。

 そしてそうこうしていいるうちに俺が先ほど寄り道をした副生徒会長、辰巳詩音のいる部活動統括部門の部屋にたどり着いた。

 ここは全員ここにきて辰巳先輩に部活動申請をし、却下された苦い思い出のある場所だ。

 だが、その時とは別だ、今回は一人じゃないんだから。

 心細いってことはなかった。その気持ちはきっと全員同じ気持ちだろうと思っている。

「行きますよ」

 とドアをしようとしたら。

「おーい月下、この前の部活の件はどうなった?」

 なんと先ほど記入した顧問、遠園先生だった。

「げえ」

「おい樹海、先生にむかってげえはないだろう」

「ゴメンデス」

 遠園先生は樹海をしかると俺の方を向いた。

「ここにきてるってことは決まりそうなんだな」

「はい、後で言おうかと思ってましたが、顧問の記入欄書いておきました」

「いや月下勝手に、まあいいか、小遣いせびろうか思ったが、このメンバーじゃ俺もお手上げだ、まあなんだ、俺は干渉するつもりはないが、困ったことがあったら頼れ、万年帰宅部だった月下がここまでやってのけたんだ。それなりに気にしてたんだぞ」

「え、ありがとうございます」

 思ってもなかった言葉に俺は少し嬉しい気持ちがあった。

「一応社交辞令だけどな、部費がわかったら教えてくれよ、あ、しまった学年主任に呼ばれてたんだった、じゃあがんばれよ」

 というよ遠園先生は嵐のように去っていった。

「やっぱり最低な先生デス」

「あまり部費をとられるのは困るのだけど」

「食べる分減るしね~」

 まだもらえるも確定していない部費を各々期待していた。

 でも俺思うに辰巳先輩のフォローもあると思うが、思ったよりもらえないと思うけどな部費。

 俺はそう思うと気持ちを切り替え、辰巳先輩のいる部屋をノックした。

 そして中から「どうぞ」という声がしたので、5人とも部屋の中に入った。

「あら」

 緑鳥先輩は声を出すと、辰巳先輩が座っていたそのそばにアイドル研究部の部長さんがいた。

「お揃いですか、ちょうどよかった、さっき生徒会で話してて、結論が決まったからアイドル研究部さんも呼んだんだけど、あなたなら呼ばなくても来るかと思って」

 俺はスマホを確認した、連絡は入ってない、どうやら辰巳先輩の思うつぼに俺は引っかかったようだった。

「やっぱり二人は以心伝心の仲なんだね~」

「違う」

 鎌城春香はファミレス同様からかってきた。

 そのからかいに対し、謎の天宗さんがぐぬぬと声をだしていた。

「辰巳先輩、あとアイドル研究部さん、話に割り込んでしまい申し訳ないです」

「いえ、いいですよ、副生徒会長さんになぜか待ってるよう言われましたが、意図がわかったので助かりました。それで結論を聞きたいのですが」

 アイドル研究部部長は辰巳先輩に答えを求めた。

「じゃあ、結論から言うとね、アイドル研究部さん、あなたたちにあの部室の使用権限を与えます。合同部さんには申し訳ないけど、部室はまだ検討中だからちょっとまってね」

「本当ですか!ありがとうございます、合同部さん、ごめんなさい、うちのみくが困るような言い方したっせいで」

 アイドル研究部部長さんは歓喜と俺たちに対し謝罪をした。

「あ、あの」

 その謝罪のあとに声を出したのは天宗さんだった。

「昨日の、帰った」

「はい、ごめんなさい、でも、あの余計なことかもなんですけど」

「はい」

 天宗さんはそういうと深呼吸して話始める。

「みくちゃん、アイドルにずっとなりたかったみたいで、よく知らない私が言うもおかしいですけど、よ、よろしくお願いします。」

 天宗さんがそういうと部長さんはにこりと笑い。

「わかったわ、応援してくれてる人がいるってわかるとあの子をきっと喜ぶと思う、でもあまりおだてると調子乗るから、言わないでおくね、ありがとうね」

「い、いえ」

 天宗さんは言いたいことが言えたようで、すっきりした表情を見せた。

「すみません、これが昨日の部室の鍵です。一応生徒会と先生方でスペアキーを持ってはいますが、部長さんも分もお渡ししておきます。くれぐれもなくさぬよう管理お願いしますね」

「はい、わかりました。それじゃあみんなに伝えてこないといけないから、合同部さん、私がいうのもなんなんだけど、頑張ってね」

「ありがとうございます」

 部室が決まったのと、天宗さんの言葉が嬉しかったのか、るんるん気分で部長さんは部屋を出て行った。

「にぎやかな人デスね」

「あなたがそれいう?」

 緑鳥先輩は突っ込みをいれた。

「それで合同部さんの要件は?」

 辰巳先輩を俺に向かって、少しにやついた顔で俺を見ていた。

 どうやら俺の答えの意図はすでに読まれているようだった。

 むしろそれなら好都合というものだ。

「部活動申請に来ました。受理をお願いします」

 一応合同部はまだ正式な部活ではない、だからこそ部室うんぬんより学園に存続する形を先に作らなければいけない。始まりの一歩はこれでいい。

「なるほど、でもちょっと訂正してもらいたい箇所がありますね」

 俺が渡した書類を一読した辰巳先輩は訂正箇所を指さした。

「こんな堅苦しいのじゃなくて

 英雄部 BL部 魔法少女部 観光部 飲食部 自分たちのしたい部活を仲良くして活動する部活、それでいいと思うよ」

「あら、私も突っ込まなかったBL部はそのままの名前でいいのね」

「別にやましい部活でもないしね」

 辰巳先輩はそういうと新しい書類をもってきて、訂正箇所を指摘し、再度俺に書くよう指示した。

「あと、メンバーの名前の署名も書いてね」

「はい」

 訂正された文章を再度記入して、俺の名前を記入。

 ペンを渡し、緑鳥ひな、樹海リアス、鎌城春香、そして天宗瑠璃に書類が渡った。

「はい、これでOKです、受理しておきますね」

「ありがとうございます」

「もう明日から活動してもいいけど、部室が問題だよね~」

 辰巳先輩は頭を悩ませていたが

「大丈夫ですよ、ねえ?」

「ええ、部室なんてあとで見つかればいいわ」

「デスね、今はまだその時デハナイデス」

「食べに行くならどこでも大丈夫だしね~」

「私も問題ないですよ」

「だそうです」

「皆さん」

 辰巳先輩はかつて俺たちが申請しにきたのを振り返っているのだろうか、少し感傷に浸っていた。

「ありがとうございます、きっといい部活できるよう、私もあなたたちの応援をします」

 辰巳先輩ははっきりとした声で俺たちに向けて言い放った。

「頑張って英雄さん、大変なのはこれからだぞ」

「はい、がんばります」

「うん、その意気その意気、それで明日からの活動は?」

「へ?」

 俺はそういうともう部活していいと言わんばかりの辰巳先輩の発言に、申請しか考えてなかった俺たちは何もいうことができなかった。

「あ、いきなり言ってもだよね。いいよいいよ、うん、とりあえず方針はこれからでいいし、また部活が受理されたら英雄さんに伝えるから」

「わかりました」

 俺たちは辰巳先輩がそういうと、特にもう用もないので、部屋を出ることにした。

「さて、明日からどうしましょうかね」

 とのんきに俺がそういうと。

「あ、ごめんなさい、帰ってすることがあるので、ここで帰ります。また明日」

 とすぐさま天宗さんは帰っていった。

「あれは変わらないのね」

 緑鳥先輩は少しあきれていたが、あれも彼女の性格なんだと納得した。

「リアスも帰らないと、旅番組の再放送みるデスから、それじゃ」

 リアスもそういうと荷物をもって、帰っていった。

「おや、樹海ちゃん、今から帰るのかい?」

「黙れ変態!」と偶然出会った真我に罵倒して、帰っていった。

「ひどい、光、僕まだ何もしていなんだけど」と俺たちに近づいてきた。

「日頃の行いが悪いせいじゃないか?ってなんでここにいるんだよ」

 神出鬼没なのかこいつは。

「いやまあ、どうなったのか気になってね」

「とりあえず申請したところかな」

「え、僕の部活も?」

「してないよ」

「そんな、」

「入らないって言ったのはお前だろ」

「確かにね」

 俺と真我の話に何やら燃えたのか。

「う、う、う、こうしちゃいられない、私も帰るわね、急いで漫画をかかないと!!」

 なにやら今の俺たちのやり取りとネタが浮かんだのか。樹海のあとを追うように帰っていった。

「合同部ってばらばらだね~」

 鎌城春香はそういうとおなかの虫を鳴らした。

「あ~、恥ずかしいな」とおなかを抑えていた。

 あれ?教室で何か食べてなかったか?

「あー、帰って家でごはん食べてきたらいいんじゃない?」

「うん。そうするよ~、ばいば~い」

 鎌城春香はそういうとおなかを抑えながら俺に向かって手を振って帰っていった。

「ほんとバラバラだね、合同部」

「でもまあ、それでいいと思うけどな、自由で」

「じゃあ、僕も写真を撮って帰るよしようかな」

「捕まるようなことはするなよ」

「わきまえているよ、光も一緒にどうかな?」

「遠慮しとくよ」

「だろうね、じゃあまた明日」

「ああ」

 真我はそういうとスマホを取り出し、撮影の準備を始めていた。

「やれやれ」

 俺はそうつぶやき、何もすることがないので帰ることにした。

「さて、明日から合同部頑張りますか」

 廊下で独り言を口ずさみ、明日からどうしようかプランを考えた。

 

 



 

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