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シークレット・ウォーズ〜魔術と科学と無法者〜   作者: MineN
第一章 始まった高校生活。俺の役目。
1/6

#1

3月にめでたく中学を卒業し、受験した第一志望高校に入学した。

めでたいとは思えない学校生活を送ってきたが、この話は別の機会に話そうと思う。

そんな 俺の入学した高校、「影葉高校」は華創島という太平洋に浮かぶ島に建てられている。

華創島は広くも狭くもないごくごく普通の島だが、特徴は?と聞かれると大体の人は

「 高校野球が強い」ぐらいしか思いつかないだろう。

俺もそうである。

どうやら近年10年間で全国大会に6回出ているようだ。

俺はそんなに野球には興味はないが、強豪校の影葉高校に入学することになった。

理由は特になく、強いて言えば家が近くて頭のレベルもちょうど良いぐらいだったからかな。

そんな事はどうでもいい。 俺の体験した高校での奇妙な出来事を話すとしよう。奇妙な出来事は沢山あったし、楽しかった事もあるがまずは最初の最初からだ。

この学校に入学して早1週間が過ぎ、新しい週が始まり気を引き締めていた頃に起きた出来事だ。

その日はまだ部活には入っていないため朝練もないから、のんびりと学校に登校してきた。

ゆっくりと廊下を歩きながら外を眺め、階段を下りていると階段の上の方から不思議な光と声が聞こえた。

恐る恐る階段を上っていくが特に何も起きない。

なんだ、勘違いか・・・・・

そう思い階段を下りようとした時、床が歪んだ。

怖くなって目を閉じた。数秒間空間の変化は続いた。

何が起こってやがる。最初は貧血でも起こしたかと思った。しかしそれは違った。

目を開けて辺りを見るとそこはさっきまでいた階段ではない。

まるで瞬間移動で全く違う土地へ来た、と思ってしまうほどのとても荒れた土地だった。

木々はなく廃都市があり、身を隠す事の出来るような崩れ落ちたビルの壁があった。

身の危険を感じ、とりあえず隠れることにした。

元の場所に変える方法は後で考えようと思って壁に隠れた。

煌めく星のような光。刺さるような音の雷。とてつもない重力。

それが 今俺がいる場所で起こっている事だ。

本当にこれは現実なのか?

さっきまで学校を歩いていただけなのに何故・・・・・

壁から少し顔を出すとよく見えないが人が4人いた。

喧嘩をしている夢を見ているのか?と自分を疑った。

貧血を起こし、先生か誰かが保健室まで送ってくれたのだろうか。

ベットに横になっているなら夢でもおかしくはない。

こちらには気づいていないようだが、1人壁に向かってきた。

その人に向けて放った攻撃が地面に当たり、地震が起きているように感じた。

すると俺の隠れている壁の真横に攻撃が飛んできて、気絶しそうになりながらも

どうにか正気を取り戻し、ここに至るまでを思い出していた。





「新入生退場」

その掛け声で、一斉に起立し会場の体育館を出た。

やけに長い校長の話を聞いて入学生のほとんどが寝かけてた。(ちなみに俺もだが・・)

そもそも校長ってどこの人も睡眠音波でも飛ばしてんのか?全国の校長でも集めて

声の検査でもしたらわかるかもな。

そんな事を考えていたが、生徒会長のテンプレな話でますます不安が大きくなってきた。

本当にこれが強豪校の影葉か?

不安と不安でいっぱい(不安だけじゃねぇか)の俺だったが、ようやくクラスのHRの時間がきた。

「1年間このクラスを担任する加藤だ。」

加藤先生は世界史の先生である事、物作りが好きな事などと丁寧に自己紹介をし、ネタが尽きたのか

「じゃあお前たちも自己紹介をしてくれ。」と言い出した。

席が前の方のやつから自己紹介を始めることになり、真ん中くらいだったので

あれこれ考える時間ができた。と言っても考え込まずに定番中の定番でいいかと思い、

「中田川中学出身 隣藤あたる です。 これからよろしくお願いします。」

と言った。

まぁこれといって言いたい事も無いしいいか。

大きなリアクションが無いまま自己紹介が終わった。

「今日はこれで終わりだ。おまえら早く帰れよ。」

加藤先生の一言でHRが終わり、生徒が次々と教室を出ていく。

「帰るか・・・」

誰もいなくなった教室でつぶやいた。

1人で帰るのは珍しくない。高校生になったばかりでテンションが上がっているやつらと遊んだり、ハンバーガー屋だけどポテトが美味い店とかに行くのも悪くはなさそうだが、1人で帰るのに慣れたせいか自然と最後まで教室に残り他人が帰っていくのを待った。

1人で帰るのは悪くない。そう感じ始めたのは中1の冬頃だっただろうか。1人ならゆっくりマイペースに帰れるし、街の風景を見ながら帰るのも楽しかったからだ。だから友達が少ないんだが。

俺が入学したこの高校は3階建ての北校舎と南校舎、部室棟などがある。俺が所属しているクラスは北校舎の3階にある為嫌でも毎日階段を上り下りしなきゃならない。

3階と2階の間の踊り場で異変に気付いた。やけに上が明るい。むしろ明るすぎる? そしてよく聞き取れなかったが誰かの声がした。先生が点検でもしているのかと思いつつも上に上がることにした。

3階を越え、開いているはずもないが屋上の方まで上がった。しかし何にも無い。

「気のせいか・・・」

口に出し、再び下りようとすると突然床が揺れた。というか歪んだ。何が起こってやがる。こんな時に貧血でも起こしたか?怖くなって目を閉じた。その状態は数秒続いた。しかし貧血でも地震でも無かった。

目を開け辺りを見るとそこはさっきまでいた階段ではない。

まるで瞬間移動で全く違う土地へ来た、と思ってしまうほどのとても荒れた土地だった。

木々はなく廃都市があり、身を隠す事の出来るような崩れ落ちたビルの壁があった。

身の危険を感じ、とりあえず隠れることにした。

元の場所に変える方法は後で考えようと思って壁に隠れた。

夢であってくれという願いと動揺しまくりの俺はどうしたらいいかわからずただ壁にもたれ今の状況を確認しようとした。ただ夢ではないようだった。その辺のガラスの破片で軽く腕をかくと血が出てきた。

「どうすりゃいいんだよ」

言葉を発しても返す人などいない。そうして俺は立ち尽くしていた。






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