朝日に共鳴、大咆哮
朝食。眠気の残る体を起こしてすぐに行う毎朝恒例の行動その1。
まだぼーっとする体で火などを使うという朝からいきなりのハードな仕事でありかなりの確率で事故をおこすことがあるがそんな危険な仕事を主婦というのは簡単にこなす。上から目線だが毎日朝早くからの労働ご苦労、と思ったらパンでした。今時の主婦はなっとらんな。
超上から目線な言葉を頭の中ならべていると隣に妹が座り、俺の大事なパンを横取りしていった。この野郎。
だがまあべつに怒るほどでもない。なぜならここ最近朝食を取るのが面倒だからだ。
そのまま席を立ち上がり、今は亡き朝食のかわりにテーブルに放置されていたチョコレートを口の中に放り込む。チョコの包みに姉の名前が書いてあった気がするが気のせいに違いない。
そのまま二階に上がろうとしたがなぜかそう簡単には逃がしてくれないのが朝というものだと思う。すぐに母さんに呼び止められた。
「あー英治。ちょっとゴミ出してきて。」
「はいよ。」
言われるがままゴミを受け取り玄関を出て外に出る。外にでる二日ぶりだな。
扉を開けた瞬間、鳥と何かの虫の鳴き声と日の光に身を包まれる。そこにそよ風も入ってきて気分が高揚する。
唐突に何か口に出したくなる。そして頭を上に上げ行きを吸い、
「だが!我がドイツの医学薬学は、世界一ィィーー!!できん事はないィィーー!!」
頭にさっと出てきた言葉を叫んだ。やはりなんか気分がいい。
そして元の位置に顔を戻して目線を正面に向けると。
通行人に冷ややかな目を向けられていた。




